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いつかギラギラする日 深作欣二監督と萩原健一たち、最後の狂い咲きアクション映画

あらすじ

うらぶれた産婦人科から出て来た女・美里(多岐川裕美)の肩を抱いた神崎(萩原健一)は、10年来の愛人である美里に「また仕事を始める」とつぶやいた。
昔の仲間で現在うつ病で入院中の井村(石橋蓮司)に話を持ちかけ、2人そろってこれも昔の仲間である北海道の柴(千葉真一)のもとへ飛んだ。
待ち受けていた柴は30歳年下の麻衣(荻野目慶子)と同棲しており、2人がよく出掛けるディスコのマネージャー、角町(木村一八)が今度の仕事の仕掛け人だった。
角町は自分のライヴハウスを持つために5千万円を必要としていたのだ。計画は洞爺湖の温泉ホテルの売上金2億円を運ぶ現金輸送車を襲うというもので、角町が加わることに神崎は難色を示したが、計画は実行され成功、4人は廃屋になっているレストラン跡にたどり着いた。
しかし2億円入っているはずのジュラルミンケースにあったのは、たった5千万の現金だけだった。
イラつく角町、失望の井村をよそに神崎がそれを4等分し始めたとき、切羽詰まった井村が血迷い、銃を片手に狂ったように札束をかき集め始めた。
そんな井村を神崎が諭した瞬間、角町が銃を発射、井村は即死し、柴も重傷を負った。柴を背負いからくも逃れた神崎は、身を案じて廃屋へやってきた美里の車で現場を離れた。
だがこれは、血みどろの死闘の始まりに過ぎなかった。 
深作欣二監督がひさびさに挑んだ痛快ギャングアクション映画。

感想など

ギャングとして生き死ぬ覚悟とプライドを持つベテランギャング神崎を演じる萩原健一、元警察官でライブハウスの開店に夢を賭ける角町を演じる木村一八、ダンディな千葉真一、エキセントリックな荻野目慶子、バイクでナンパしてくる若造を大人の貫禄で華麗にあしらう多岐川裕美の個性的なキャラクターがせめぎ合い戦う壮絶バトル、深作欣二監督お得意の過激でど派手な銃撃戦、迫力満点なカーチェイスがてんこ盛りで日本映画史に残るアクション映画です。
困難なヤマに挑み続ける不屈な神崎は、生涯アクション映画にこだわってきた深作欣二監督に重なるものがあります。特に、バスやパトカーやベンツやワゴン車が入り乱れて繰り広げるカーチェイス、萩原健一と木村一八のナイフバトル、萩原健一が乗ったワゴン車が港を包囲するパトカーを踏み潰しまくるカーチェイスなど、深作欣二お得意の流れるような荒ぶるようなカメラワークで描いていて、痛快ギャングアクション映画になっています。


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