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絶対値

私は貴方のことが迚も嫌い、だったの。
数値で表せばマイナス100くらい。そのくらい嫌いだったんだよ。でも、好きになるのはホント一瞬でそのままプラス100に大逆転。恋ってすごいよね。
頭の中で貴方が嫌い嫌い嫌いって反芻していたはずなのに、いつの間にか頭に巡るのは好きなのだから。在り来たりかも知れないけれど、貴方が魔法をかけたようにあっという間だった。それで、本当のところどうなの?
まぁ、どうせ君は教えてくれないのだろうけれどね。
君は私に色んな世界を見せてくれたね。"えいえんの"が私達の枕詞になるくらい、心も身体も一つだったの。それにもしかしたら、仄かに恋心が匂っていたのかもしれない、ちょっと恥ずかしいね。
でも境目とか節目みたいなのは私たちも周りに沢山落ちていて、たまたま躓く事だってあるの。だから、貴方が転けてしまった事だって全部説明できるよ。でも躓いても持ち直せば良いじゃないと貴方は言うけれど、それって本当なの?躓いた瞬間から、不協は始まっているよ。嘘だと思うなら自分で確かめられるのだから、自分で調べてみればいいじゃない。ぐんと伸びた数直線の上を遠くだけ見て、綱渡しているままじゃあダメだってことに、気が付いてね。不等号はいつも私たちの足元にあるのだから、0>xをとらないように。

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