私の母は80歳です。実家の青森で一人で住んでいます。趣味は畑仕事。スーパーおばあちゃんです。朝は５時に起きて家中を掃除しまくり、洗濯機を回し、新聞のお悔やみ欄を読み、車で畑に出かけていきます。

母は元々くせ毛で髪の毛も細く、40代の時はすでに薄毛で強いパーマをかけて、少しでもボリュームが出るように苦心していました。それでも、地肌が見えるくらい薄毛でした。よく父に「髪の毛に色々やりすぎるからハゲるんだ」と言われてました。本人も一番の悩みだったと思います。

私が鍼灸師になった時に、まずは母が実験台です。その時は母は76歳。脊柱管狭窄症で腰も曲がって、それでも畑が好きで続けていました。なぜか畑に行くとシャンとすると本人が言ってました。

2,3ヶ月に一度青森に帰ってはりとお灸をします。ほぼ1日おき。よっぽど私が信用できないのか「もう年だから、何やっても治らない」といつも言ってました。でも、はりやお灸をしてすぐに立ち上がるとすごく背筋が伸びているのです。それに施術後は血圧が下がっています。それなのに、「血圧が低いからもう一回測る」と言います。高血圧の数値が普通なので、本人は信じられないのでしょう。

治療を始めて１年で曲がっていた脊柱はほぼ真っ直ぐになりました。動きやすくなったし、疲れにくくなったと言っています。せっかく真っ直ぐになったのに、体の癖で少し前屈みです。

体の次は髪の毛。

地肌が百会（ひゃくえ）というツボから稲光のように、頭全体に地割れみたいなスジがわかります（触診でわかります。普通にはわからないと思います）てい鍼という刺さないはりで、丁寧に地割れを治します。

地肌がピンク色でうっ血しているのがわかります。側頭筋が非常に硬いです。地肌全体も硬く、はりを刺してもすぐに転んでしまいます。「こんな硬い頭初めてだよ〜」と言うと「もう年なんだから、今さら髪の毛が増えない」と言います。

そんな母もふっさふさに毛が生えて、実の妹に「髪の毛増えたよね〜、私より多いなんて」と言われて気をよくしています。

もう年だから無理だよね〜

いえいえ、本人が少しでもその気があればお手伝いいたします。

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