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絶対正義 暴走する絶対正義ヒロインを山口紗弥加が怪演したイヤミスドラマ

あらすじ

高規範子(33)(山口紗弥加)は、学生のころから間違ったことを決して許さずに生きてきた。
娘の妊娠を機に専業主婦となった。
そんな範子の高校時代の友人4人も15年経ち、それぞれ事情を抱えている。
・今村和樹(桜井ユキ)は、大手出版社を退職した、フリーのノンフィクションライター。賞を獲りたくて焦っていた。
・西山由美子(美村里江)は、夫がリストラされアルバイトを掛け持ちしながら子育てに追われていた。
・理穂・ウィリアムス(片瀬那奈)は、外国人の夫とインターナショナルスクールを経営。子宝に恵まれることを望んでいた。
・石森麗華(田中みな実)は、子役タレントから女優に。独身だが、妻子ある男性と不倫関係。範子と再会したことで、同級生4人それぞれの日常が綻ほころび始めていく…。
秋吉理香子のサスペンスミステリー小説をドラマ化。

感想など

山口紗弥加演じる範子が、友人たちのトラブルを解決している時は正義のヒロインだが、友人の過ちを裁き罰していく独善的な言動が友人や周囲の人を追い詰めていく姿が、ネットなどで勝手な正義を振りかざし気に入らない人間をバッシングする現代人の誇張した姿で、山口紗弥加の鬼気迫る怪演もあり、行き過ぎた正義の怖さに背筋が凍る。
片山那奈、ミムラ、桜井ユキの演技も良かったが、田中みな実と白石聖の体当たりの演技も、印象的。
目張りや字幕の使い方がユニークで、原作にないオリジナルのクライマックスの展開は、範子たちが真の正義を模索する中で「正義は光のような温かい希望を与えるもの」であることに気づく展開は心温まるものだけど、イヤミスらしいイヤな展開を期待する人には、ちょっとぬるく感じるかもしれない。
とは言うものの、「正義とは杓子定規なものではなく、人の事情など斟酌した上で法律を越えた良心に基づいて人を救うものでなくてはならない」ということを考えるきっかけになるサスペンスドラマとして楽しめる。
「わたし、何か間違ったこと言ってる?」
U-NEXTとNetflixで配信中。






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