耳を塞ぐ

あなたの話を聴かないよ。例えば、淡い夕暮れに手を翳してみても僕の手が染まらない様に、僕自身が何にも染まらないため。午前0時の暗闇に足を浸しても、きっと僕の色のまま。でも時には周囲からの世俗的な権威やらに縛られて上手く発色出来ないし、僕の動乱した心の底にあるのは鼓動のアンダンテでなくてはいけない。魅惑に引き寄せられて、皮膚を剥がされ白痴に戻ってしまうかもしれない。だからあなたの話は聴かないし、効かないし、訊かない。

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