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人を殺さない日

 
「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、コレゾナナクサ」
 
呪文のようや言葉が頭に浮かぶ。
幼いころに意味も分からずに覚えたフレーズは時が経っても色あせない。
 
年末年始の長い連休があっという間に過ぎ去って迎えた本日は七草がゆの日ということで、晩御飯はおかゆにした。ここ数日でお節にすき焼きに寿司と重めのご馳走が続いた胃にはちょうど良い。優しい味に癒された。薄味のおかゆはだれも傷つけない。
 


調理している合間になんとなしに七草がゆの由来をWikipediaで読んでみたら、1月7日は端午や七夕とならぶ五節句の一つで「人日(じんじつ)」といい、人を殺さない(犯罪者に刑罰を行わない)日ということらしい。

古来中国では、正月の1日を鶏の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪(豚)の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日とし、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしていた。そして、7日目を人の日(人日)とし、犯罪者に対する刑罰は行わないことにしていた。
 
また、この日には7種類の野菜(七草)を入れた羹(あつもの)を食べる習慣があり、これが日本に伝わって七草がゆとなった。日本では平安時代から始められ、江戸時代より一般に定着した。人日を含む五節句が江戸幕府の公式行事となり[1]、将軍以下全ての武士が七種粥を食べて人日の節句を祝った。
 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E6%97%A5


 七草がゆは、ハッピーなニューイヤー早々の・ラッキーセブンで・人を殺さない日に・ベジタリアンで・だれにもやさしいおかゆを食べる、というなんともピースフルなイベントではなかろうか。
 
 渋谷の交差点でみんなが七草がゆを食べはじめたら、世界は少し平和になるかもしれない。

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