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性別と恋とセーラームーン

LGBTとかセクシャルマイノリティとか同性愛者とかトランジェスターとか。

今日はそういう話。

▼このサイトが分かりやすかったので紹介です。


先日、某人気男性アイドル2人が同時に結婚を発表し、男性アイドル同士が結婚したと勘違いする人が多発した話題は記憶に新しく、父親と同年代のおじさんが「あの人たちホモだったの?」とニヤニヤしながら、手の甲を反対側の頬に当てるジェスチャーをした。

盛り上がるネタだ!と踏んで、大事そうにこっそりと得意げな顔で言う下品な大人が、この時代に、しかも身近にいて……余計なお世話、ここに極まれり。

人の性的指向に向けられた好奇の目の色は、気持ち悪さを通り越して気味が悪い。

地獄から汲み上げた気味の悪さをまき散らしました!と言われたら信じますよ私は。

思い返せば、幼少期より性的少数者を異常者扱いしなかった私は、私も異常者扱いをされていた。

父親には「お前はオカマが好きだもんな、変態くせえ」と笑いものにされたことが何度もあった。

家族を含めた世間の無神経さが理解できないまま幼少期を過ごした。

少数者は「異常な人」「笑いの対象」とされていることをテレビや大人との会話で触れ、世界はそういう傷つけ方をする麻痺に溢れていると知った。

自分の大事にしたい部分が削られていくのを止められない。

そんな焦りに戸惑っても、それでも私は少数者の人々も同じ人間としか思えなかった。

私は、私の父親たちがいる世界にいつまでも順応できずにいた。


人の性別はどうでもいい。

誰が誰を好きかもどうでもいい。

男性の容姿をした職場の隣の席の人が心は女性で、男性を好きだとしてもどうでもいい。

(冷たい言い方ですみません。「どうあったって良い」がぴったりだ!と気づくのに十数年の時間を要したのです。)

前回の記事「他人事」でも話しましたが、

他人の価値観やアイデンティティーの全てを受け入れることはできなくても、他人事だと思う私だからこそ、「ああ、あなたはそうなのね」と受け止めることができる。


それは、今も私の心にある教えが生きているから。


美少女戦士セーラームーンは幼少期の青春だった。

月野うさぎと地場衛の恋物語こそ看板のミラクルロマンスではあるが、このカップル以外の名作恋物語も数多い。

人間の少女との短い恋に落ちて死んだ敵幹部の男、男とオネエ口調の男の敵幹部内のゲイカップル、女に興味はないと断言する線の細いイケメンが好みのオネエ口調+女装+美少女容姿の男の娘、オネエ口調だけど女性が好みの男、戦士側には男装の麗人と女性のパートナー(恐らくカップル)もいる。


フィッシュ・アイという男の娘の敵は、うさぎの恋敵となるが、自分が人間ではないことを知って絶望する。

うさぎの恋敵の体は男性だ。

男が男を好きなんて!と嫌悪感を抱いていれば、恋敵とも思わなかったはずだが、うさぎは衛を取り合う同じ土俵に立つ脅威的存在としてフィッシュ・アイを認識し、恋敵としたのだ。

アニメを視聴すると分かるが、敵の悪事には月に代わってお仕置きはするけれど、敵の恋心を否定したり、性的少数者キャラを茶化したり、咎めたり、嫌悪感を表したり、無暗に踏み込んだり、笑いものにしたりするキャラは一人も現れない。

女が男を守り抜くために戦うシーンだってある。

異性愛者、同性愛者、トランジェスター、シスジェンダーの恋も分け隔てなく、性差にとらわれず、違いも持たせず、一人の恋物語として、「恋」は「恋」としてだけ真摯に描く、当時はかなり先進的なアニメだった。

ましてやうさぎは、絶望した恋敵を励ました。

寛容な心と人の心の機微に寄り添い、ありのままを受け止めてあげるうさぎの優しさと強さに感動し、あまりの震えに幼い私の小さな胸は痛みと苦しみさえ伴った。

幼い私は「自分の性別は心に従っていい」「誰に恋をしても良い」「対等で居続けることが誰かの心を救うこともある」ということを教えられ、自我の一部として吸収していたのだと確信した。


人の性別はどうあっても良い

誰が誰を好きでも良い

男性の容姿をした隣の席の人が心は女性で、男性を好きだとしても良い


今よりも少数者に冷酷だったであろう当時の時代、理想を超えた斬新で先進的な世界を女児向けアニメで、「人として大切なこと」をたくさん教えてもらった。

多様性の一つ一つを言葉で教示するのではなくて、「こういう世界の実現も不可能ではないはずですよ」と世界観で伝えるスタンスが、人を導く月光のようで、月の光は愛のメッセージという名セリフに集約されている気がして堪らなくなる。


30間近の今も尚、セーラームーンの教えは胸にある。

それを私の生き方で表していけたらかっこいいと思う。

「こういう世界」が始まるための、一部が私でありたい。


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