共通の趣味で彼氏にダメ出しされた話。

私の趣味は登山だ。
しかし、元をたどると写真にいきつく。
絵を描くのが好きだった私は、コンデジでの撮影からいつしか一眼レフにバージョンアップしていた。
電気屋にいったらうっかり一眼レフを買ってしまい、母の度肝を抜いたのもいい思い出だ。
また写真はナチュラルボーンモラハラの元パートナーとのきっかけでもある。
しかし5年の間に、彼にいろいろ言われた。後半はすっかり撮ることがつまらなくなり、カメラを持ち歩くのも億劫だった。楽しい時間を残すための写真が、思い出すだけではらわたが煮えくり返るものになってデータを消したのは何回もある。
「君くらいの写真は誰にでも撮れる。個性がない」
「君の撮る写真はつまらなくなった」
「下手になったよね。どうして?」
そんなもの私が聞きたい。10年来の私の趣味をけなして何が楽しいのだろうか? 別れる直前の数か月はほぼほぼ惰性で撮っていた。
趣味は時としてカップルを強く結びつける物だが、デメリットも大いにあると知った。

今は部屋の整理整頓中だ。
その中で、過去に撮った写真を見つけた。
彼と出会う前に撮った写真だ。
撮るのが好きで、花が好きで、楽しくてたまらなかった頃。
部屋に飾ろうかととっておきの写真をプリントして持っていた。
望遠レンズで花をアップにしただけの写真。
ただただ普通のキットレンズで撮っただけの写真。
それでも、当時の私がこれを残したい、そう思って撮った写真だと思った。
今、同じような写真が撮れるだろうか?
天気がよい日の桜が綺麗だとは思えない。
桜吹雪に切なさを感じない。
花を見たいと思わない。
また、あの頃のような写真を撮ることができるようになるだろうか?

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