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お笑い大惨寺・月例超短編コンペティション(2024/1/9 出題


◆第16番 超短編「大惨寺観光ガイド」◆

◆ 500文字以内  一人一作  競作 ◆

ルールは以下の通り。

・「超短編」とはごく短い文章でつづる物語。今回は「500文字以内」の制限付き。内容は架空の寺院『大惨寺』の観光ガイドです。文学形式は問いませんが、字数の少なさを活かして腕を奮ってください。

メール投稿の方は 2月9日いっぱいまでにdavekawasaki1964@yahoo.co.jp あて、「超短編1月」という標題でメールでお送りください。

締切日までは何度でも書き直して構いません。最も後に送られたものを採用します。

・今回の撰者は、超短編作家のタカスギシンタロ先生です。

以下、タカスギシンタロ先生から。

◎名刹「大惨寺」の見どころを500文字の物語に仕立ててください。タイトルは自由です。あなたが考える大惨寺はどんな寺? 本堂や宿坊の様子、その縁起など、自由に想像して書いてください。

◎文字数について。500文字いっぱいに書く必要はなく、400文字でも300文字でも、あるいはもっと短くてもオッケーです。多少なら500文字を超えてもかまいません。

<参考作品>
「笑い地蔵縁起」 タカスギシンタロ・作

老師の背中を見ながら、弟子たちは座禅に励んでいた。しかし老師の後頭部には大きなほくろがあり、どうにもそれが気になるのだった。だが弟子たちは波立つ心をそっとおさめた。

しばらくすると、蜂が一匹飛んできて、老師の後頭部についととまった。ほくろと蜂はまるで両目のようであり、頭の皺と相まって、人の顔に見えてしまう。それでも弟子たちは波立つ心を必死で抑えた。そのとき老師が口を開いた。

「どうも諸君らの心が乱れておるようだ。振り向かなくても分かるぞ。わしは後ろにも目があるでな」

これにはたまらず、弟子たちは皆、声をあげて笑った。老師は何事かと振り返る。

しかしそこに弟子たちの姿はなかった。老師は驚いたが、すぐに思い出した。いまや自分は石地蔵で、ただ五百羅漢と相対して立っているだけであることを。そして目の前の一輪の花めがけて、一匹の蜂が舞い降りていくのを見て微笑んでいる、ただそれだけの存在であることを。

笑い地蔵にはそんな縁起があるそうな。

◆◆◆

◎2月9日(必着)までにご投稿ください。結果発表は3月9日の予定です。ちょっとした豪華賞品も差し上げます。

●投句の際は自由に俳号またはペンネームを名乗ってください。

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