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2023年2月の個人的良Web記事TOP10

できる限り多くのできるだけ上質な情報に触れて、それを解釈して、できれば少し先の未来を予測してみたりすることが昔から好きだ。
いつもはTwitterに吐き出して垂れ流しているばかりなので、今年からは勝手にTOP10形式でご紹介できればと思っている。その第2弾。今のところ楽しさしかない。

  1. フィンランドの子供たちが学校で身につける「フェイクニュースを見抜く力」

  2. 人生、次の5-10年を考えるための問い:オデッセイ計画フレームワーク

  3. ChatGPTに関する5つの「盛られている」話

  4. 2023年の米小売業界を占う10大予想

  5. Infographic: Generative AI Explained by AI

  6. Mapped: 2023 Inflation Forecasts by Country

  7. 三菱重工、国産旅客機実現せず 先送りの末の撤退

  8. スタートアップシーンは次の局面へ。いま、日本の起業家には何が求められているのか

  9. 会社で実現すべき、次のイノベーションを見極める方法

  10. 人生を支える「7つの休息」7 Types of Rest, First-Rate Intelligence, & More


フィンランドの子供たちが学校で身につける「フェイクニュースを見抜く力」

公立私立問わずこれを日本でできる小学校教師がどこまでいるのか、勝手にすごく心配になってしまう。
無料会員になれば無料会員分の特典で読める記事なので、ご興味ある方はぜひ。

フィンランドのメディア教育を統括する国立視聴覚研究所のレオ・ペッカラ所長は言う。
「体育でも数学でも語学でも、教師は何を教えているかにかかわらず、『子供たちと関わるなかで、メディアリテラシー教育の要素をどう取り入れるか』を考えなければなりません」

本文より

オープン・ソサエティー・インスティテュートの調査でフィンランドに次いで誤情報へのレジリエンスが高いとされた欧州諸国は、ノルウェー、デンマーク、エストニア、アイルランド、スウェーデンだった。

逆にレジリエンスが最も低い国は、ジョージア、北マケドニア、コソボ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルバニアとされている。調査結果の算出は、報道の自由度社会への信頼度読解力科学数学のスコアに基づいて行われた。

本文より

フィンランドの教師はメディアリテラシーを教えることが義務付けられているが、授業の進め方については大きな裁量が与えられている。冒頭の中学教師のマルティッカは、生徒たちに自分で動画や写真を編集させ、情報操作がいかに簡単かを理解させる。

本文より

ウシタロ(教師名)は、生徒たちに真実と作り話を見分けられる方法を教えることが目標だと話す。「私とまったく同じ考えを持ちなさいと強いるわけではありません。ただ、彼らが自分の頭で考えて自分の意見を持つためのツールを与えてあげたいのです」

本文より

人生、次の5-10年を考えるための問い:オデッセイ計画フレームワーク

元記事はこちら
最近購読し始めた田中志(のぞみ)さんのメルマガからの孫引き。

人生、次の5-10年を考えるための問い:「オデッセイ計画」のフレームワークでは、以下3つの質問をきっかけに考えをはじめるとのこと。何歳になっても5年後を考えたい。 (Sahil Bloom, link)

1.) 今の道を進み続けた場合、5年後のあなたの人生はどうなっているのでしょうか?
2.) もし↑のプランが消えて、別の全く違う道を歩むとしたら、5年後のあなたの人生はどうなっているでしょうか?
3.) お金や時間などの制約がないとしたら、5年後のあなたの人生はどうなっているのでしょうか?

本文より

一応原文を共有しておくと、こんな感じ。

1. What would your life look like in 5 years if you continued down your current path?
2. What would your life look like in 5 years if Plan A disappeared and you pivoted and took an alternative, completely different path?
3. What would your life look like in 5 years if money, time, and other constraints were no object?

本文より

よく自分がキャリアメンタリングで使う問いかけに近しかったのだが、こちらの方が明確に洗練されていたのでこちらを使っていこうと思っている。聞こえだけ良い上司に向けた読書感想文のようなキャリアプランよりも、人生そのもののデザインが重要なのである。


ChatGPTに関する5つの「盛られている」話

みんな大好きChatGPT。日経のわかるようでわからないまとめ記事よりも、こちらの方が冷静かつ俯瞰していると思う。
自分自身も認識をリフレッシュするためにすごく参考になった記事だし、以下の主張をなんとなく鵜呑みにしてしまっているような方は、ぜひ本文をご参考いただきたい。

①主張1:ChatGPTは新しい
②主張2:ChatGPTはGoogleに取って代わる
③主張3:ChatGPTはいろいろなことができる
④主張4:ChatGPTは人に取って代わる
⑤主張5:あなたのビジネスは、今すぐChatGPTを使うべきだ

本文より

常に注意を払い、心を開いて、変化に備えよう。でも、お金は一切払わないこと。今はまだ。

本文より

2023年の米小売業界を占う10大予想

個人的に注目したのが#2の「プライベート・エクイティ企業が、投資戦略を変える」。

#2 – プライベート・エクイティ企業が、「長期的なリターンと成長」という概念に目覚め、より確固たるアイデアをもつ企業や、成長が見込める企業に投資するようになる。

つまり、ベンチャーデット(スタートアップに対して、融資や社債など、「デット(負債)」性のある資金を提供するやり方)ではなく、ウォーレン・バフェットのやり方に移行するような状態だ。あるいは、ベンチャーキャピタリストが、長期的投資を行うエクイティ投資家のようにふるまう感じだ。

本文より

この感覚は個人的にPEファンドに対してぼんやりと抱いていた違和感がまさに言語化されているものだと思っている。となると、これからPEファンドが求めるタレントもこのトレンドにあわせて変わっていくはずである。


Infographic: Generative AI Explained by AI

英語記事ではあるが、Chat GPTやMid Journeyなどの画像・まとめ・音声・プログラミングなどを生成する(Generate)するAI = "Generative AI" とはなにか、をさらにAIに解説させているInfographic。
近い将来影響を受ける("仕事がとられる")可能性がある業界として、以下の【広告】【芸術・デザイン】【エンタメ】の領域があげられている。

- Advertising: Generative AI can create new advertisements based on existing ones, making it easier for companies to reach new audiences
- Art and Design: Generative AI can help artists and designers create new works by generating new ideas and concepts
- Entertainment: Generative AI can create new video games, movies, and TV shows, making it easier for content creators to reach new audiences

本文より

Art/Design領域はなんとなく推測できていたが、改めて広告イメージまで生成できてしまうとなると、なかなか世知辛さをかんじてしまう次第である。

そういえばお恥ずかしながらこの記事でCodexの存在を知るに至ったのだが、CodexとGitHub Pilotの違いについても興味がある。

おまけ:OpenAI Codex vs. GitHub Copilot: Which Text-To-Code App Works Better?
ちょうどCodexとGitHub Copilotの比較が書かれた記事があったので引用。

[Key Takeaways]
OpenAI Codex is an AI system that translates natural language into code. It owes its understanding of natural language to its predecessor, GPT-3, but it’s also been trained on billions of lines of code.

There are currently over 70 Codex-based apps on the market, the most popular being GitHub Copilot. These apps can generate new code, complete existing code, suggest improvements, or translate the code into other programming languages.

GitHub Copilot may be more suitable for developers than OpenAI Codex. Instead of automatically generating one solution, Copilot gives users several suggestions to choose from. That way, the users remain in the “pilot’s” seat.

Codex can be applied in game development, data science, and many other industries. It may also help developers who use different programming languages better understand each other and work faster.

Developers need to closely monitor Copilot’s output, as the AI can generate insecure code or even plagiarize code from other creators. GitHub, Microsoft, and OpenAI are currently facing a lawsuit claiming that Copilot regurgitates copyrighted code.

本文より

Mapped: 2023 Inflation Forecasts by Country

背景については多くを語る必要はなかろう。世界中のインフレが厳しくなると思われる国が色でまとめられている。日本は実際にはかなり低い。これはインフレしないものの、依然として物価は低いということなんだと思う。

本文より

そして各エリアごとのインフレ要因についてもまとめられている。
インフレというとなんとなくエネルギー系の要因から他に影響が出るような印象を持つものの、こうしてみるとそれ以外の要因もあるんだなという気づきがある。

本文より

三菱重工、国産旅客機実現せず 先送りの末の撤退

国からの支援を受けているだけに、社内では簡単に撤退の白旗をあげるのは駄目だという意見が多かった。

本文より

なんというか、終戦間近の日本を想起させるような後味の悪い表現だなぁ、なんて思ったりしたのだった。
本人たちはプロジェクトX的な何かの主人公のつもりで頑張っていたのだろうけれど。


スタートアップシーンは次の局面へ。いま、日本の起業家には何が求められているのか

今までのトーンと違ってだいぶ落ち着いた論調。個人的にはこの論調の感覚に非常に近い目つきで昨今のスタートアップブームをみている。

未曽有の金融緩和による金余りが続いたこの数年は、簡単に資金を集められた、いわばボーナスステージ。株価もコロナ禍で急上昇する前の水準に戻っただけで、市場の適正化が進んだともいえる。

本文より

会社で実現すべき、次のイノベーションを見極める方法

見出しには反して、内容としては「そもそもスタートアップや新規事業がうまくいかないよくある要因」について多く触れられている。そしてこうした典型的な失敗はあまりにも多く、個人的にはこと日本企業において多いような肌感覚を持っている。

「企業は、まず先に商品を作ってしまうことがあまりに多い」と述べた。「一度商品が構築されると、企業は顧客に悩みがあるかどうかにあまり関心を持たず、その商品の好きな点や嫌いな点について知りたがるだけだ」

本文より

「非常に賢いエンジニアらが会社を創業したものの、悩みを見つけてから解決策を構築する代わりに、最初に商品を作ってから悩みを探し始めたことが原因で不成功に終わったスタートアップが、シリコンバレーには何千社とある。自分は全ての答えを知っていると考え、実際に顧客を取材しようとさえ考えなかった人が多い」(イエーツ)

本文より



人生を支える「7つの休息」7 Types of Rest, First-Rate Intelligence, & More

ちょうど先日、Twitter経由で知人に「それは確実に心身ともに疲れている証拠なので、休んで」と伝えたことがあった。そして自身も疲れやすい。ゆえにこうした情報は意識的に摂取するようにしている。
難しいのは休息、といってもその意味するところが人によって大きく異なることである。人によっては人里離れた温泉旅館での1泊2日が休息かもしれないし、一方で金曜の深夜に人がごった返すクラブに行くことが休息になることだってある。
コロナ禍においてデジタルデトックスという言葉も少なからず市民権を得たが、少し休息についての解像度を上げるにはちょうど良い記事だった。

そして、最近田中志さんの from こーべ通信 を購読しはじめたのだが、すごく良質な情報を得ることができている。まだ無課金だけども。

物理的休息:睡眠などの受動的なものも、ヨガやストレッチなど能動的なものでも。
精神的休息:仕事や会議の合間にとる短い休憩や瞑想。
感覚的休息:SNSをオフにする、画面や明るい照明から離れるなど。
創造的休息:日の出・日の入や森の散策などで自然に触れたり、美術作品や音楽にふれるなど人工的なものでも。(週3~4回緑地や水辺を訪れるだけで処方薬利用が減るかも、という研究がフィンランドから出ていたり)
心の休息:一人になったり信頼できる人と一緒に、ありのままを追求する。
社会的休息:エネルギーを消耗する人と過ごす時間を減らし、エネルギーを与えてくれる人と過ごす時間を増やす。
魂の休息:ボランティア活動や信仰・信念と繋がる活動に参加したり、自分を超えた大きな存在を感じる。

田中志さんの和訳より

ハッとしたのは、自分は創造的休息・心の休息・社会的休息をものすごく重視しているということだった。無意識的にやっていた感覚的休息や精神的休息は、実はあまり自分に刺さらない休息だった。
そしてさらに原文はこんな感じ。

Physical Rest: Can be passive (sleeping, napping) or active (yoga, stretching, massage).
Mental Rest: Take short breaks between tasks and meetings, create a power-down ritual to separate work from personal, meditate.
Sensory Rest: Turn off social media, get away from screens and bright lights, switch from Zoom to phone call.
Creative Rest: Can be natural (taking in a sunrise/sunset, walking in the woods) or man-made (going to a museum, experiencing new music).
Emotional Rest: Spend time alone or with people with whom you can be your full, authentic self.
Social Rest: Spend less time with people who drain your energy and more time with people who give you energy.
Spiritual Rest: Connect with something bigger than yourself. Can be through volunteering, working on a purpose-driven job, or participating in spiritual or faith-based activities.

本文より


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