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12. かわいいはつくれる、から8年


かわいいが多様化してかわいいのインフレが起こっている現代。

現代でかわいいの定義することは難しい。色がポップなもの、小さくて愛しいもの、映えてるもの、気持ちの悪いものでさえもかわいいというような使い方をされる。

でも、私が中高生の時使われていた「かわいい」はもっと限定的なニュアンスだった。今夜はかわいいの変遷について個人的なかわいい革命を思い出しながら、書いていこうと思う。


①かわいい=顔の美醜 時代

「かわいいはつくれる!」

なんの場面だったか分からないが、高校で先輩が余興のネタかなにかで言った。オチに白い粉をかぶって言った言葉が顔が一切見えない状態で当時馴染みのあったCMかなんかのフレーズを言ったものだから、会場は大爆笑した。


あの当時の「かわいい」は生まれ持った「顔」であった。

その当時、中高生だったからかもしれないが、ドラマやTVで活躍する芸能人を見ては「かっこいい~~!!」「え~~かっこよくないよ!!」「かわいい!!」「え~そう??」という話で毎日盛り上がっていた。



②かわいい=雰囲気 時代


かわいいってのはね、メイク、髪型、服装のことの雰囲気なの!

これは大学1年生の時にオシャレな先輩に言われた言葉だった。中学高校は柔道しかやっていなかったので、周りがメイクをし始めるもやり方も分からず、メイク道具もカラーリップくらいしかもっていなかったころだ。

「え、先輩、かわいいって本来持つ人間と持たざる人間がいる天賦の才ではないんですか!?」

と衝撃を受け、先輩とのごはん後にメイク、髪型、服装、メイク、髪型、服装、メイク、髪…と復唱しながら帰った。


③かわいい=自分に合うメイク 編

大学で出会ったかわいい友達は、もともとの顔面もなかなか整っている人ばかりではあったが、メイクもうまいのでもうかわいい×かわいいで10倍かわいいだった。

彼女たちは高校時代からメイクの練習をしてきていて、私からしたら熟練の職人のようだった。

そして彼女たちがyoutubeやデパコスの店員さんたちにメイクの方法を聞いて、毎日毎日自分に合ったメイク方法を探していることを知った。

「ㇵッ…!!たしかにこれは努力のたまものだ...!!」

かわいいは生まれ持ったものだと思っていた自分の怠惰さを実感して、そこからちょこちょこメイクを見て、やり始めるようになった。

最初はリップに500円出すのもしぶっていたが、いまでは2000円も惜しまずに出せる。

④かわいい=自分に合う洋服 編

母がアパレル店員で洋服がとにかく好きだったので、小さい頃から洋服は全て母に買い与えられていた。母のかわいいのセンスがそのまま自分のかわいいのセンスになっていた。

何事も基本の型が分かってアレンジしてこそセンスが出るもの。

しかし母からもらっていたネ・ネットというブランドはデザイナーズブランドでかなりユニークだった。T-shirtにこのゆるキャラがプリントされてたり、動物がいる率が高い。よって友達とかに今日は服に動物何匹いるの?とか聞かれてたりした。笑

ほんとにかわいい。ほんとにかわいいのだが、私の着こなし方は店員さんの着こなしとはなんかズレていた。服自体はかわいいのに自分が着るとなんか違うという違和感が大きくなっていったのが大学生に入ってからだ。

そこで、ネ・ネットを着こなせるくらいのおしゃれセンスを身につけるために、いったんネ・ネットとは距離を置き、ユニクロやらGUやらでシンプル、大量生産系女子になることを目指した。

(でも去年、ネ・ネットがなくなることが発表された。小さい頃から慣れ親しんでいたブランドだからほんとに、ほんとに悲しい。)


⑤かわいい=自分に合う髪型 編

私は天然パーマで小学生の時はガチでアフロだった。(当時はめちゃめちゃ嫌だったけど、写真を見返すとちょっとかわいい笑)

そんな天パも年齢を重ねると落ち着いてきたが、髪の毛がまとまらないのでヘアアイロンで伸ばす作業を毎日毎日毎日していた。

当時、バイト先が渋谷だったこともあり、13時から始まるバイトの前に髪を切ろうと新規割があった適当な店にはいった。店内はとてもオシャレで美容室の匂いがした。店員さんも渋谷だったからかおしゃれで入った瞬間にパァァァという効果音がなった。

「きょうはどういう髪型にしますか?」

「ストレートパーマとカラーをしてみたいのですが、、、」

天パは私のアイデンティティだったが、同じサークルのくせっけでロン毛だった男の子が髪を切り、POPEYEに出てそうな男の子に大変身してものすごく評判だった。「俺もアイデンティティだったけど、みんなが切れっていうから切った。切ってみてやっぱりいやだなって思ったら前の状態に伸ばせばいいだけだし」と言っていたので決心してきたのだ。

美容師さんは、「まかせて!めっちゃかわいくするから!」と言った。

自信満々にかわいくするっていえるってすごい。。。さすがプロだ。。。と思いながら小学生ぶりのショート&ストレート&茶髪になった結果、いままでと違う雰囲気になった。

「す、すごい。。。髪の毛ってめちゃめちゃ大事ですね…!!」

「そうだよ~2ヵ月に1回くらいはお手入れしにきてね~💛」

と言われ、今まで髪の毛を全然気にしなかったのにその日がきっかけで髪のアレンジにも興味が出るようになった。


⑥かわいいはつくる 時代

去年、NiziUにハマり、その過程でTWICEのファンにもなった。

今までアイドルとかにハマったことはなかったのだが、TWICEの動画はずっと見てしまった。Kpopアイドルはしょっちゅう髪色も髪型もメイクも変わるので、鶏並みの記憶力を持つ私は全員を覚える前にいつも離脱してしまっていた。

でもTWICEはずっと見ていたかった。もちろん全員かわいいし、ダンスが美しいし、タレント性もあるし、とにかくファン想いであることが本当に魅力的だった。とくにモモのダンスはどこで再生をストップしても美しい。角度、ポージングでも全てが美しいのだ。だからずっと見ていられる。


TWICEのサナ、モモがNiziProの審査員としていたが、TWICEも同じようなオーディション番組で生まれた。NiziProはJYP事務所関係なく全国でオーディションが行われたが、TWICEはJYPの事務所の養成所にいる子たちが競い合っていて、最高で10年養成所にいる子もいた。圧倒的な忍耐力と努力。

それをTVの向こう側で見る人間、ファンたちは知っているからこそ、TWICEを「顔だけじゃん」という人はいない。


NiziUのみいひちゃんがNiziProで鏡で自分がどの角度から見えるのがきれいか確認すると言っていた。Kpopアイドルも自撮りで一番自分の盛れる角度を知っている。

何台もあるカメラで全ての瞬間映りをよくするというのは並大抵ではない。練習して、洗練させていくのだ。

私は以前、ワコールのイベントで水原希子ちゃんに質問するビックチャンスをもらえたことがある。

私「自分の似合う服が分かりません。どうやったら自分に似合う服が分かるようになるんですか?」


希子ちゃん「いろいろ試してみる。自分であんま着ないな~と思った服でも意外と似合うかも!ってなることあるから。あとは友達からすすめられた服を着てみるとか。」

私はクールな希子ちゃんもかわいい希子ちゃんも好きで、その振り幅の広さにいつも驚いていた。だけど希子ちゃんが答えてくれたことは「かわいいを自分でつくっていく」作業と全く同じことだ。自分の思っている範囲外のものを試すときに発見があるし、新しい自分を見つけることができる。


TWICEは髪型、髪色がしょっちゅう変わる。シルバーピンク、ブルー。姫カット、ツインテール。



多くの芸能人、いまではyoutuberがどんどん美しく、かっこよく、垢抜けていくのは「多くの人に見られる」という仕事の特性もかなりあると思う。

振り幅がある人は本当に魅力的だ。TWICEも希子ちゃんもいろんな側面が見れてすきだ。モデル、アイドルなら特にメイク、衣装、髪型も希子ちゃんが言ってたように自分では選ばないだろうというものにもチャレンジすることが多いだろう。そのチャレンジしてお、いいじゃん!と思ったものが彼女たちの振り幅を増やしていくんだろう。


だからかわいいは自分で見つけて、つくっていく時代。

何年も前の「かわいいはつくれる」というコピーがいまになっても、数年前とは違うかたちで響いてくる。


【今日のおすすめBOOK】

普通のニットを着ているのにセンスがあると思われるAくんと流行は追っててファッションスキなんだろうなってわかるんだけどなんかごちゃごちゃしてるBちゃん。その違いはどこからくるのか?読めばわかります。






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