上村 楽園

小説を書いて生きていきたい。5年以内に文学賞を取りたい。ジャンルはミステリー、純文学が…

上村 楽園

小説を書いて生きていきたい。5年以内に文学賞を取りたい。ジャンルはミステリー、純文学が多いです。速読を得意としています。BiSH好きです。

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「この小説はBiSHでできている」第一話

(#創作大賞2023の#ミステリー小説部門への応募作品) - この小説は、創作大賞2023「ミステリー小説部門」への応募作品です - 粗筋 美憂がデート相手に顔を忘れられていたと不機嫌になっていたが、それは勘違いだった話。チェコからの絵葉書をきっかけに美憂の勘違いが炸裂する話。ダンスに誘われる美憂と私だが、美憂の勘違いで私が頑張る羽目になる話。第四話では二人が卒業式を迎える。               前書き  BiSHは出てきませんが、小説の中に散りばめられているBi

    • ショートショート「人事」

      「何に喜びを感じますか?」 「今まで嬉しかったことは何ですか?」 「やりがいを感じることは何ですか?」 きっちりしたスーツで来た入試の偏差値が高い大学の学生の履歴書を見る。履歴書のアピールはすごいが、 「全然だめだな」 「どうしてですか」 「個性を観るために私服で来るように言ったのに、それがわかっていない」 カジュアルでいいと言われて 僕が私服で受けた会社はすべて落ちたのに。まったく就職活動というのは腹の探り合いだ。 「やりがいを感じることは何ですか?」 「特にありません

      • 今年もnoteの創作大賞の時期ですか 字数をまだ見ていないけど、少なくていいなら二つ応募しようっと ふふん

        • 自分の小説世界を広げるために イベリア半島篇

          スペイン人は自国の歴史を書かないと言われます。優れた歴史本と言うと、外国の人が書いたものということになるようです。なぜなんでしょう。 スペインやポルトガルはギリシア人やフェニキア人、ローマ人といった多神教で農耕や商業や建築に優れた文化の人たち、そのあとにヴァンダルによる破壊、ゲルマン系のスエヴィー、西ゴートといったキリスト教を受容していく人たち、そしてウマイヤ朝やムラービト朝、ムワッヒド朝、ナスル朝グラナダ王国といった砂漠の文化をもたらしたイスラームの人たち、またレコンキスタ

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        「この小説はBiSHでできている」第一話

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        • この小説はBiSHでできている
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        記事

          短編「四階」

          ホラーです。 昔からよく見る夢がある。 エレベーターに乗っていると、四階の扉を開いてはいけないと感じる。 夢なので、ゾンビのようなものがいることに気付いている。 ビルは十七階建てだったり、七階建てだったりとその都度違う。 けれど、エレベーターは同じだ。 大きさも匂いも壁の色味も同じ。 そして、決まって下りのエレベーターだ。 エレベーターに乗る前に四階は危険だと気付くことがある。 そういう時には、一階までノンストップのエレベーターに乗る。 エレベーターに乗ってから危険だと気付

          短編「四階」

          月曜日は「群像」で新人賞の発表がー。どうなのどうなの? 応募したのがすごく前のことに感じる。受賞しても自分の作品っていう実感がないかも。この何か月かでも成長しているので、読み返したら、粗が見えて、受賞? お笑い種とおもってしまうかも。

          月曜日は「群像」で新人賞の発表がー。どうなのどうなの? 応募したのがすごく前のことに感じる。受賞しても自分の作品っていう実感がないかも。この何か月かでも成長しているので、読み返したら、粗が見えて、受賞? お笑い種とおもってしまうかも。

          「深大寺恋物語」第六集を読みました。

          上村は「深大寺恋物語」に応募するので、参考に読んでみました。 大賞の「かなしい赤色、しあわせな闇色」は、「くやしいふりをしてやった。」というのが、二人の関係性がわかっていいなと思いました。 相手の職業はほぼ最初からわかったので、オチには驚きませんが、「時間は綺麗だった。」というように、「時間は濃密」という一般的な表現をずらしているのが、そういう手もあるのだなと思いました。過去をさらりと書くことで、粗筋にならないようにすることは、そこに執着したい上村にはできそうにありません。

          「深大寺恋物語」第六集を読みました。

          今年が最後の深大寺恋物語に応募するので、過去の受賞作が掲載されている第六集、第十五集(選者の作家さんも書いている)を手に入れました。上村は第四稿まで終えていますが、他の作品を読んだら、また書き直したくなるかもしれないと思います。困るけど、磨く機会にはなるしなあ。

          今年が最後の深大寺恋物語に応募するので、過去の受賞作が掲載されている第六集、第十五集(選者の作家さんも書いている)を手に入れました。上村は第四稿まで終えていますが、他の作品を読んだら、また書き直したくなるかもしれないと思います。困るけど、磨く機会にはなるしなあ。

          読者に時代を感じてほしくない

          電話ボックス、公衆電話、携帯電話、ワードプロセッサー、缶蹴り、綾取りなどと書くと、古ぅ~と思われてしまいます。意図的に書いている場合はいいんですが、現在のことを書いているのに、5年後の読者に古いと思われることは避けたいんです。 それで、上村はなるべく独自のワードを使うようにしています。 スマホ-端末  SNS①ツイッターなど-OCA/Open Communication Application SNS②LINEなど-CCA/Closed Communication Appli

          読者に時代を感じてほしくない

          読書感想「成瀬は信じた道をいく」

          成瀬はやっぱり成瀬だった。変わらないでいてくれることが嬉しい。 宮島未奈さんの前作「成瀬は天下を取りに行く」は中学三年生の設定だったけれど、今回は高校三年生、大学一年生の設定です。 前回のタイトルも今回の伏線になっている気がします。 いつもどおりのぶっきらぼうな話し方で、まっすぐで、力強い目線。 周りの人が勝手に巻き込まれていくのですが、なんと成瀬と島崎のお笑いコンビ ゼゼカラを推しているという小学生の目線で語られるエピソードがあったり、成瀬がアルバイトをしているお店でクレー

          読書感想「成瀬は信じた道をいく」

          ショートショート「気持ちはわかる」

          都会の人って優しくないよねー 都会って人が多くてほんといや と事あるごとに言っていたら、出入り禁止にされてしまった。 「本自治体の市民に対する名誉棄損で、(中略)貴殿の入境を禁じます。」 こうした際の定型文の末尾に、東京都、大阪府、京都市、名古屋市、福岡市の署名があった。 どうしよう。 これじゃ仕事にも行けない ライブもいけない ああどうしよう 友達だと思っていた人に連絡すると 「はっ あたりまえだよ。前から思ってたんだよね。あんた嫌いって言うなら都会にくんなよ。あんたが都会

          ショートショート「気持ちはわかる」

          読書感想「解散ノート」モモコグミカンパニー著

          ゆっくり読みました。 上村はBiSHが好きなので、2023年6/29の解散に至るまで、四年あまりの状況を中から観たものを読みたいなと思ったのでした。 モモコさんの時に弱気に、時に思い直しという迷う内面がメインで書かれていて、こんなに不安定なものなんだなということは初めて知りました。 出来事としても、これまでは解散か解散しないかの二択だと思っていたのですが、活動休止の選択もあり得たということは、初めて知って、上村としては最後のライヴに行けなかったので、活動休止だったらなとも思っ

          読書感想「解散ノート」モモコグミカンパニー著

          ショートショート「人を殺す臭い」

          3年前、地震で家が壊れた。 俺は少し離れたところにいる妹の家に厄介になった。 持っていくのはお気に入りの柔軟剤と少しの服だけ。 妹の遺書を読んだ。 末尾にはこうあった。 「あなたにすべて奪われました」 柔軟剤が臭いからやめてと言われたが、そんなことはないと放っておいた。 そのうちに妹はよく咳をするようになった。 そして頭痛がすると言い出した。冬でも窓を開けているので、寒いと言ったら換気しないと私が死ぬなんて言い出す始末だ。臭いで死ぬわけがない。それにいい匂いじゃないか。

          ショートショート「人を殺す臭い」

          短編「改名モラトリアム」

          僕はトランスジェンダー なのだろうか 僕の身体は女性で 僕の心は わからない 好きになる人は女性  病院に行くと 顔が長くて 親くらいの年齢だろう女性の先生が言うには  「同性を好きな同姓もいるし 自分の性に関しては 思春期には まだはっきりしない人もいるんですよ。すぐに決めなくてもいいんじゃないかなあ。様子を観ましょう。」 「手術とかって早い方がいいんですか?」 「いや そんなことはないよ。ホルモン注射の副作用もあるし ただでさえ思春期はいろんなホルモンがドバドバ出てるから

          短編「改名モラトリアム」

          「ゴールデンカムイではなく ゴールデン亀井 後編」

          「箱根に行くんなら、家永さんと一緒に行ってやってくれ」 家永さんというのは旅館のお客さんで、口元にあるほくろが 妖艶なお姉さんという感じを醸している。白石は早くも くっつかんばかりになって話を聞いている。 「家永さんは箱根に何しに行くんですか?」 「手術 首をちょっと」 「あ そうなんですか 良くなるといいですね」 「? ええ ありがとう」 「白石 あのお姉さんと何話してたんだ?」 「ああ 病気で手術を受けるらしい。」 「そうか 顔色悪そうだもんな」 その家永さんが車で箱根

          「ゴールデンカムイではなく ゴールデン亀井 後編」

          「ゴールデンカムイではなく ゴールデン亀井 前編」

          気が向いたら「ゴールデンカムイ」や登場人物に似た言葉を探してみてください。 気にせず読んで楽しんでくれてもかまいません。 停電した。 せっかく作っていたオレの朝ごはん  卵焼きが中途半端になって パンが中途半端になって コーヒーを飲むためのお湯がぬるくて オレの朝ご 「オール電化 無理」 はあ ガスがあれば  オレは反対したのに 親が勝手に  その親は朝6時には出て行って いまごろ電車に閉じ込められているかもしれない 端末を観ると、停電の情報は流れていない。 5分経っても誰

          「ゴールデンカムイではなく ゴールデン亀井 前編」