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言葉にできないものを大切にするために言葉にするのだ

最近私は自分が好きになる人のマインドマップを作った。

頭の中が整理できていなかったり、モヤモヤしたりするといつも決まって吐き出したくなる。

ドチャァっと吐き出して文章にはなっていないものや言葉の羅列を書いていくことで、脳みその中身をひっくり返して空っぽにしたい衝動に駆られる。

それがメモだ。
悩んでいる時や自分の中に情報量が溜まってきた時、自分にとってのアウトプットの一番の方法はこうやってnoteに自分の考えをまとめること。
だけど一応noteには見てくれる人がいる。曲がりなりにも伝える気持ちで書かないと読んでくれた人に失礼だと思うので、一応伝えようとして書いている。

だけどnoteにできるのは書いていくうちに整理された思考だったりするので、書いていて逆に収集がつかなくなってしまうことや、ていよくまとめようとして「なんか本当に言いたかったことってどこにいったんだっけ?」と見えなくなってしまうことがある。

だから、メモにすることは私の居場所であり、精神安定剤だ。
A4のノートを置いてペンを走らせて、言葉を綴っていく。

言葉を綴るのは私の感情表現方法の一つだった。

例えば、話すという行為には相手がいる。相手の状況に合わせて話を変えたり、起こった出来事の話すところ、話さないところも変えたりする。
でも文章は書いている時は一人だ。だから文章を書いている時は自分の気持ちと向き合える。書き終わって、ネット上にリリースしたらどこかの誰かの目に止まっていいねという共感のハートがもらえる。
そのあまり目的がない、ゆるいコミュニケーションが心地が良い。

話を戻すと、私は自分が好きになる人のマインドマップを作っていた。
私は大人になってからというもの、人を好きになる機会が学生時代よりも減っていった。私の人を見る目が鍛えられたのかどうかはわからないが、つまり、私にとって私が気になる人や好きかもと思える人はかなり貴重な存在だった。だからそういう存在に出会うと、その素敵な人たちのことを忘れないようにこの人のこういうところが好きかもしれない、と書き留めようとする。

マインドマップを作ったという話を最近結婚した知り合いにしたら、「恋愛はフィーリングだよ。そんなに考えないよ。」とか、「言葉にすることでその定義に当てはまらないものを排除してしまうかも。例えば日本語で"強い"と言っても英語で"strong"だとニュアンスが変わってきたりするから」とか言われた。

恋愛はフィーリング:自分が一緒にいて居心地がいいか(会話のスピードだったり、自然体でいられたり)
ということがとても重要なのはすごくわかる。
言葉にすることで、逆に自分が感じた感情の言葉にできない部分をこぼしてしまうという危険性もわかっている。

それをわかった上でなぜ言葉にしていくのか。
それはやっぱり、言葉にすることが私にとってとても大切で、自分自身を救っているからだと思う。

私は小さい頃から一発でうまくいくことなんてない人生だった。できないことばかりで、そのためにどうすればうまくいくのかを考えた。考えるのに必要なのは言葉にすることだった。言葉にすることで現状と理想のギャップを理解できて、それを埋めるための行動ができるようになる。

言葉は理性的でロジックだ。対して恋愛は心や感情でするもの。年収が良いとかいい大学を出ているとか、いい企業に勤めているとか、条件で見て、理性で良いと判断しても、その人に対しての興味が出るか、その人に心が動くかは全く別問題。

一見相反するものに見えるけど、自分が相手に感じた違和感や、この人素敵だなあと思ったところを考えて書いてみると、相手に感じた違和感は私の倫理観や価値観と反するものだったり、人生を生きる上でのスタンスが合わないなと感じるものだったり、素敵だなあとおもう人は私が大切にしたい価値観を持っていたり、それを大切にしようと思っている人だったりした。

だからたぶん私にとって大切なのは、人と一緒にいる時の自分の感情をちゃんと大事にすることと、その人と一緒にいない時やふとした時に冷静に一緒にいたいかを考える理性なんだと思う。その人と一緒にいる時間を大切にするために、私はその人と一緒にいて自分が何がハッピーかを言葉にして自覚することで、より一層一緒に過ごしてくれる人の時間に感謝したい。

言葉にすることで、溢れ落ちてしまう感情があるのは知ってる。でも私は忘れっぽいから、言葉にしないと、楽しかった思い出もなんで居心地がいいと思ったのかも全部忘れてしまいそうで怖い。全ての経験を覚えておくことはできないから。だから大切なものは言葉に残しておきたい。言葉に残せば、それに紐づいた感情も思い出すことができるかもしれないから。

例えば、過去に好きだった人で、今はその感情を思い出せなかったとしても私がその当時その人のことを好きで、少しでも自分に必要だと感じていた事実、その人の存在が私の人生に入り込んで生き方に影響を与えている事実は変わらない。

今まで言ってた言葉にしたり、メモをするという話と逆説的になってしまうかもしれないけど古賀さんと糸井さんの対談記事でとても心に残ったフレーズがある。

残らなくても、それは「あった」んだよ。それが「あった」という事実は、ぜったいに消えないんだよ。残そうなんて、しなくていい。だって、それはほんとうに「あった」んだから。ぼくも、あなたも、それが「あった」ことを知っているんだから。だから、なんにも残らなくても、ぼくは平気です。

学校では教えてくれない勇気の授業 第11回 あったことは絶対に消えない 糸井重里さんの言葉


忘れないためにメモをする。でも忘れてもそこにあったことは変わらないから忘れてもいい
言葉にならないものを大切にするために言葉にする。言葉にすることでこぼれ落ちるものもあるかもしれないけど、言葉にすることで記憶が紐づく

ちょっと難しいし、人にはわかってもらいづらい感覚なのかもしれないけど、でも私は私らしく生きるためにこの感覚を大事にしたい。

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