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第1話「気持ちだけが高速走行!」

相変わらずの本屋通いをするも、読み漁るバイク雑誌は徐々に絞られていき
気づけばVIBESを毎月購入するようになっていた。

レジが女性でも、堂々と表紙を上にして購入出来るようになった頃には
オイラの脳内では「バイク=ハーレー」というイメージが出来上がっていた。

自宅のVIBESが12冊を超えた頃、ハーレーの試乗会イベント「DEMO RIDE  CARAVAN in福岡」がある事を知った。

雑誌では見たことあるハーレーだけど、実車は一度も触ったことが無い。
大型免許は持ってないけど、見るだけでも良いので行ってみたい!

さっそく妻に話をしたところ快諾してくれたので、そのイベントに行く事になったわけだが、日曜日までの数日は、まるで遠足前の小学生のように浮かれていた。

そしていよいよ当日、目覚ましが鳴る前に目覚めたオイラは、そそくさと準備をし妻と二人で車に乗って会場へと向かった。

会場に近づくにつれバイクの数が増えてくると、否が応でもテンションが上がって来る。

誘導看板が出現し、黒とオレンジのスタッフシャツを着た関係者さん達が見えてくると、もう我慢の限界だ!

一刻も早く車を駐車して会場に入りたいんだけど、車が列になって入場待ちをしている。

隣の車線は二輪専用となっていて、次々にバイクが走り抜けていく。
真横を走り抜けるバイク達をみるだけで、もうよだれがこぼれ落ちそうな状態だ。

そんな中、爆音を響かせ、ハーレー軍団が登場!

限界を超えたオイラは、思わず大声で叫びだす。

うわぉ!かっけ~~!!!
ほらほら!あれがストリートグライドだよ!
見てみて!ローライダーもいる!
チョッパー具合がハンパないって、ほらあそこのハーレー!ねえ見えてる?ほらほら~あの三台目の黒いやつね!

入場前から興奮状態ておしゃべりが止まらないオイラを見て、助手席の妻は完全に引いている様子www

受付で手続きを終え、手首にハーレーのイベントブレスレットを付けてもらい、ノベルティーのタオルをバッグに入れて、いよいよご入場だ!

会場内には、すらりと並んだ新車のハーレーたち。
照明に照らされキラキラと輝くハーレー。その姿は神々しい雰囲気が漂っていた。

跨れる車両には全て跨り写真を撮る!
ひたすら跨って撮る!移動しては撮る!横に立って撮る!

もちろん跨るのはオイラなので、必然的に写真を撮るのは妻になる。
そうすると可愛い妻の表情が、徐々に鬼のようになってくるよねwww
そんな事も気にせず、次のハーレーに移動しようとしたその時、怒りに満ちた妻が、とうとう爆発してしまった。

なんで三脚持ってこんかったと!
三脚があったら自撮りできたやん!
ず~っと私がカメラマンせないかんと?
もう疲れたし!
飲み物買ってよ!
お腹もすいたもん!
私はあそこのベンチで休憩しとくから、誰かに写真お願いして!

妻はそう言い放つと、プイッと後ろを向いてベンチの方へ行ってしまった。

慌てて追いかけていき、二人でベンチに腰掛け、持ってきたお菓子とお茶を飲みながら、全力で妻のご機嫌をとったのは言うまでもない。

20分ほど休憩すると、妻の機嫌も回復したため、外で行われている試乗会に行ってみる事にした。

試乗会エリアには、ヘルメットを手に持ち試乗待ちをする男たち。

希望車種ごとに並ぶようになっているらしく、どの列の男性もワクワクしながら試乗を待っている様子だった。

ほとんどの男性が、オイラと同じおっさんカテゴリーに入る人たちだけど、「最新のおもちゃを見に行く子供」のようにキラキラした目をしている。

そして次々にハーレーに跨り、エンジンをかけ試乗コースへと出ていく。

男!男!男だらけの試乗会だ。

そんな男たちの姿を見ていると、我慢が苦手なオイラのハートは、当然急上昇するよね。

同じ男としてオイラもあそこに並びたい。
憧れのハーレーに乗るために、ぜったい大型免許を取りに行くんだ。

こうなったら誰にもオイラを止める事は出来ない。いや!絶対に止めさせないと心に刻みイベント会場をあとにした。

そして数日後・・・

バイク屋にSRを持っていき、委託販売してもらう事にしたのだった。
そう、売れたお金を自動車学校の費用にするために。

もちろん妻には何も言っていない。

でも「好きにして良いよ」って優しく笑顔で言ってくれるに決まっている。
いや、正直言うとその逆の可能性の方が高い気もする。だからそういう時は、いつも自分の中で都合がいいようにポジティブ変換するんだ。

この先ショッキングな出来事が起こるとも知らずに・・・

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