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Cryptospellsの競技性についての個人的な見解

※あくまでも1個人の見解です。運営の方針そのままというわけではありませんし、運営メンバーにもいろいろな考えを持つ方がいます。しかし議論の材料としてテーブルに乗せておくべき、という考えでこの記事を書いています。…これ守秘義務とか大丈夫なのか?

クリプトスペルズ公式がこのようなアンケートを取っていたのですが、これに対して「いやBO3だろ」という突っ込みを入れている人がいて、私は「さもありなん…」と思って筆を執りました。
ちなみにこれ、「公式大会の競技性の高さ」とは一言も言っていません

果たしてクリプトスペルズとその競技性はどういう姿を取っていくのでしょうか?

結論から言うと…

クリプトスペルズの公式大会でチーム形式でないBO3やBO5をするのは難しそう。そういう拘束時間の長い大会はユーザー側から盛り上がってほしく、そうなれば運営は主催や盛り上げの立役者に大きなインセンティブを与えることも可能。

ところでBO3とかBO1って何?

詳しい説明に入る前に、BO3ってのが何を意味するのか?を軽く説明します。
BOとはbest of の略で、例えば英語でBest of three gamesといえば3本勝負と訳されます。これを略してBO3と言っているわけです。

BO1 :1本勝負のこと。最大1戦のうち、先に1勝したほうが試合に勝つ。
BO3 :3本勝負のこと。最大3戦のうち、先に2勝したほうが試合に勝つ。
BO5 :5本勝負のこと。最大5戦のうち、先に3勝したほうが試合に勝つ。

クリプトスペルズ公式大会の持つべき特性

クリプトスペルズ公式大会の持つべき特性をどう考えるか?という問いについて、私はこのように答えます。すなわち「不平等・資産・ワンチャンス」の3つです。

まず「不平等」
これは、クリプトスペルズの理念の一つ「不平等なカードゲーム」です。公式からは既存DCGのような平等さを作らないということです。
公式大会では「不平等なカードゲームであることを担保した」大会にする必要があります。
ちなみに、「不平等を目指して作ったゲームをユーザーの独自ルールや制限で平等にすること」は可能ですが、その逆の「平等に出来たゲームにユーザーが不平等なカードを導入すること」は難しいとも思っています。

次に「資産」
クリプトスペルズでは価値棄損を起こさせないためにカード資産差が如実に出ます。
高額で数枚しか出回らない超強いカードを大手を振って大会に投入することができますし、デッキ登録が無く、1対戦ごとにデッキを編集可能なのも大金をかけて得た豊富なカード資産が有利につながることを目的としたレギュレーションでしょう。

最後に「ワンチャンス」
クリプトスペルズは採掘で自己の資産にすることが可能なシルバーが出るように、ワンチャンスが用意されたゲームですので、大会でもそれが起こりうる余地を残すべきと考えます。
ワンチャンスが出る形式にするには、ドロー運の差が出てジャイアントキリングが1回だけ起きても試合に勝てるようにするためにBO1(1本勝負、決着は1戦で済む)が妥当という結論になります。

さらに、ブロックチェーン大会運営上の問題として「拘束時間」の問題は絶えず付きまといます。参加へのカジュアルさを担保するためにも長い拘束時間を必要とするBO3(3本勝負、決着に最大で3戦かかる)以上は難しいのです。

既存DCG大会の競技性

では既存DCG大会の競技性はどうなのでしょうか?私はこのように答えます。すなわち「平等・構築・プレイング」の3つです。

まず「平等」
これは主にカード資産差の平等です。
競技シーンのプレイヤーは品切れの起きないカードパックとクラフト機能によって誰でも最高レアリティの入手へアクセスできます。比較的に安価に全カードプールの使用を解禁され、カード資産の差は平等になります。

次に「構築」
デッキ構築の巧みさが勝敗を分けることを求められます。これは大会に持ち込むまでのデッキ構築研究の練りこみや、大会環境のメタ読みなども含まれます。
そのため、競技性の求められるDCG大会ほど事前にデッキを登録し、大会途中でのデッキ変更、編集はできないレギュレーションとなります。

最後に「プレイング」
プレイングとはゲームのやりこみや経験値、勝負勘による戦術判断のことで、これらプレイングが勝負を分けるべきであるという考え方です。
そうなるとドロー運の差が出すぎることを排除するため、決着までに複数回の対戦を要するBO3や、1度負けても決勝進出の目が残るスイスドロー予選などを導入するのが妥当となります。

DCGの競技性とクリスペ公式大会は相容れるのか?

で、出来ねぇ…
少なくとも私にはどうやっても、「不平等・資産・ワンチャンス」と「平等・構築・プレイング」というこんなに正反対なものを上手に混ぜ合わせることは出来ません。

しかし!ステークホルダーという考えがある!

クリプトスペルズ全体のコンセプトには「ステークホルダー」という考え方がります。ここでは、コミュニティ大会の主催者のことを指します。

ユーザー主導で「既存DCGで尊ばれる競技性」を掲げた大会シリーズを開いて、それが公式大会よりも盛り上がり、公式大会よりも権威性を持っても運営はそれを歓迎してインセンティブを与えることが出来るし、それがクリプトスペルズの運営姿勢としても正しいのです。

既存DCGのユーザーの考え方も共存できる余地があるというのは、新規ユーザーの獲得にもプラスの影響があると期待しています。


オマケ:私がそういう大会を開くなら

ここからはオマケですが、もし私がクリスペで競技性ある大会を開くなら…というちょっとした妄想です。

まず構築制限にシルバー、ブロンズカードのみでデッキ構築という制限を設けます。これで不平等なカードプールの中、ユーザー主体の制限ルールでほぼ平等なカードプールを担保できます。
1敗までOKのスイスドロー形式の予選大会と、シングルエリミネーションの決勝大会の2部構成で、全試合BO3。
デッキは事前登録制で、大会運営からの発表でデッキを公開した状態でスタートします。場合によっては色の違う2デッキ登録で、両方のデッキで1勝ずつで勝ち抜けという条件を付けるのもアリですね。
拘束時間はゴリゴリに長く、おそらく2日にわたる日程でおこなわれるでしょう。
また、この形式で行った大会で優秀な成績を残したプレイヤーだけ出られるチャンピオンシップみたいなことも1年に締めとしてやってみたいですね。

(個人名義で開きますって言ったら多分通るしインセンティブももらえるんだろうけど、運営するのめちゃくちゃ大変そうだし、仕事と並行してやったら頭と体が爆発しそう)


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