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「この小説はBiSHでできている」第一話

(#創作大賞2023の#ミステリー小説部門への応募作品)
- この小説は、創作大賞2023「ミステリー小説部門」への応募作品です -

粗筋 美憂がデート相手に顔を忘れられていたと不機嫌になっていたが、それは勘違いだった話。チェコからの絵葉書をきっかけに美憂の勘違いが炸裂する話。ダンスに誘われる美憂と私だが、美憂の勘違いで私が頑張る羽目になる話。第四話では二人が卒業式を迎える。

              前書き 
BiSHは出てきませんが、小説の中に散りばめられているBiSHメンバーの名前や曲名を探してみてね

              問題文


            第一章

 
「ビックリだよ ありえないよ」 
「もう意地張ってないで会いなよ。謝ってくれてるんでしょ?」
「やだ やだやだやだやだ」
「子どもか」
「私のこと忘れてるってありえないでしょ?」
美憂は30分近くこんな状態だ。
「いやいやいや 紹介する時に あの人はそういう人だって最初に断っておいたでしょうが」
「だって 付き合ってるんだよ?もうバイバイしよっと」
「だからぁ ほらカフェとか行ってもさ メニューも二つまでしか憶えらんないって言っといたじゃん」
グミール君はインド人なのでカレーのメニューだけは憶えられるけど、他はまるでダメなのだ。
「病気じゃないんでしょ?」
「病気じゃないよお 興味のないものには興味がないから ぜんぜん憶えらんないってだけ あ」
「はあー そうですかそうですか 私に興味がないんですね よーくわかりました だいたいさ 前デートしたことだってぜんぜん憶えてなくてさ こないだの服と帽子と眼鏡なしとパールのネックレスありとなしとどっちがいいって聞いてもさ うーんとか言って」
美憂は腕を組んで考えているポーズを真似する。
「男の人って服を憶えらんないって言うし」
「突然 田舎暮らししませんかとか言ってくるし 田舎には住みません。土地広いとか関係ないからって言ってやったわ」
カッと目を見開いて言い切る姿勢はかっこいい。けど、
「あれえ 彼って田舎嫌いって言ってたけどな」
「ええ そう?気が変わったんじゃない? 日焼けしてたし」
そんなん知らんわという感じで 美憂は肩をすくめて両手のひらを上に向けて見せる
「え 日焼け?彼って日焼けするとすごいやけどしたみたいになるからぜっったい日焼けしないはずだけど」
美憂が ほらと言って 端末を取り出して写真を見せる。
「誰これ」
「は?グミールだけど」
「いやいやいやいや ぜんぜん違うから あんた誰とデートしてた 怖いわ」

そう言えば美憂は中学生の時にもこんなことがあった
前の日に筋トレをしすぎたせいで全身 特に太腿 股関節が筋肉痛だったらしく ロボットのように歩いた挙句 床に置いていたメガネをよけきれずに壊してしまったのだ。
そして学校には カラーコンタクトにしたー と言って 予鈴が鳴って閉門寸前になって喜んで登校して来たのに、見るとしっかり黒目だった 
その後クラスの大柄な小山くんに向かって せんせーいと呼びかけていた
ぷはははは
あれにはクラス中が噴き出した
美憂はこれが赤面ですの典型というくらいに赤面していた。

その後、小山くんのあだ名は先生になった。

              答え
第一章 
メンバー名
アイナ・ジ・エンド 
もう意地張ってないで会いな 

セントチヒロ・チッチ 
田舎には住みません。土地広いとか関係ないから

ハグミー は?グミール 

モモコグミカンパニー 太腿 股関節が筋肉痛だった

曲名
Bye-Bye Show もうバイバイしよっと
パール    そのままです
Hey gate    閉門

            

             第二章


「ッツー 痛いー 指切ったー」
「ひー やめてー 言わないでよー 聞いただけでぞぞっとしたわ」
「ごめんね」
何の絵葉書で指を切ったのかと覗き込むと 外国の街の風景だった
世界遺産に認定された有名な橋やスメタナの生家があるらしい
スメタナ たしかチェコの人でオーケストラの指揮もしてて わが祖国が代表曲だったような
「これどうしたの?」
聞くと 去年 美憂のクラスメイトだった人が英国の学校に転校したらしく チェコ旅行の絵葉書を送って来たんだそうだ。
「チェコって英語通じるの?」
「ブロークンなイングリッシュでいけるでしょ?I am me. I am WiTH YOU.LiFE iS NO SWEET. Why are you alive?GO TO HELL.」
「それ喧嘩売ってる」
「あとチェコの文学賞取った本 読んでるって こないだ電話で言ってた」
今時電話かと思いながら
「電話 海外って高そう」
と言ってみる。
「リンリンリーンでささーと取れば大丈夫だよ」
「あのさ そういう問題じゃないから 使った時間だからね」
「そうなの?どうでもいいけど。まだ途中だけどなんか面白いらしい」
「なんて本?」
「忘れた」
「だと思った。あれ?その人ってチェコ語もできるんだ」
「そうなんじゃない?光太郎が妻を愛しすぎだろとかすごい言ってたから」
「それさ 日本の話だよね」
「え チェコの賞って言ってたよ ああ 日本の小説がチェコの賞を取ったんじゃない?」
「違うよ それ智恵子抄っていう高村幸太郎の小説だよ きっと」


     答え

第二章 
メンバー名
ハシヤスメアツコ 世界遺産に認定された有名な橋やスメタナ
リンリン リンリンリーン

曲名
ごめんね      そのままです
オーケストラ    そのままです
BROKEN      「ブロークンなイングリッシュでいけるでしょ」 
I am me.       そのままです
WiTH YOU     そのままです
NO SWEET      そのままです
Why are you alive? そのままです
GO TO HELL     そのままです


              第三章

 
シューマイがうまい店という評判なので美憂と一緒に並ぼうと思っていたら
欧米風の男の子二人組に声をかけられた 
普段なら相手にしないんだろうけど、
英語の上達ぶりを見せつけたいらしく 美憂は勝手に話を進めている
「Shall we Dance?」
踊りませんかと言われて さすがに断るだろうと思っていると
わたしの方をちらっと見て
「二人なら」
え 四人てこと?それとも私はここで置いてけぼりってこと?
英語がよくわからないのでこういう時は困る。
その後もくるくると回ってダンスらしきものを披露する美憂は楽しそうだったのだが、

「もうできた?」
「まだ途中」
浴衣を着るのは慣れていないのでどうしても時間がかかる。それにしてもダンスしようと言われて想像したものとはえらい違いだ。
盆踊り だったとはね
「美憂も勘違いしてたでしょ」
「ダ ダンスしようなんて言うから ふつう盆踊りとは思わないよね あ男物の持ってきてくれたよね」
「もう二人のいる部屋に持ってったけどさー お父さんのとかだよ 渋くない?」
「大丈夫大丈夫 外国人て渋いのがいいんだって 通みたいでさ」

あの時 私の方をちらっと見た美憂が背の高い方に向かって
「ARE YOU NEED?」
と訊くと
「YES.I WILL WEAR YUKATA.」
と背の低い方が答えていた。

美憂は背の低い方が好みだったらしく 背の高い方に踊る相手として私を必要かと訊いたようだ。
けど、美憂は背の低い方の答えを聞いて
「なんかさ 自分の踊る相手もいるんだ うわー よかったーって言ってるのかと思って」
「 WEAR YUKATA うわー よかった 聞こえなくはない でYESYESって言っちゃったわけか」
しかもその後 着付けのことで CAN YOU?と言われて そこでもYESYESを連発したらしい
「もうしわけない 二人の着付けもよろしく なにとぞ」
そう言っている間にも HELP!!の声が聞こえてくる。
私を見た人に NO THANK YOU と言われなかったので、少しだけいい気分で男の子の部屋に向かった
ん? そもそも私ではなく浴衣が必要だと答えたのか 
けど、そんなことはどうでもいい
今は私のことを ついでではなく
一緒に踊る相手として観てくれているのだから


            答え
第三章 
メンバー名
アユニ・D ARE YOU NEED

曲名 
二人なら     そのままです
まだ途中    そのままです
DA DANCE    「ダ ダンス」 
CAN YOU?   そのままです
HELP!!    そのままです
NO THANK YOU そのままです

メンバーは
第一章でアイナ・ジ・エンド セントチヒロ・チッチ ハグミー
第二章でハシヤスメアツコ リンリン
第三章でアユニ・D
という グループに所属した順で書いています。
BiSHは8年活動したので、第八章まであります。
よかったら 卒業式のある第八章まで読んでください。

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なにとぞ

第二話はこちらです。
https://note.com/datapatricii/n/na04124bd499f

第三話はこちらです。
https://note.com/datapatricii/n/nd909f5a507a5

第四話はこちらです。
https://note.com/datapatricii/n/n80b98fb48dc7

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