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とあるブースターの視点からの横浜ビー・コルセアーズ航海記:Bリーグ4年目(2019-20)

前回↓はBリーグ3年目のビーコルのお話。今回はBリーグ4年目(2019-20)です。

海賊の物語 Bリーグ編 第1章の閉幕

2019.05.19、18-19シーズンを締めくくるファン・ブースター感謝イベント「帰港式」が開催され、CEOの岡本尚博(岡本さん)がこうスピーチします。

「当然、いろいろとご批判があることは承知しております。ただ、今シーズンレバンガ北海道に負けた時に私の中では、長く続くであろう海賊の物語・Bリーグ編の第1章を閉じなければいけないだろうと覚悟しました。この第1章を書き出したのは私です。その責任も、これから関係者や株主の皆さまとも相談して考えたいと思います」

「Bリーグがスタートした時には何もなかった横浜ビー・コルセアーズに集まってくれた選手の皆さんには、心から感謝しています。彼らがいたからこそ、まだ何もなかった横浜ビー・コルセアーズがB1という厳しい航海に出る決意が出来ました。集まって頂いた選手の皆さんが揃った時には、僕自身とても心強い思いをしました。ただ今年、3年目の総決戦であり、3年計画の1年目という大事な1年で、チームをうまくコントロールすることが出来ず、選手たちの良いところを引き出せなかったことは残念で仕方ありません」

"Bリーグ創生期のチームカラーにはこだわった"と「海賊をプロデュース」の中で語られている、岡本さんが描いた第1章がここで終わりを告げます。
それは大海賊タクの時代の終焉でもありました。いつまでもエース・タクの活躍を見ていたい。けれどもこのままでは優勝という目標にはたどり着けない。断腸の思いで岡本さんも決断されたのだと思います。

帰港式に先立つ05.07、タク、マーシー、キング高島、アレク、ビッグ・アレックス、BCの自由交渉選手リスト入りが公表されました。このうち日本国籍の4名はBリーグ初年度からのビーコルを体現してきたと言っても過言ではありません。時代が変わっていきます。

そして岡本さん自身も代表取締役を退任し、球団代表だった植田哲也(植田さん)が代表取締役に就任します。”自由な海賊”を作り上げた岡本さんがいなくなりビーコルはどこへ進むのか。。

期待を集めた"海賊伝道師"フェス・アービンも結果を残せず退団。航海の不安を危惧するブースターも少なからずいました。

BE COURAGEOUS

岡本さんは海賊の物語 Bリーグ編 第1章の閉幕を告げて舞台を降りました。第2章がここから始まるのかどうかは後にわかるとして、確かなことはビーコルが転換期に入ったということです。

07.01、クラブ史上初のスローガンが発表されます。

「BE COURAGEOUS」

代表取締役となった植田さんはこう述べています。

2019-20シーズンのチームコンセプトを明確にしました。そのコンセプトは、【「40分間ゲームを通じてインテンシティーを高く保つ」チームとなるために、「走力」「ディフェンス意識・技術」「フィジカル・メンタル両面でのスタミナ」「チームプレイヤーであること」「ハングリーであること」を大原則とし、そしてポジションに合わせて必要なスキルを求める】ということです。
今シーズンの横浜ビー・コルセアーズはそのコンセプトに基づいて選手編成をし、今シーズン、大幅に若返りを図ったチームは「BE COURAGEOUS(ビーカレイジャス)」の精神のもと、「闘う集団」としてハングリーに走り守り攻める、つまり「闘い」ます。
※「courageous」は、勇気のある、勇敢な、精神的に強い、といった意味です。

海賊よ、勇敢であれ。このコンセプトの下にどういうプレイヤーが集い、どうコンセプトを実現していくのか。新たな航海が始まります。

ヘッドコーチ(HC)はトーマス・ウィスマン(トムHC)が続投。3年程度で優勝を目指すと岡本さんが宣言した前シーズン、チームはクラブ史上最低の勝率に沈みました。かつて日本代表を率い、Bリーグの最優秀ヘッドコーチ賞にも輝いたトムの本領発揮をブースターは期待して見つめていました。

嬉しいニュースも。かつてビーコルのキャプテンを務め、後に永久欠番プレイヤーとなる山田謙治(ケンジ)が広島で現役を引退し、チーム編成・強化担当兼アシスタントコーチ(AC)としてビーコルに帰ってきました。
かつて栃木ブレックスでトムHCの下でプレイし優勝にも輝いているケンジならば、トムHCを支えつつプレイヤーとの懸け橋になるにはぴったりの人材。コート内/外でチーム強化を支えてくれる期待でいっぱいでした。

ゼネラルマネージャー(GM)には、前シーズンの開幕直前に就任した河内敏光(河内さん)が続投。河内さんがビーコルでシーズンを通した編成を行うのは初となります。語尾を上げる独特の口調がポイント。
AC陣には前述のケンジに加え、3シーズン目となる加藤翔鷹。そしてUSAでのコーチングスタッフ経験が豊富で前シーズンは島根スサノオマジックでACを務めていた福田将吾(福田さん)が就任し、ACの層はぐっと厚くなります。

「BE COURAGEOUS」とは何か? 4つの観点から

ビーコルマガジンさんが「BE COURAGEOUS」を掲げたビーコルを、4人のキーマンの観点から解き明かそうと試みてくれました。キーワードを抜き出してみます。

  • 編成:河内敏光

タレント性やバスケスキル以外の部分も欲しかったのです。求めたのは“闘う”気持ち、40分間を走ることが出来るスタミナ、体力だけでないハートのタフさ、強いハングリー精神、そして伸びしろのある若さです。

  • ビジョン:トーマス・ウィスマン

若い選手で、起動力のあるさらにダイナミックなチームを作りたかった。新しいチーム作りでは、ディフェンスが出来る若い選手を集めた。まず、ディフェンスが出来ること。それが私の中での大前提だった。

  • コミュニケーション:山田謙治

チーム内でしっかりとコミュニケーションを取っていくことが大事です。そのために僕が選手とヘッドコーチの間に立って、上手く伝えていければと思っています。ヘッドコーチと選手が取れなかったコミュニケーションの部分を僕が変えたい。ここはどうしても変えたい部分です。変えられると思っています。

  • フロント:植田哲也

私がやることにはフロントの部分がありますが、フロントも変わらなければなりません。そのひとつには、お客様への対応があります。まずは、今までクラブとして出来ていなかったお客様への対応を変えていきたいと思っています。当たり前のことを当たり前に『凡事徹底』させていきます。

前シーズンの"SEA CHANGE"以上に大きく転換したビーコルがどういう航路を描くのか。。プレイヤーの顔もがらりと変わります。

旅立っていった海賊

  • 細谷将司(マーシー)→ 秋田ノーザンハピネッツ

    • 神奈川の二宮町出身で、Bリーグ初年度からビーコルに所属し、前シーズンはアレクと共にキャプテンを務めたマーシーについに旅立ちの時が…ブースターから愛されたマーシーとの別れに涙する方たちが続出。。2022-23シーズンはシーホース三河でプレイしました。

  • 川村卓也(タク)→ シーホース三河

    • マーシー同様Bリーグ初年度からビーコルに所属し、ブースターたちからは"神"と崇められ、何度もビーコルの窮地を救った大海賊タクとも別の航路を進む時が来ました…Bリーグ初年度の残プレ1回戦vs秋田Game3でのタクのターンアラウンド・ブザービーター3Pがなければ、ビーコルのありようはもっと大きく変わってしまったことでしょう。ビーコルが築きあげてきた文化も失われ、B1はおろかBリーグに存続できていたかどうかもわかりません。ビーコルを救った男、ブースターの誇り、大海賊タクのすべてにありがとう。

  • 高島一貴(キング)→ BEEFMAN.EXE (3x3チーム)

    • 同じくBリーグ初年度からビーコルに所属し、スペシャルなディフェンダーとして相手エースのマッチアップを任されたキング高島も海賊船を離れ3x3の舞台へ。3Pラインの一歩中に入ってから放つジャンプショットが忘れられません。

  • 湊谷安玲久司朱(アレク)→ 引退(後にBEEFMAN.EXEへ)

    • 同じくBリーグ初年度からビーコルに所属し、2017-19の2シーズンでキャプテンを務めたアレクはこのシーズンをもって現役を引退し、家業の『西京漬け湊屋』で働く道を選びました。洛南高校のレジェンドとして名を馳せたアレクは、ビーコルでは不運な怪我のため実力のすべてを発揮できたとは言い難いですが、柔らかいショットと若い頃からは別人のようなキャプテンシーでチームを支えてくれました。

  • 中村太地(タイチ)→ 京都ハンナリーズ

    • 前シーズンからビーコルに加入し、特別指定選手として法政大学バスケットボール部ORANGEでも並行してプレイをしていたタイチは、ビーコルとの契約終了後にバスケ部を退部し、京都とプロ契約を結びます。その後は日本人初のKBL(韓国リーグ)に挑戦し、2022-23シーズンはマーシーと共にシーホース三河でプレイしました。

  • アーサー・スティーブンソン(ビッグ・アレックス)→ Blackwater Elite(フィリピン)

    • リバウンド・マシーンとしてビーコルのゴール下の守護神を引き受けてくれたビッグ・アレックスはフィリピンへ。その後B2越谷アルファーズでもプレイしました。

  • ブランドン・コストナー(BC)→ 東方籃球隊(香港)

    • タクとのダブル・エースでオフェンス面でチームを支えたBCは香港へ。その後もプエルト・リコなどでプレイしていたようです。

継続海賊

  • 橋本尚明(ナオ)

  • ハンター・コート(ハンター)

  • 田渡凌(リョウ)*キャプテン

  • 竹田謙(タケさん)

  • エドワード・モリス(エド)

  • 小原翼(翼)

やってきた海賊

  • ホール百音アレックス:通称"モネ"。背番号9。190cmのSF。高校卒業後、第11期スラムダンク奨学生としてビーコルユース出身の小林良と共に渡米。プレップスクールのセントトーマスモアスクールで修業しNCAAへの進学を目指しますが、フルスカラシップのオファーはなく日本に帰国。BEEFMAN.EXEでプレイする中で提携関係にあったビーコルのトライアウトに合格し、特別指定選手としてビーコルへ。USA/日本のハーフで、小/中時代はサッカーで名が知られたほどのアスリート。その身体能力を活かしたプレイが一番の強みでした。

  • アキ・チェンバース:通称"アキ"。背番号10。USA/日本のハーフで出身はUSAカリフォルニア州。190cmのSF。2年連続天皇杯を制し、Bリーグでは2年連続準優勝だった強豪千葉のディフェンス面のキーマンだったアキ。その去就に注目が集まっていた06.28の夜、アキの海賊入り決定のニュースを電車内で見て何かの雄叫びを上げてしまったのは私です。これまでにない格上チームの主力級の選手がビーコルに!編成スタッフの意気込みを感じました。アキと言えば2022-23には東京に在籍したアレックス・カークをして"ロックダウン・ガイ"と言わしめるほどの激しいディフェンスが代名詞。また、"絶対ゴール行くマン"とビーコル・ブースターが名づけた速攻からの恐れを知らぬドライブ・アタックも大きな武器でした。

  • 牧全:通称"ゼン"or"牧全"(そのまま)。背番号16。188cmのSG。日本/USAのハーフ。中学卒業後に渡米し、短大を経てNCAA Division IIのソノマ・ステイト大へ。卒業後の15-16シーズンにレバンガ北海道へ入団。18-19シーズン前に左前十字靭帯断裂の大怪我を負いこのシーズンはほぼプレイできずで、復活を期してビーコルへ。強みはキャッチ&ショット。ポストプレイヤーを利用したカールでスペースを作り、ウィングでボールをキャッチしてショット=全砲発射です。またリバウンドの飛び込みもセンスを感じました。長髪が似合うルックスと重低音のボイスでブースターの心を溶かすセクシー海賊が乗船です。

  • 秋山皓太:通称"AK"。背番号22。188cmのSG。新潟県出身。本丸中学校→福岡第一高校→東海大学というバスケ界のエリートコースを歩んできたシューターで、U16、U18代表候補でもありました。前シーズンは東海大の卒業を前にしてB2金沢武士団に特別指定選手として入団。ショット・リリース後の手のスワンが美しいシュートフォームを持ち、身体能力に優れたわけではありませんがディフェンスのポテンシャルも秘めた若者が海賊入り。人は人、自分は自分という独特の感性を持っていながら、周囲がいじらずにはいられない愛すべきキャラです。

  • 生原秀将:通称"シュウ"。背番号46。180cmのPG。徳島県出身。筑波大学では翼と同期で、4年次にはキャプテンを務め世代を代表するプレイヤーとして活躍しました。大学卒業を控えた16-17シーズンにトムHCが指揮する栃木ブレックスに特別指定選手として入団し、Bリーグ初代チャンピオンを経験。18-19シーズンはシーホース三河に移籍し、46試合でスターターを務めました。シュウの良さは恐れを知らない激しいディフェンスと気持ちの強さ。例え外国籍相手でも体を張って立ち向かい、チームのテンションを高めます。オフコートでは読書や史跡巡り、藍染めや温泉巡りが好きという、多趣味でユニークな男がやって来ました。

  • ジェイソン・ウォッシュバーン:通称"Jウォッシュ"。背番号42。208cmのC。16-17シーズン、ゴール下の大黒柱としてビーコルのインサイドを一手に引き受け、残留に大きく貢献したあの英雄Jウォッシュが戻ってきました!17-18シーズン4戦目の後にアキレス腱を負傷した影響で契約解除となり、ルーマニアを経て再び海賊の仲間入り。外国籍の中では最も早い06.20に契約が発表されたことからも、彼がロスター編成の中核として期待されていることがわかります。

  • ジョルジー・ゴロマン:通称"GG"。背番号14。211cmのPF/C。ハンガリー出身。色々あって(後述)なかなか外国籍プレイヤーの契約発表がなかった08.24、ついに発表されたのがGGの加入です。ハンガリーのU16~18世代の中心選手として活躍したGGは高校時代に渡米し、大学は名門のUCLAへ。同期にはNBAゴールデンステイト・ウォーリアーズのケボン・ルーニーや22-23シーズンはB2山形でプレイしたトーマス・ウェルシュなどがいます。3年次までは思ったような活躍ができないでいましたが、4年次に開花し30試合でスターターを務めました。卒業後はGリーグでプレイし、プロ選手として初の海外挑戦の舞台に選んだのがビーコルです。身長がありながらアウトサイドショットが上手で、ドライブにも非凡な才能を持つGG。出航式の際は"GG、モテモテ"と自己紹介するなどひょうきんな面も持ち合わせていました。後にハンガリーのフル代表にも選出されます。

  • レジナルド・ベクトン:通称"レジー"。背番号7。206cmのPF/C。USAテネシー州出身。色々あった(後述)09.07、ついに3人目の外国籍プレイヤーとしてレジーの加入が発表されます。強豪SECカンファレンス内では中堅チームのミシシッピ大に進学したレジー(大学時代の登録名はReginald Buckner)は2年次から3年連続でSECのAll-Defenseチームに選ばれ、ブロック数では同大の歴代1位を記録します。4年次にチームは快進撃を続け、カンファレンス2位でSECトーナメントに突入すると、なんと同大史上2回しか達成していないSECトーナメントでの優勝を果たします。その中心プレイヤーだったレジーはSECトーナメントの1stチームに選出され、チームを11年ぶりのNCAAトーナメントに導きます。ちなみに22-23シーズンにアルバルク東京でプレイしたセバスティアン・サイスはレジーと入れ替わりの後輩です。大学卒業後はDリーグを皮きりにプエルト・リコなどでプレイした後、海賊へ。強靭なフィジカルを活かしたリバウンド、ブロック、ゴール下の強さはまるでハリケーンのよう。しかし、時として注意が散漫になりさっさとファウルしてベンチに戻ってきてしまうことも。ブースターからは"今日は金のレジーか土のレジーか"といじられる程、その日の調子にアップダウンがありました。オフコートではチキンが大好きのナイスガイ。

来なかった海賊

Jウォッシュ以外の外国籍が決まっておらず、ブースターがやきもきしていた08.14、ついに2人目の外国籍プレイヤーの契約が発表されます!その名もカイル・ワシントン。シンシナティ大卒の206cmのPFでブロック力に優れるという噂があり、ブースターたちはカイルの到着を今か今かと待ち望んでいました。

しかし夏の小田原での航海練習の際も、後から契約発表があったGGの姿はあれど、カイル到着のお知らせはありません。

いやな予感がしていた09.07、レジーの契約発表と並んでカイルの契約解除が公表されます。。前シーズン"外国籍ガチャ"と言われたほど外国籍が定着せず迷走を繰り返した記憶がよみがえります。。

港を出る前からいささかの不安もありましたが、なんとか全員そろって10.3の出航式を迎え、新たな航海へと旅立ちます。

オフィシャルブーストソング「We are B-CCORSAIRS」の19-20バージョン!「BE COURAGEOUS」ポーズも必見です。

4年目の船出

波の影

PSG(プレシーズンゲーム)vs 茨城、B.LEAGUE EARLY CUP 2019 KANTOでの宇都宮と川崎との2連戦、PSG vs 京都、結果的にすべて敗れたビーコルですが、登録の関係上でGGとレジーが出れない試合も多かったため結果は気にならなかったものの、Jウォッシュの出場時間が長かったのは気がかりでした。。
19-20シーズンの開幕は10.06アウェイでの北海道戦から。スタメンは、ナオ、アキ、リョウ、レジーとGG。外国籍のベンチ登録は当時の規定により2名まで。プレシーズンからチームの中心だったJウォッシュを外してのGame1です。
結果的には67-72で敗れますが、レジーが23点12リバウンド6ブロック!GGが21点13リバウンドの活躍を見せ、ここにJウォッシュが加われば相当やれると期待が持てる試合でした。特にレジーは身体能力を活かしたスピンムーブやスクリューリバウンドでは圧倒的な力を感じさせてくれました。

Game2はスタートをアキ、リョウ、シュウ、レジー、Jウォッシュに変更。模索の中で激しいデッドヒートを展開し、4Q最後にカミングスのブザービーターでOT(オーバータイム)にもつれ込まれ75-81で敗れます。
レジーが21点22リバウンドと猛威を振るい、リョウが11点9アシスト、Jウォッシュも17点13リバウンドと活躍しますが、実に43分の出場はさすがに厳しそうでした。。

シーズン開幕戦を2連敗で入ったビーコルは、いよいよ横浜文化体育館(文体)で10.11ホーム開幕の秋田戦を迎えます。

キャプテン・リョウ

ホーム開幕戦を間近に控えた10.08、Bリーグ界の話題をさらったのがリョウの『テラスハウス』への出演です。

当時若年層の間で大きな話題を集めていたNetflixの人気番組『テラスハウス』は、見ず知らずの男女がシェアハウスに同居する姿を追ったリアリティー・ショー。
Bリーグのプレイヤーが出演するのは前代未聞で、バスケットボール界隈のみならず大きな話題を呼びました。
後に選手会の副会長にも就任するリョウは個人やチームの露出もそうですが、Bリーグ界あるいはバスケットボール界全体の露出も視野に入れて、批判があることも覚悟の上で番組に出てくれたと思います。ビーコルブースターの中にもこの番組がきっかけで会場に足を運んでそのままブースター沼へという人も。

そんな中で迎えたホーム開幕秋田戦、『テラスハウス』のメンバーが会場に応援に駆けつける中、リョウが9点12アシストと躍動!ナオが12点、レジーが13点、アキが10点、Jウォッシュが17点と相手に的を絞らせない全体攻撃が炸裂し、そのタクトを振ったのがリョウでした。

雲の影

開幕戦勝利の後、ビーコルは三遠、島根、新潟(2OT)に勝利し、7試合を終えて4勝3敗の勝ち越しで中地区2位。これはBリーグに入ってからのビーコルの歴史で初めてのことです。
しかし喜びもつかの間、名古屋戦から3連敗を喫し、滋賀には1勝するものの、そこから4連敗。特に11.17の神奈川ダービー川崎戦は24点差をつけられての惨敗でした。
11.30の天皇杯2次ラウンドでビーコルは3人の外国籍をDNPで休ませ、北海道に33点差で敗退。リーグ戦にフォーカスせざるを得ないチーム事情のため、天皇杯での勝ち上がりは夢のまた夢でした。

大波

12.07からのリーグ戦再開からの挽回を目指して邁進しているはずのビーコルに大きな衝撃が襲います。12.05、JウォッシュとGGの契約解除が発表されました。。
ここまでリーグ戦は15試合を消化。Jウォッシュは12試合に出場し、15.9点9.7リバウンド3.3アシスト。GGは11試合で14.5点7.4リバウンド1.4ブロック。2人ともチームの中心として欠くことのできない存在でした。
契約解除のお知らせによると、Jウォッシュはアーリーカップの宇都宮戦で腰椎椎間板ヘルニアを発症し、治療を続けながらプレイしていたものの、負傷の状況が思わしくないことから母国での治療に専念してもらうための解除とのこと。英雄Jウォッシュとの思わぬ別れにブースターは涙に暮れます。
GGの解除理由はチームコンセプトとずれがあったとのこと。確かにGGはオフェンス面では高確率のアウトサイドと(3P確率は.360)深い切り返しのドライブがありましたが、ヘルプのタイミングや予測の悪さなどチームディフェンスにおいては合格点とは言い難い存在でした。しかし、そこは若いプレイヤーにとってはありがちな問題で、もう少し我慢ができなかったものかと大きな落胆を感ぜざるを得ませんでした。

この日、ビーコルブースターたちは肩を落としながら家路に着き、悔しさを抱えながら苦い杯をあおったのでした。

戻ってきた海賊、そして…

翌12.06、新加入選手が発表されます。1人は17-18シーズンに、まさに負傷したJウォッシュの後釜として加入したあのウィリアム・マクドナルド、通称"ウィル"です。206cmのC。前シーズンは三遠でプレイし、このシーズンは無所属となっていました。ビーコルからの発表では1ヶ月間の短期契約。緊急事態をウィルに助けてもらって、その間にチームコンセプトに合った外国籍を見つけてくる目論見だったのでしょう(後に本契約に更新されます)。
復帰の際、ウィルはこう言ってくれました。

コート内だけでなくコートの外でも常にプロフェショナルでいる事を自覚し、マナーと規律を持ってチームのため全力を尽くして闘います。プロバスケットボール選手として17年のキャリアの過程で、横浜ビー・コルセアーズというチームは、私の人生にとって非常に大切なものになっています。

短期契約にも関わらず全力での貢献を約束してくれたウィルの心意気に、傷心のブースターの心は大いに慰められました。
そして同時にもう1人の海賊がやってきます。

魂の海賊、彼の名はサザ

ジェームズ・サザランド:通称"サザ"。203cmのSF。背番号00。USAニューヨーク州出身。大学は毎年のようにNCAAトーナメントに出場する、Big Eastカンファレンス(当時)の名門シラキュース大。著名なOBとしてはかつてNBAの得点王に輝いたカーメロ・アンソニーなど。サザも後のNBAプレイヤーとなるウェズリー・ジョンソン(2010年NBAドラフト4位)やディオン・ウェイターズ(2012年NBAドラフト4位)、マイケル・カーター=ウィリアムズ(2013年NBAドラフト11位、新人王)などのそうそうたる面々に囲まれなかなか実力を発揮できずにいましたが、4年次についに開花し13.3得点5.2リバウンド3P%.398と活躍します。その勢いでチームを牽引し、カンファレンス・トーナメントの準優勝に導きAll-Big East Tournamentの1st Teamに選出されます。迎えたNCAAトーナメントでもチームもサザも快進撃を見せ、Elite Eightでは22-23シーズンはシーホース三河でプレイしたダバンテ・ガードナー率いるマーケット大を下し、Final Fourまで辿り着いたところでミシガン大に惜敗します。サザはNCAA Tournament East RegionのAll-Region teamに選ばれるほどの活躍でした。
大学を卒業したサザはドラフトにはかからなかったものの、シャーロット・ボブキャッツやニューオリンズ・ペリカンズで合計4試合NBAの舞台を踏みます。その後はフランス、イタリア、Gリーグなどを経て前シーズンはシーホース三河へ。17.3点5.1リバウンドの活躍を見せるも出場試合は26試合となかなか起用されず。その後フリーとなっていたところ急転直下で海賊の仲間入りです。
サザの強みは何といってもオフェンス力。フィジカルに優れたプレイヤーではありませんが、天才的なアウトサイドのタッチとスキルを持っています。そして何よりもその気持ち。奇をてらうことなく自らに正直であろうとする姿勢は、他の誰よりも海賊と呼ぶにふさわしい男です。

12.07、リーグ再開はアウェイ新潟戦から。前日に来日したサザはビーコルから招集を受けてすぐ飛行機に飛び乗ったかのような寝ぐせ?をつけながら強行出場して、いきなり18点10リバウンドのダブルダブルで連敗を4で止めます。

翌Game2にも競り勝って、サザの加入(ウィルはこの節は選手登録が間に合わず)がビーコルの帆に大きな風を送ってくれると思いました。

やってきた暗雲

続く神奈川ダービー川崎戦は27点差、ホーム国際プール(国プ)での東京との2連戦もGame1は20点差、シーズン最多5012人の観客を集めたGame2も13点差で連敗。中堅以下のチームとはいい勝負ができても、強豪チームには太刀打ちできませんでした。

そんなチームに追い打ちをかけたのが12.14の東京戦で負ったナオの怪我。診断は左足リスフラン関節捻挫の全治4週間。ここまでほぼスタメンで出場し、超人的なディフェンス力でチームを支えてくれていたナオの欠場は今後の行く末に大きな不安を抱かせました。。

そんな中での12.21、さらなる強豪千葉との戦いに挑んだビーコルは3Qまでに2桁点差をつけられますが、4Qに脅威の粘りを見せ追いすがっていきます。残り4:22、サザのこの日31点目で1点差に。3点差で負けていた残り0:39、アキの3Pで同点に追いついてOTへ。しかしOTに入るとレジーがファウルアウト。戦えるエネルギーが残っていなかったビーコルは94-100で敗れはしましたが、Bリーグ初年度にタクのブザビ3Pで一度だけ勝ったあの千葉に肉迫するところまで行きました。
この日のサザは43分出場して3P5本の33点10リバウンド。OTに入って疲労で体が思うように動かなくなったサザが、拳で胸を何度も叩いて刺激を与え、なんとか体を動かそうとしていた記憶があります。
アキも42分出て19点。タフガイぶりを見せてくれました。

翌Game2は、またしてもサザが26点と活躍したものの、前日の疲労もあり37点差で敗れます。
続くクリスマスの三遠戦では勝ちゲームだったにもかかわらず4Q終わりにドージャーの3Pで追いつかれOTで敗北。
2019年の最終戦は、タクが移籍後初となる国プ凱旋の三河2連戦。
12.28のGame1は4Q終盤までもつれにもつれ、残り18秒でかつての大海賊タクにバックカットからのリバースショットをきめられ逆転を許します。最後のプレイもタクにセットプレイを見抜かれ、接戦をまたも落とします。

翌Game2にも敗れ8連敗となって新年の渋谷戦に挑みます。

新春の嵐

2020.01.04、新年はアウェイ渋谷戦から。昨年からの連敗をなんとか止めたいビーコルですが、渋谷の強力外国籍ケリー&CJの前になすすべなく、3Qには36点取られてしまいます。
そしてどこかのタイムアウト、トムHCとサザの間での言い合いがやがて取っ組み合い寸前にまで発展。チームメイトが間に入ってなんとか事なきを得ます。少し落ち着いた後でサザとトムHCはハイファイブで仲直りしますが、21点差の惨敗。
翌Game2も22点差のブロウアウトで、ついに10連敗。。

一週間空いた01.15、アウェイ新潟戦に臨んだビーコルのベンチにトムHCの姿はありませんでした。。代わって指揮を執ったのがACの福田さん。一ヶ月ぶりにナオも復帰し、ビーコル同様低迷を続ける新潟に勝利を。。といきたいところでしたが、復帰したナオが14点の活躍を見せるもまたも接戦を制することができず11連敗。

そして平塚で神奈川ダービーを迎えます。

01.22 平塚

01.22、平塚での水曜ナイトゲームの神奈川ダービー。天気は雨。トムHCはこの試合も不在でチームは11連敗。相手はこれまで1勝すらできていない対戦成績19連敗中の中地区首位の川崎。ブースターの気分はまったく上がらぬままティップオフを迎えます。1Qから横浜9-川崎20と、いつも見てきた神奈川ダービーの展開に。私もビーコル初体験の知人を招待して参戦しましたが、残念な試合になりそうで申し訳ないなと思っていた記憶があります。
しかし川崎もカルファ二と篠山が怪我で出場できず、外国籍はヒースと短期契約のソープという組み合わせ。ほんの少しだけ、つけ入るチャンスがありました。
5点差で4Qに突入すると一進一退の攻防が続き、残り37秒、藤井のドライブで川崎が1点前に出ます。
3点差となった残り11秒。ボールを持ったシュウにサザがP&R(ピック&ロール)に行くと見せかけたゴーストスクリーン(スクリーンに行くふりをして流れること)に、サザについていたヒースとシュウについていた藤井との間でコミュニケーションミスが発生します。その一瞬の隙をついてシュウが起死回生の同点3P!シュウから上がる雄叫び!!
残り6秒の川崎のオフェンス。サイドからのボール出しは辻。おそらくファーストオプションはニックに入れて最低でもフリースローをもらう策だったのでは。しかし辻がニックにボールを出そうとした瞬間、ニックをマークしていたエドが絶妙なディナイを見せ、辻はボールが出せず。ならばとローポストのヒースにボールを出そうとしますが、5秒バイオレーションも迫る中で焦りもあったか、ヒースがもらいたかった手とは逆のマークマンのサザに近い方の手にボールを出してしまい、サザがボールをカット!こぼれ球をナオが拾って残り4秒で藤井がファウル。
ビーコル最後のオフェンス。レジーとアキが流れてスペースを作り、ディフェンスに問題を抱えるニックがマッチアップするサザへボールを託します。ドライブでニックを抜きにかかるサザ。それをゴール下で待ち構えるのはこのシーズンのブロック王に輝いたヒース。しかしレジーが絶妙にゴール下で流れてヒースの注意を分散させます。レジーの動きがあったためヒースのヘルプがわずかに遅れ、そのブロックをダブルクラッチでかわしたサザがブザービーター!平塚熱狂!!ついについに20戦目にして川崎から歴史的な初勝利を奪います!!!B-RoseのKotoneさんは感極まって涙を流されていた記憶があります。

実況付きのリアルタイム映像のハイライトはこちら。

4Qのラストのシーンが多いのはこちら。

リーグのTough shot of the yearのTop 5にも選ばれました。

若き知将の奮闘と万能の海賊の加入

01.25、このシーズンも西地区を制することとなる強豪琉球とのアウェイ戦。トムHCはこの試合も帯同せず福田さんが指揮を執ります。
Game1は6点差、翌Game2は序盤からずっとシーソーゲームを続け、残り49秒からサザが2本の3Pをきめ追いすがるもわずかに2点差でかわされた好ゲームでした。この試合、ナオが12点、サザが3P4本の22点13リバウンド。

01.29、ライバル富山との一戦はシュウのキャリアハイ20点の活躍があるも5点差で敗北。勝ち星には恵まれないものの、福田さんがHC代理を務めてから少しずつチームの状態が上がってきたように思えました。

そしてこの日。若きオールラウンダー、青山学院大学3年赤穂雷太の特別指定選手(特指)としての乗船が発表されます。通称"雷太"or"ライライ"。石川県出身。196cmのSG/SF。元U18日本代表候補。お父さんは横浜出身のかつての日本代表で、「スラムダンク」の赤木ゴリのモデルとも噂される赤穂真。お母さんも日体大でバスケをされていました。一番上の姉は高校時代にアジア大会の日本代表に選出され、現在はデンソーアイリスでプレイする赤穂さくら。双子の妹は現日本代表で同じくデンソーアイリスでプレイする赤穂ひまわり。
日本人選手としてはサイズがありながらハンドリング・スキルあり、強靭な身体を活かしたディフェンス能力も高く、高校時代にはPGを務めパスにも秀でているというオールラウンダーがやってきました。アウトサイド・ショットも苦手ではないですが、ここは向上すべきポイント。

ビーコル加入の決め手はずばり"プレータイム"と言い切る、客観的な視点と向上心も魅力です。

名将の旅立ちと取り戻した光

02.01、トムHCとの契約解除が発表されます。シーズン途中でのHC交代はBリーグ4シーズン中で3シーズン目。就任2年目のこの時点で8勝24敗の残留プレイオフ圏内の戦績であればいたしかたないところかもしれませんが。。様々な問題があるように感じました。

そして福田さんのHC昇格が発表されます。ブースターは藁をもすがる気持ちで若き知将の舵取りに命運を託します。

02.01、ホーム国プ2連戦で迎えるのはこの時点で西地区首位を琉球と争う大阪です。
シーソーゲームが続く中、残り6:37、この日がBリーグデビューの雷太がクロージング・ラインナップとして起用されます。残り12秒、ビーコルが3点差でリードしていて大阪のサイドからのボール出しの場面。特指の中村がアイラに出したパスを急加速でカットした雷太がそのままリングへ!勝利を決定しました。
レジーが31点15リバウンド。サザが5本の3Pで15点。デビュー戦の雷太はアイラとマッチアップしてよく抑え、3Pも1本きめて攻守に活躍してくれました。新しいスターの誕生です。

翌Game2はOTにもつれ込む熱戦でしたが、惜敗。
続く東京2連戦と秋田には2桁得点差で敗れ4連敗。

しかし、"選手に考えさせる"、"タイムシェア"、"チーム全体で動いて、チーム全体で点を取っていく"ことを浸透させている福田さんが示す航路は間違っていないと、多くのブースターが感じていました。

そして負けられないホーム国プで渋谷との2連戦を迎えます。

02.15のGame1、8点差のビハインドで4Qに突入したビーコルはこのQで38点の大爆発を見せ、このシーズン唯一の100点ゲーム101-90でCS圏内の格上チーム渋谷に、お正月にはサザとトムのもみ合いもあって惨敗した渋谷に、ついに勝利します!
レジーが、なんとFG11/11の100%で26点11リバウンド6アシスト!ミシシッピ大の後輩サイスとのマッチアップで心に期するものがあったのかもしれません。サザが22点、ナオが12点、アキが3P4本の15点、リョウが10点6アシスト。福田さんが標榜する"チーム全員で動く"ことが表現できた一戦だったように思えました。

翌Game2は、サザが7本の3Pで30点12リバウンド、レジーがFG9/12の19点13リバウンドと奮闘するものの79-90で敗れます。

そして、この日が今シーズン最後のホームゲームとなりました。

憎き感染症

ひたひたと忍び寄っていた新型コロナウィルスの影がバスケ界を覆い始めました。02.26、リーグは政府の大規模イベントの中止もしくは延期要請を受け、02.28~3.11の試合の延期を決定します。

その渦中でビーコルにも大きな変化が。翌02.27、ハンターの契約解除が発表されます。前シーズンに負った大怪我の影響もあり、ここまで8試合の出場にとどまっていたハンター。その実力が発揮できぬまま無念の旅立ちとなりました。

そして同日、モネの特指から本契約への変更が発表されます。19試合に出場し、大きな活躍はできていなかったものの、そのポテンシャルはビンビン感じていました。

さらに同日、空いた特指の枠でやってきたのが筑波大学3年の菅原暉、通称"テル"です。背番号14。岩手県出身。183cmのPG。土浦日大高校2年次にはウィンターカップ決勝で八村塁率いる明成高校敗れ準優勝。筑波大に進学して3年次にはインカレを制覇した後、海賊の仲間入りです。強みは強靭なフィジカルを活かしたディフェンスと安定したショット。3年生にして大学界トップクラスのPGとして有名だったテルの加入は、ブースターにとって誇らしいものでした。

03.11、リーグは無観客試合としてレギューラーシーズンの再開を発表します。
03.14、シュウとサザにとっては移籍以来初の凱旋試合となるアウェイ三河戦は、無観客試合という異様な雰囲気の中で開催されます。このシーズンの三河は中地区2位を争う格上チームでした。三河の1点リードで4Qに突入すると、終盤にシュウ、サザ、レジーの得点で10-0のランをきめ横浜89-三河82で勝利します。
サザが3P4本の18点、レジーがFG12/15!の26点13リバウンドでインサイドを制圧し、シュウが3P4/5の19点4アシストと古巣にリベンジを果たします。テルも記念すべきBリーグデビュー戦で初得点を上げました。

試合終了後、困難な状況の中この試合を成立させてくれた人たちへ、画面越しに応援してくれた人たちへ、サザが誰もいない観客席に向かってバスケットLIVEを通して、"ありがとうございました!"と感謝の言葉を深いお辞儀と共に伝えてくれたこと、忘れることができません。

翌Game2、ビーコルはサザが24点12リバウンド、レジーが15点10リバウンドと奮闘するも、三河のエース金丸にリーグの歴代最多タイ記録となる11本の3Pをきめられ、これまた日本人プレイヤー最多得点記録となる45点を許し82-96で敗れます。

これでトータルでは11勝30敗のビリ3。福田さんがHC代行となってからは4勝10敗の勝率.285。それ以前は7勝20敗の勝率.250。依然として残プレ圏内ながら、川崎戦での勝利以降、特指も加わり次第にチームが明るい方向へと向かいつつあったビーコルですが、この試合がシーズン最後の試合となりました。

03.12にNBAではシーズン中断が発表され、また選手の発熱でBリーグの試合の中止も続き、帰国を決める外国籍選手も出てきました。東京オリンピックも延期となり、03.27にリーグはポストシーズンを含めた残りのシーズンの中止を発表します。

リーグの決定により降格は実施されず、また新しい形でビーコルのB1残留が決まりました。

「BE COURAGEOUS」を掲げ、名将トムHCとの契約を解除してでもなんとか1つの勝利を勝ち取りB1に残ろうと奮闘してきたビーコルですが、想像もしない形でシーズンを終えます。

世界が今後どうなっていくのか。誰にも見えない中で、リーグもスタッフもプレイヤーもブースターも、不安を抱えたままシーズンが終わっていきました。
暗いシーズンの終わりに少しでも元気を届けようとしてくれた「BONES&ROSES DAY」のB-ROSEのパフォーマンスとプレイヤーの面白い姿とEyes'さんの熱唱を貼ってこのシーズンを閉めたいと思います。
その先は次回で。


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