今日はGoogle主催のWomen in ML Symposiumという機械学習・AI関連のイノベーションにフォーカスを当て年一度開かれるオンラインシンポジウムに参加しました。かなり多くのワークショップが開かれていてこのNote記事では、レクチャーノートを作成する感覚でいくつかの要点を簡単に書き出して共有します。

（注）もう一度ワークショップ動画を見返しているので、このNote記事も随時アップデートするかもしれませんがご了承ください。

プロンプトエンジニアリングの種類について

Role Prompting:

ロールプロンプティング

• Summary: ロールプロンプティングは、モデルが返答を生成する際に特定の役割や視点を指定することを含みます。

• Example: 一般的なプロンプトではなく、「あなたは教師です」というような役割を指定することで、モデルは教師の視点から返答を生成します。

Context Task Format Prompting:

コンテキストタスクフォーマットプロンプティング

• Summary: コンテキストタスクフォーマットプロンプティングは、プロンプトを構造化し、文脈、具体的なタスク、および望ましいフォーマットを含める手法です。

• Example: 単なる質問ではなく、文脈を提供し、「データセットXを使用して、トレンドを分析し、結果を明確なチャートで提示してください」といったフォーマット指定が含まれます。

Role + Context + Task:

ロール + コンテキスト + タスク

• Summary: ロール、コンテキスト、およびタスクの要素を組み合わせたプロンプティング手法で、より詳細で具体的な指示を提供します。

• Example: 「あなたは財務データセットを扱うデータアナリストです。データ内のパターンや外れ値を特定し、詳細なレポートを提供してください」といった、役割、文脈、タスクの要素が含まれます。

ゼロショット vs. フューショット (Zero-Shot vs. Few-Shots Prompting)

ゼロショットプロンプティング (Zero-Shot Prompting)

ゼロショットプロンプティングは、モデルに具体的な例やトレーニングを提供せずに、タスクや質問を割り当てる手法です。

• 特徴: 似たような例に事前に触れずに、モデルが応答を生成することが期待されます。

• 例: トレーニングの例を提供せずに、モデルに特定の文を英語からフランス語に翻訳するように求めること。

フューショットプロンプティング (Few-Shot Prompting)

フューショットプロンプティングは、タスクを実行する前にモデルに少数の例や関連する文脈を提供する手法です。

• 特徴: モデルは提供された例を使用して、指定されたタスクに対する理解を一般化し適応させます。

• 例: テキストの感情を分類する前に、モデルに感情のラベルが付いた数例のテキストを提供すること。

Chain of Thoughts Prompting

チェーン・オブ・ソウツ・プロンプティングは、モデルが一貫したかつつながりのある返答を生成するようにプロンプトを構造化する手法です。単一のプロンプトを提供する代わりに、各プロンプトが前のものに基づいて構築される、プロンプトや質問の連続が与えられます。

チェーン・オブ・ソウツ・プロンプティングの有用性は、より詳細で文脈に即した返答を生成する能力にあり、複雑なタスクや文脈や依存関係を理解することが重要なシナリオで特に役立ちます。

Visual Block ノーコードMLツール

Visual Blocks for MLは、Googleの視覚的プログラミングフレームワークで、ノーコードのグラフエディターでML（機械学習）パイプラインを作成できます。ユーザーは、モデル、ユーザーの入力、プロセッサ、および視覚化を含む、ドラッグアンドドロップでMLコンポーネントを接続することで、素早くワークフローのプロトタイプを作成できます

Visual Blocks for ML - Demos

Googleの次世代AIモデル、Gemini1.0

Google史上最も大規模かつ高機能なAIモデル、Geminiを昨日発表しました。そして今日からすでに幾つかの主要なプロダクトやサービスで利用可能になっています。Bardはより高度な推論、計画、理解などのために、Gemini Proの調整バージョンを使用しています。

Google Cloudの最新ツール

Duet AI

Duet AIは開発者、データサイエンティスト、オペレーターを含むさまざまなGoogle Cloudユーザーに対して提供される常時稼働型の「アシスタント」で、幅広いGoogle Cloud製品に統合されています。

アシスト開発:

• ユーザーは自然言語を使用してDuet AIにコーディングタスクの支援を促すことができます。

• コンテキストに敏感なコード補完、リアルタイムの関数生成、テスト計画の生成、デバッグ支援、およびコードの可読性向上を提供します。

• 応答には、ドキュメンテーションやコードサンプルのソース引用を含む文脈に即した応答があります。

アシストオペレーション:

• Google CloudコンソールでDuet AIを使用すると、Google Cloudに関する自然言語の質問ができます。

• マルチターンのプロンプトと応答をサポートし、すべてのレベルのユーザーを対象にしています。

• Google Cloud製品とサービスのさまざまな点で質問、ベストプラクティス、ログエントリの要約、エラートラブルシューティングのサポートを提供します。

アシストデータ分析:

• BigQueryおよびSpannerでは、Duet AIはSQLステートメントの補完、関数やキーワードのインフィリング、および構文の提案をサポートします。

• 新しいデータセットへのオンボードをサポートし、自然言語のステートメントを使用してSQLクエリを生成および繰り返すのに役立ちます。

• 統合されたColaboratoryエクスペリエンスを使用して、BigQueryおよびSpannerコード生成でSQLコンテンツをビジュアル開発に移行します。

• BigQueryでのDuet AIによるデータ分析はプレビュー段階です。

Vertex AI

Vertex AIは、Google Cloud上の包括的な機械学習（ML）プラットフォームです。MLモデルやAIアプリケーションのトレーニングとデプロイ、およびAIパワードアプリケーションでの大規模言語モデル（LLMs）のカスタマイズを容易にします。

統合ワークフロー:

• データエンジニアリング、データサイエンス、およびMLエンジニアリングのワークフローを組み合わせ、スムーズなコラボレーションを実現します。

• チームが共通のツールセットを使用して協力し、Google Cloudの利点を活かしてアプリケーションを拡張できます。

モデルのトレーニングとデプロイのオプション:

• AutoML: コードを書かずに表形式、画像、テキスト、またはビデオデータのトレーニングを可能にし、データの自動準備を行います。

• カスタムトレーニング: トレーニングプロセス全体に完全な制御権を提供し、好みのMLフレームワーク、カスタムコード、およびハイパーパラメータ調整をサポートします。

• Model Garden: Vertex AIとオープンソースのモデルやアセットを発見、テスト、カスタマイズ、デプロイできます。

• Generative AI: Googleの大規模な生成AIモデルにアクセスし、テキスト、コード、画像、音声などの複数の形式に対応。これらのモデルを調整してAIパワードアプリケーションで使用できます。

MLOpsツール:

• モデルのデプロイ後、エンドツーエンドのMLOpsツールがMLライフサイクル全体でプロジェクトを自動化しスケーリングします。

• パフォーマンスと予算の要件に基づいてカスタマイズ可能なフルマネージドのインフラで実行されます。

開発インターフェース:

• Vertex AI WorkbenchでMLワークフロー全体を実行するためにVertex AI SDK for Pythonを使用します。これは、Jupyterノートブックベースの開発環境です。

• Vertex AIと統合されたColab Enterpriseを使用してチームと協力し、Colaboratoryのバージョンとして機能します。

• その他の利用可能なインターフェースには、Google Cloud Console、gcloudコマンドラインツール、クライアントライブラリ、およびTerraform（限定サポート）があります。

安全で責任あるAIに関する議論

シンポジウムの一番最後のセッションではAI部門で活躍する４名の女性エンジニアがAI技術の安全性、公正性、透明性、倫理的な使用に関する議論を交わしました。
以下は、その議論のいくつかの重要な側面です:

倫理的なAIの実践:

• 組織や研究者は、AIの開発と展開における倫理的な考慮の重要性を強調し、これにはバイアスの対処、プライバシーの確保、AIシステムの社会的な影響の考慮が含まれます。

説明可能性と透明性:

• AIシステムをより透明で理解しやすくすることに焦点が当てられています。

アルゴリズムの公正性:

• AIアルゴリズムの中のバイアスに対処することは、責任あるAIの重要な側面です。公正で平等な結果を確保するためにデリケートな領域でのバイアスの特定と緩和に関する議論が行われています。

規制の動向:

• 政府や規制機関は、責任ある使用を確保するためにAI規制を検討または実施しています。これにはデータプライバシー、アルゴリズムの説明責任、透明性要件に関するガイドラインが含まれます。

（注）これはかなり重要なトピックで、このセッションの中でもかなり時間を割いて安全性について議論をされていました。この議題についてはさらにこの記事に付け足すか、それか別記事にしてじっくりと書きたいと思っています。

🖊️何か気づいたことやご意見などがあればコメント欄からお願いします。チャンネルフォローもよろしくお願いします。

🚀 疑問に思った事はデータ化して自分なりの答えを探していこうと思います。そしてその答えがどこかにいる誰かの為になる事を願っています。