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【茶盌】粉引 筒茶盌 八染窯 和田厚作

入手価格:★★

 2022年初落札したのは、この茶盌だった。
 年末に落札できたらラッキー!ぐらいの気持ちで入札した。

 幸運にも落札できてしまった(笑)

粉引とは?

 粉引とは陶器の技法の一つで、赤土の地に、白泥で白化粧をして、白釉を掛けたものである。高麗物に多い技法で、ぼってりとした真白い器膚が魅力だ。

 しかし、この三層構造のため、一度入った水が抜けにくく、変色しやすい。それ故、粉引の器を使うときは三十分は水に浸けておくことが必要となる。

 勿論、使い終わったら一週間以上は干さなければならない。これは軟陶である楽や萩と同じ扱いである。

筒茶盌とは?

 筒茶盌は、寒い時期に用いる筒形の茶盌のことで、表千家では猛暑にも使うと聞くが、当流では主に寒中に用いる。

 当流では「長柄ながえ」と呼ばれる五分長ごぶなが茶筅の一種で、柄だけが五分長い数穂茶筅を使う。これは一般に作られていないため、Instagramで知り合った茶筅師(翠宏園)に毎年特注するしている。

 ちなみに当流で使う長穂ながほ穂だけが五分長い茶筅であり、市販されていないため、コチラも特注している。ちなみに普通に売られている長穂という商品名のものは穂と柄を合わせて五分長い茶筅である。

 筒を倒す方向には流儀ごとのちがいがあるが、当流は右に倒すことになっている。斜めに倒すのは、口の狭い筒茶盌を、少しでも点てやすくする工夫だ。

 このため筒茶盌は高台と腰の関係が絶妙な高さになっている必要がある。低すぎる高台や張りすぎた腰では筒の倒れる塩梅がしっくり来ない。

 この茶盌は、どちらかというと塩笥しおげ茶盌に似ている。

 塩笥というのは筒茶盌の一種で、下膨れの小壺で、口が窄まったもの。もとは塩や味噌を入れたもので、茶人が冬の茶盌や火入ひいれとして用いたと言われている。端反はたぞりの物が多く、この茶盌も端反りであることから筒というよりは塩笥と呼んだほうがよい。

八染窯とは?

 八染やしお窯は那須高原に流れる那珂川のほとり、里山というところにある窯だそうで、茶陶を中心に作陶されている。美濃や丹波で修行をなさったそうだが、その師が誰であるのかは調べても出てこなかった。

 益子の陶器市に出られていたそうだが、益子焼の一種とは思えない。釉薬の掛かり方は志野の技法に近い気がする。地の赤土は丹波のものを混ぜているのだろうか、美濃の赤とは違う下地であるように思えるが、どうだろうか。

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