大天使フリッカ_強化後_

クリプトスペルズのリミテッドレジェンドカードを考えたら異文化が見えてくる

またまたご無沙汰していました、レンサです。
クリプトスペルズのリミテッドレジェンドカードが公開されたようですね。
セールの開始は6月25日からとのことで、セールするカードも順次公開されていくようです。

カード価格と最大枚数

まず大事になるのは、価格と最大流通枚数です。
リミテッドレジェンドの10万SPLは今のETH(イーサリアム)の時価から換算すると、およそ30万円相当で、ブロックチェーンゲームの最高価格カードならありえなくもない値段のようです。すごい世界だ

そしてリミテッドレジェンドの枚数は1種類につき9枚。最大でも世界で9枚しか出回らないのが確定しているというはデジタルカードゲームの文脈では異端な状況です。
デジタルカードゲームにおける度を超えたパワーカードのつまらなさは、その体験する頻度の多さも影響しており、毎回このカードを見るのでげんなりするという側面もあります。
最大流通枚数をここまで絞ると、そのカードと対戦で当たる頻度が下がるので、見る頻度の高さから来る不快感、退屈感からはある程度自由になれるかも知れないと、ちょっとだけ期待しています。

デッキ投入数の制限

クリプトスペルズのレジェンド以上のカードはデッキ1つにつき、必ず1種類まで、さらに1枚までとなっています。
これは30枚のデッキのうち29枚はゴールド、シルバー、ブロンズで構成されるということであり…

例えば、上に示した画像右下のモササウルス(9コスト8/12、実際はブロンズ)が仮にレジェンドカードだったとして、他のレジェンドはもうこのデッキに加えられません。もちろんリミテッドレジェンドも加えられません。
この仕様はデジタルカードゲームだと珍しい気がしますね。

ゲーム人口の見方

現在クリプトスペルズの登録者数は6500人を超えています。
複アカウントとか、非アクティブとかも考えればもっと減るでしょうが、それはともかく、この6500という数字をどう見るか?です。

カードゲーマー視点では「DCGというただでさえ過疎る分野で、さらにPay to Winな仕様で選民するなら上手くいくはずがない」と思われても仕方ないわけですが、ブロックチェーンゲームの文脈としてみれば6500人は「すでに好評なゲームとして見ていい数字」らしいのです。

というのもブロックチェーンゲームって、最初期にリリースされたクリプトキティーズ(猫を取引するゲーム。2017年くらい)のユーザーが100人ちょっと、みたいな世界らしいんですね。
しかも、アセットを売るだけ売ってゲームをリリースせずにおしまい!みたいなケースも過去に多発し、ゲーム性がスッカスカ、1週間の平均プレイ時間が5分を下回る、みたいなものが多かったのだとか。
それに比べればクリプトスペルズはハースライクのDCGが基本にあってオープンβで実際にゲームとして触れるので、ブロックチェーンゲーマーからするとゲーム性がしっかりしたゲームで面白い!遊べる!となるようです。

すなわち、クリプトスペルズはカードゲーマーの常識で過疎ってるとか言ってる場合じゃない超異文化領域なわけです。

カードパワー

さて、公開されたリミテッドレジェンドを見てみましょう。大天使フリッカと獅子族シュモンがこちら、フリッカはしれっと以前より強くなってますねそしてここからさらに強化が発表されました(?)

カードゲーマーからするとこの時点で超~強いと思うんですが、ブロックチェーンゲーマーからすると、「思ったよりも壊れてない」くらいの感想になるみたいで、まるで異世界転生したかのような気分になります。異文化コミュニケーション。

ではどう強いのか?をカードゲーマーの目線から見て行きましょう。

大天使フリッカ

文明は白
種族は天使
5コストで攻撃力10/体力10召喚時と死亡時に全ての味方を全回復する効果を持ちます。
全ての味方というのはプレイヤーと味方ユニット全てのことなので、それを完全回復する効果が2度発動するというのは回復系カードの中でも間違いなく最高峰の力を持ちます。
ステータスの比較対象は「霧の巨人」で、こちらは7/7/7です。一回り以上にデカイ上にフリッカにはデメリットも制限も全くないどころかメリット盛り盛りの効果です。見る人が見たら失神します。

これからカードプールが増えていった時、除去が強く豊富な環境になると評価が下がり、タフなユニットを体力ギリギリで生き残らせやすい環境なら評価が上がるでしょう。

獅子族シュモン

文明は緑
種族はビースト
7コストで攻撃力6/体力4、速攻(場に出てすぐ攻撃できる)かつランダムな4コスト以上の中立のビーストユニットを2体場に出す効果を持ちます。
現時点で中立のビーストは10種類で、一番小さいユニットは1/1/1(速攻)、一番大きいユニットは9/12/8です。
大当たりは6/4速攻+12/8+12/8ということで、まあメチャメチャなステータスです。
4コスト以上という限定が入ったことで一番の外れでも3/3が2体となり安定感も増しました。

これからカードプールが増えていったとき、巨大な強いビーストが増えれば評価が上がり、外れ枠のビーストが増えれば評価が下がるでしょう。

そして、さらなるリークが来る

そして公式からの意図したリークとして以下の画像が公開されました。
要はフリッカの回復から大ダメージが出せるスペルと、追加の超デカイビーストで、リミテッドレジェンドのポジ要素です。
煽りますね~

使われたとき、どう思うのだろう?

正直言って、使われてメタクソにムカつかなければいいわけですよ。
個人的な感想を言えば、クリプトスペルズをやる時よりも、ハースストーンで無限に爆弾を引かされたり無限にトレントを倒す羽目になったりするほうがムカつくししんどいんですよね。
あと双呪文もしんどい。同じ呪文(しかも結構便利)が必ずもう一回飛んでくると分かるしんどさも心にズシッと来ます。
パワカをコピーや復活で使いまわすもしんどい。

クリプトスペルズのリミテッドレジェンドは1種類が多くて9枚、かつデッキの中の30分の1、しかも1回出して倒されれば終わりという条件が整っており、仮に「不快感=カードパワー×出現頻度」という等式が成り立つならば、9枚しかなくてデッキに1枚までの制限があるなら、案外強くても不快感という意味では大丈夫なんじゃないかな~と期待してます。
(完全に出される側の心配になるあたり、カードゲーマーだなと思います)

最後に

いや~どうにも異文化だと思います。調べまわるとそれはそれで面白かったですね~。

さて、最後に環境予測をすると、ゲーム環境の中心はデッキ投入制限が無く、流通数もある程度多いゴールドのカード(1種類につき999枚)になる気がしますね。
マジック・ザ・ギャザリングの強力さゆえに高騰しているカードの値段は、(虚空の力線が再録決定して起きた値段変動を見る限り)数千円あたりを上下しているようなので、ゴールドの値段あたりはカードゲーマーのリアリティにも近づいた金額なのかも……?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?