見出し画像

知らないうちに英語が好きになっていた

「私は英語ができないから」を言い訳にはできないくらい英語ができるようになってしまった、と気づいた9月のヨーロッパ旅行。

高校の時は、学年でワースト10を抜け出したことはないほど英語ができないという自覚があったのに、随分話せるようになってしまった。
というか、テストでいい点を取ったり、文法の単数形/複数形を間違えずに言えたり、発音をネイティブのようにかっこよく言えることが英語ができるということではなく、自分の考えていることが相手に伝われば英語ができるという考えになってから私は英語がめっちゃできるようになった気がする。

フラストレーションは伸び代

私はとにかく主張が強め、おしゃべりをしたいという人間だったので、語学留学時代、しゃべりたいのにしゃべれないという状況は非常にフラストレーションだった。その当時は、とにかくしゃべりまくって、伝わらなかったら「もう!なんで伝わらないの!!」と理不尽な半ギレをしながら、より良い表現を探して、次からはその表現を使って再チャレンジするハングリー精神の塊だった。

通常9ヶ月かかる語学学校のクラスアップを6ヶ月で一番上のクラスまでいくことができて、3ヶ月短縮で卒業した。我ながらものすごいスピードで成長していったように思う。


話せなかった時に自分の言っていることが通じたという感動を思い出せない

「人はできるようになったらできなかった頃の自分を思い出せない」ということを仕事で最近言われたが、私の今の英語の状況はまさにこれかもしれない。
カナダやオーストラリアでカフェの注文もままならなかった頃に比べると、日常会話には困らないくらいまでにはだいぶ話せるようになった。いまの私の英語は全く完璧ではないが、ある程度通じてしまうので、もっと話したい、もっと伝えたいというモチベーションがなくなってしまったように思う。

日本に帰ってきてから英語を話す機会が全くなくなってしまったので英会話をやったり、海外の人が住むシェアハウスに引っ越したりした。だが、日本という環境にいる以上、英語を喋ることについて自分を追い込めないなというのを感じてしまった。

最初の方英語ができなかったシェアハウスで一緒に住んでいる外国人の友達が、日本語を一生懸命勉強して、日本語で会話できるようになっていくことには本当に尊敬する。そして自分が海外にいた頃に必死で英語を勉強してできるようになっていった姿と重ね合わせて懐かしく思う。懐かしがってる場合ではないのに。留学先ではあれだけ日本人と絡まないように、日本語を話さないように徹底していたのに。

なんで英語が好きになったんだっけ?

そもそも英語力を上げたいと思っている一方で、仕事では使わないし、テストを受ける予定もないのに、なんで英語力あげたいんだっけ?と考えると、私は日本語を話している時よりも英語を話している時の方が心地がいい、だからもっとボキャブラリーとか表現を増やして、自分の考えを豊かに相手に伝えられるようになりたいし、相手の言っていることも理解したい。英語を英語のままで理解したい、と純粋に英語が好きなのかもと思う気持ちに気づいた。知らないうちに「英語なんて伝わればいい」という気持ちから「もっと豊かに自分の考えてることを伝えたい」という欲が出てきていた。

好きなことを好きって認めるのは、私にとっては意外と難しいことだから、あまり認めてなかったけど、いつの間にか、英語を話すことが好きになっていた。

言語は思考をつくる。日本語よりもよりストレートな英語の表現は、私の性格に合っていた。

留学時代に触れた私が好きな英語表現たち。

You're so beautiful.
→なんかとにかく言われた。ことあるごとに言われた。You areがつかなくてもめっちゃbeautiful使うから毎日言われたと思う。

He doesn't deserve you.
→恋愛でうまくいかなかったときに言われた。直訳すると「彼はあなたに値しない」deserveは価値があるという意味だけど、あなたには価値があって、彼はそれには見合ってない(だからさっさと忘れな!)みたいな

Don't waste your time.
→これも恋愛でうまくいかなかった時とか、なにかイライラしてるときに言われた。直訳すると「時間を捨てるな」で、あなたの時間は貴重なんだからくだらないことに時間使わないの!というニュアンス。

Life is too short to do what you want.
→シェアハウスのアーティストから言われた言葉。以前は映像制作、当時は画家、今はタトゥーアーティストというfollow your heartマインドで仕事をしている彼女に言われたからより言葉に力がある。

英語を使う人たちには「自己」がものすごくある。
英語は主語を省略することがほとんどない。会話でも、「自分がどうしたいか」「自分がどう思っているのか」を主張するし、私も「あなたはどうしたいの?」「あなたの考えは?」をとにかく聞かれた。
そういうコミュニケーションをとっていると、周りの人から尊重された気がして嬉しかった。

結構好きなマザー・テレサの言葉がある。

思考に気をつけなさい、それは、いつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それは、いつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それは、いつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それは、いつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それは、いつか運命になるから。

マザー・テレサ

言葉と思考は紐づいている。自分の扱える言語が増えるということは、それだけ自分の考え方とか思考も広がる。

留学に行く前までは、恋愛でうまくいかなかったとき、「何か自分に落ち度があったんじゃないか?」「悪いことをしてしまったかな」と自分への問題を感じてへこみがちだった。だけど、留学を経て、英語という言葉を通して、恋愛でうまくいかなくても、「自分は悪くない、相手に見る目がなかっただけ」という最強マインドを手に入れた。

もちろんうまくいかなくてへこむことはあるけど、この考え方を手に入れたおかげで恋愛をするのにもだいぶ勇気が出るようになったし、生き方も結構楽になった。自分に価値を感じて生きるって大切ね。

「留学で自分の価値観を変えることは難しい」と書いた4年前の自分に伝えたい。まちがいなく留学生活は私の今の価値観を形成しているよ、と。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?