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「キュンパス」で訪れる 八戸・蕪嶋神社訪問記

「蕪嶋神社」と聞いてピンとくる人はだいぶ通な人な気がします。
「ウミネコがヤバいところでしょ?」と答えられたら個人的には100点満点です。
ちなみに私もそれくらいの知識しか無いです。

八戸の東、種差海岸の北側に鎮座する蕪嶋神社。日本でも数少ないウミネコの飛来地として大変有名で、人が容易に訪れることが出来る場所はここだけ、とのことです。

個人的な話ですが、10年くらい前に下北〜八戸あたりをレンタカーでぐるぐる旅していた時に、何の事前情報も無しに立ち寄ったことがあります。その時の写真が以下。

2015年4月ころの蕪嶋神社

正直「とんでもないところに来ちゃったな」という印象でした。比喩でなく足の踏み場もないくらいに埋め尽くすウミネコの群れ。鳴き声がけたたましくて人と会話もできない。ところどころにある白い痕跡は、ウミネコのいわゆる「落とし物」です。参拝者は傘をさすことを推奨されています。

そんな蕪嶋神社ですが、2015年11月に失火により焼失してしまいました。私はこのニュースに驚いて、八戸市の役所に「寄付させてください」と電話をしたことがありました。
もちろん私がしゃしゃりでるまでもなく、多くの企業・個人からの寄付があり、その事も一助となって2020年に無事再建を果たし、今に到るようです。

私は今まで再建後の蕪嶋神社に訪れる機会がなかったのですが、今年「キュンパス」という1日乗り放題切符をJR東日本が発売したので、これはちょうど良いと思い、蕪嶋神社に再訪してみました。

前置きが長くなりましたが、この記事では2024年3月に訪れた蕪嶋神社の様子を、写真を中心に貼っていきます。

キュンパスの切符

東京駅 - 八戸駅 07:32 - 10:24

7時台のはやぶさに乗り、まずは八戸まで行きます。東京からおよそ3時間。
「キュンパス はやぶさ」で検索すると「満席」がサジェストされるくらい、キュンパスの時期の東北新幹線の混み具合はヤバかったようですが、私が乗車した時も朝早い便だというのに満席の勢いでした。

私の隣に座ってたギャルっぽい女性2人は着席した途端にストロング缶を空けて酒盛りを始める、そんな風情の中、旅にでました。ちなみに彼女たちは程なく完全に泥酔してしまったので、八戸で降りる時に叩き起こして道を空けてもらいました。

八戸駅。この人は人形です

八戸駅 - 鮫駅 10:42 - 11:03

八戸駅 - 鮫駅
八戸線 鮫行

蕪嶋神社の最寄り駅は「鮫」という駅なので、そちらまで八戸線で訪れます。
しかし一文字駅名は全国色々あるとはいえ「鮫」というのはインパクトがありますね。昔、この辺に鮫がたくさんいたんでしょうか?「沢(さわ)」が訛った結果、という説もあるようです。

鮫駅
鮫駅だけに鮫

鮫駅から蕪嶋神社までは徒歩10分くらいです。道沿いにてくてく歩いていきます。

蕪嶋神社にウミネコが本格的に飛来するのは4月からということです。3月の雪の残る時期はウミネコがいるのかな?と思いながら海沿いを歩いていると、眼の前に広がるコブ状の島。上に鎮座するのが蕪嶋神社。

蕪嶋神社

3月でも普通に縦横無尽にウミネコが飛び回っていて、さすが蕪嶋神社、と思いました。これでもまだまだ最盛期には遠く、数は少なめのようです。

新しくなった境内にも参拝しました。再建してまだ数年ということですが、ウミネコの「落とし物」の痕跡がそこかしこに目立ち、早速「ウミネコ色」に染まっている姿が確認できました。

毘沙門天が左手に持っているのはうん◯ではないです
中に一匹だけ本物がいます

ほんと、人間にお構いなしにそこかしこにウミネコがいるので、間近でウミネコを見ることができます。その事が蕪嶋神社の特徴だな、と思ったりもします。

しかし、ウミネコは人間に馴れているわけでもなく、もちろん好きということもなく、実際は人間をとても警戒をしているのだそうです。なので本来は、あまり近づかない方がよい、とのこと。

なるほどと思いつつ、こちらから好きで近づいているわけでもないのに向こうからワラワラやってくるので「そんなこと言われてもね〜」とは思ってしまいます。
最低限、直接触ったり、餌をあげたり、そんなことはしないようにしましょう。撮影も望遠レンズで撮りましょう。というところですかね。


10年前に蕪嶋神社に訪れた時にはなかったものとして、神社近くに「蕪島物産販売施設 かぶーにゃ」というお土産屋さんができていました。
ここでは蕪嶋神社、というかウミネコにちなんだお土産がたくさん売っていたので、ついつい僕も釣られてたくさん購入してしまいました。

蕪嶋神社、10年前はマニアックな存在だったように思いますが、観光施設も充実してきて10年前よりも確実に「観光地」としてしっかりした姿になってきたように思えます。

ウミネコの「落とし物」を形どった邪悪なお菓子

施設の中には軽くお食事を出来る場所もあります。私は「イカこんにゃく」とやらをいただきましたが、見た目よりもずっと美味しくて感動しました。お出汁が効いていて、こんにゃくの食感もやわらかく、なかなかのものです。

イカこんにゃく

なお、昔は「八戸=イカ」というイメージでしたが、最近はイカが捕れなくなってきているようです。たしかに八戸のお土産屋でも、食事処でも、イカの姿をあまり見なくなってしまいました。さみしいですね。

鮫駅 - 種市駅 12:46 - 13:19

鮫駅 - 種市駅

蕪嶋神社に訪れた後は、せっかくの乗り放題の切符があるので八戸線を乗れるところまで乗ってみました。途中駅の中でも比較的大きい街である種市まで行き、折り返して帰って来る、という戦略です。

八戸線の車内は結構混んでいたので、私はずっと立って乗車しました。鉄道好きと思われる若い女性(YouTuber?)が一生懸命動画を撮っていたりしていました。

種差海岸付近
この辺も昔大きなヘビがいたんでしょうか
みんなだいすき ダイチャン
「最新式コンピューター」ということなので NVIDIA H100 とかが買えるのだろうか

種市 - 八戸 13:48 - 14:45

種市では30分くらいですぐに折り返し、八戸に戻りました。わざわざこんな感じで八戸線を往復したのは、種差海岸付近の車窓を撮影したかったのも動機です。
種差海岸駅から鮫駅に向かう車窓を眺めていると、絶景の太平洋の風景のフィナーレを飾るように蕪嶋神社が現れてきます。
(以下の動画の5:30ころから)

こうして動画で見てみても、蕪嶋神社はなかなか不思議な、他には無い特殊な場所だな、と感じます。
無事再建され、賑わいを取り戻しているようで、本当に良かったです。

東京へ帰宅

この後、盛岡に立ち寄ったりしましたが、この記事では蕪嶋神社中心に書いているので割愛します。盛岡は程よく都会で、歴史もあり、良い街だなと思いました。

便乗している岩手県庁

余談:キュンパスの実績

今回の旅では、ざっくり「東京〜(八戸経由)〜種市」の往復の旅程となりました。
通常料金だと Google Map 調べで以下な感じ

片道: 17,010円
往復: 34,020円
キュンパス: 10,000円

ということで、普通の手段で行くより24000円くらいお得になったようです。あらためて「キュンパス」は神がかり的な企画でしたね。来年も期待しています。

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