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冷凍自販機メーカーや冷凍専門店バイヤー直伝!話題の冷凍ビジネスの裏側をお届けした第4回デイブレイクファミリー会レポート

11/29、デイブレイク主催の次世代冷凍ビジネス研究会「デイブレイクファミリー会」カンファレンスを開催しました。今回はそのレポートをお届けします。

デイブレイクファミリー会とは

デイブレイクファミリー会は、特殊冷凍を活用する全国の経営者が集い、事例やアイデアを共有し切磋琢磨することで、みんなで冷凍の価値を向上させるオープンイノベーションです。情報交換のほか、参加者全員が高品質な冷凍を手掛けるという共通認識のもと、冷凍食材・食品と販売先のマッチングも活発に行われています。

4回目の開催となる本カンファレンスでは、ファミリー会メンバーのからの事例共有に加え、昨今の冷凍ブームの火付け役とも言える冷凍自販機や冷凍食品専門店を展開される事業者様にも登壇いただき、様々な視点からの高品質冷凍、ファミリー会の存在意義をお話いただきました。

過去最多の会員様(総勢65名ほど)がご参加されました

ファミリー会の新展開!冷凍のお悩み解決など会員限定動画コンテンツを新たに配信

まずは、デイブレイク代表木下から開会挨拶。日本で唯一の高品質冷凍を極めるコミュニティなので、ここでノウハウを共有し合い、品質を底上げし、美味しく安心安全で間違いない冷凍商品を作る集団になろう。とファミリー会への意気込みを語りました。

デイブレイク代表木下昌之

ファミリー会統括のCCO春日からは、来月新しく始まるファミリー会のコンテンツを発表。これまでは、高品質な冷凍を研究したり冷凍ビジネスを開拓する勉強会がメインでしたが、今後は会員専用の動画チャンネルで、食材研究や冷凍ビジネスに関する動画コンテンツを配信。この食材、どうやったら美味しく冷凍できるの?というメンバーからのリクエストにも、どんどん応えていく方針を伝えました。(会員の皆様は、どうぞご期待ください!)

これから配信予定の動画コンテンツイメージ
これから配信予定の動画コンテンツイメージ

メーカー直伝!冷凍自販機「ど冷えもん」で成功する秘訣は?(サンデン・リテールシステム様)

まず初めに登壇されたのは、冷凍自販機「ど冷えもん」を手掛けるサンデン・リテールシステムの大木氏。冷凍自販機の軌跡や「ど冷えもん」での成功事例等を紹介いただきました。

元々冷凍自販機は、冷凍物流が高いことと「冷凍は美味しくない」という固定概念があったことから、アイスクリームが主流でそのほかの料理の成功事例はなかったと言います。それが、昨今冷凍技術が進化し、冷凍食品が美味しく簡単に作れるようになったことで冷凍食品の新しい販売チャネルとして自販機という選択肢が増え、さらにはコロナを機に外食産業の救世主として注目されるようになったと大木氏は話しました。

スライド:冷凍自販機がアミューズメント化

また、これまでの自販機は、全国どこでも同じ商品が買える安心感があり、自販機=便利というイメージでしたが、「ど冷えもん」は、そこでしか売っていない商品を購入するためにSNS経由で辿り訪れるユーザーが多いとのこと。「自販機は便利」が「自販機は楽しい!」へ付加価値が変化し、アミューズメント化していると大木氏は語りました。質疑応答では、よく売れる場所、よく売れる時間帯の傾向、商品ラインナップは多い方がいい?厳選すべき?など質問が飛び交い、今回特別にご回答いただきました。(レポートへの記載は控えます)

ファミリー会連携で新ビジネスを共創!(イズミ産業様)

続いて、仕出し業を展開される株式会社イズミ産業中川氏から、ファミリー会の連携で実現した新しいビジネスについてお話いただきました。

イズミ産業では、ファミリー会メンバーと連携し、東京・麻布の江戸前鮨店「鮨心」が商品開発した家庭用冷凍おかずのOEMを手掛けるほか、北海道常呂町の漁師集団マスコスモ合同会社から、近年水揚げが急増し、品質は良いが行先がないと社会課題になっているブリを仕入れ、お弁当の焼き魚に使用。お客様からも大変好評だと言います。中川氏は、ファミリー会を通じた新しいビジネスが続々と生まれ、出会いに感謝していると語りました。

日本の漁業生産量の減少はなぜ?特殊冷凍で魚の価値をあげる(布施商店様)

続いて登壇された宮城県石巻市で水産加工を手掛ける布施商店の布施氏は、世界では漁業生産量(主に養殖漁)が増えているが、日本では減少傾向。原因は温暖化とささやかれているが、それであれば世界中で減少するはず。日本だけで減っているのは乱獲、取り過ぎが原因なのではないか?と日本の水産業の現状を指摘しました。

スライド:布施商店での水産加工の様子

また布施氏は、鮮魚販売は外部環境に影響される(自分たちの強みが消される)部分が大きいが、冷凍を活用することで、品質や価格、納品時期が安定し、アニサキス死滅など安全性にも寄与するとコメント。自社の水産加工業が特殊冷凍の活用によりホテルへの卸やBtoC事業へ発展した事例を紹介しました。そのBtoC事業には、ファミリー会で水産養殖を手掛けるふく成(先駆けてBtoCに着手し、産直サービスで売り上げ拡大に成功)から商品開発のポイントや成功の秘訣などアドバイスをもらったといいます。布施商店のYouTubeチャンネルも、是非チェックしてみてください!

ファミリー会後半は、冷凍食品・冷凍商品を仕入れるバイヤーが登壇。冷凍食材・食品をどう見ているのか?お話いただきました。

お召し上がりいただくまでの品質保持を徹底。冷凍をトレンドから定番としてアピールしていく(松屋銀座様)

今年8月にオープンし、大きな話題を呼んだ松屋銀座の高級冷凍食品専門売り場「ギンザフローズングルメ」。売り場責任者の今井氏から、商品選びや販売のポイントをお話いただきました。

松屋銀座の今井氏とデイブレイク春日の質疑応答

50ブランドが揃う「ギンザフローズングルメ」は、デパ地下のクオリティの冷凍食品はないのか?という声がコロナ禍に寄せられたとを受け、ご自宅でレストランの味を楽しめる売り場を作ろうとスタートしたといいます。

また今井氏は、品質や目新しさ、パッケージはもちろん、売り場で最も気を配っているはコールドチェーンの徹底だと語りました。お家に着くまでに解凍されて自宅で再冷凍されると品質が全く変わってしまうので、商品の提供方法やご案内を工夫し、冷凍状態を保ってお持ち帰りいただくことを徹底されているとのこと。最近はお客様のリピーターもついてきているので、高品質な冷凍食品をトレンドから定番の魅力としてアピールしたいと今後の意気込みを述べました。

拡散力のある店舗は、食材の背景にある環境にも目を向ける必要がある(ステーブルス様)

続いて飲食店視点でお話いただいたのは、株式会社ステーブルスの総料理長・深澤氏。ステーブルスは、ピッツェリア「800°DEGREES NEAPOLITAN PIZZERIA」の運営をはじめ、飲食店の開発・運営、食料品の販売などを展開しています。

スライド:ステーブルスでのアートロックフード活用イメージ

デイブレイクの特殊冷凍食材「アートロックフフード」をピザやドリンクで活用いただいており、採用の背景には「持続可能な社会を創るために」というメニューコンセプトがあると深澤氏はコメント。冷凍には、安定して美味しいものを仕入れられる安心感がある。それに加えてアートロックフードには産地の情報やストーリーがあり、お客様に堂々とそれを伝えられることも魅力だとお話いただきました。

さらに深澤氏は、美味しいモノを作って提供するのは当たり前で、美味しいものの背景にある想いをどう伝えるか。拡散力のある店舗は、食材の背景にある環境にも目を向ける必要があり、それらを発信することも使命だと語りました。

このほか、本場京都の西京漬店、株式会社京都やま六からも、ファミリー会を通じて高品質な冷凍鮮魚を探していると発信いただきました。

食品産業のバリューチェーンの現状と課題(クオンタムリープフードイノベーション相澤利彦氏)

最後にご登壇いただいたのは、クオンタムリープフードイノベーション代表取締役で、今回の特別ゲストの相澤利彦氏。食品産業のバリューチェーンの現状と課題、食の安心安全等についてお話いただきました。(特別講師としてご登壇いただいたため、ここでは詳細を伏せさせていただきます)

相澤氏の講演が非常に勉強になったという声が、アンケートで多く寄せられました

ファミリー会の今後の展望

最後に代表木下から一言。
立ち上げ当初から思い描いていた、ファミリー会でコンテナを埋めて海外輸出するプロジェクトも形にできる日が近いと考えている。みんなで高品質な冷凍食品を世界中に流通させましょう。ファミリー会に盛り込んでほしいものやアイデアを引き続き寄せてほしい。
と今後の展望と参加者へ感謝を伝え、カンファレンスを締めくくりました。

今回は登壇内容を中心のレポートをお届けしましたが、合間の交流会では、食材のマッチングや美味しく冷凍するコツ、計画生産のポイントなどの情報交換が活発に行われました。

交流会での様子

今後は動画コンテンツ配信を開始するほか、共同イベント出展なども検討ししています。その詳細はまた次回に。今後もファミリー会はどんどんと進化していきますので、どうぞご期待下さい!ファミリー会に関するお問い合わせはこちらへ。

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