見出し画像

7年

自転車で約20分。

家をでると大きな川がある。橋を渡る途中、今日チェックしてもらう仕事の出来の悪さに、このまま川へ飛び降りたい。と思う。

徹夜で思考したDMも、何が正解かわからない。あっという間に朝がきてしまう。自転車をとめて、会社のビルに入り急な階段をのぼる。朝ごはんも食べていないから3Fにたどり着く頃には頭がぐわんぐわんする。

会社の入り口の壁には、B1のポスターがたくさん貼られている。湿気でぶよぶよになっているから手で少し広げる。「行きたくない」とドアをあける。

アルバイトだった出社が、社員での出社に変わる。打ち合わせで街へ出て夕方。直帰はできない。会社への帰り、寄り道が得意になる。ご飯を食べてから戻ろう。会社の目の前の複合施設はすべて把握している。毎日、お昼も夜もご飯でお世話になっている。疲れた時は優しいたまごカレーを食べた。お昼、おにぎりの販売カーでおじさんと喋る。「相変わらず忙しいのかい」パソコンの前で食べるおにぎり。忙しい時の味方。

お昼ごはんがてら、社長にデザインをチェックしてもらう。言われた通りのことをしたつもりが、それではサプライズが足りなかったようで「そろそろしっかりしてよ。」と諭される。ラーメンすすりながら泣いた4年目。

トイレへいくための廊下で先輩と立ち話。ついつい盛り上がりすぎて笑い声も、スリッパの音も響く。

徹夜明け、先輩と朝日を見に屋上へ行った。眠たかった。

心許しあう同期。カフェで夜何時間も。お互いの気持ちを話し合う。青春だった。会社へ戻ると、付箋だらけに。

展覧会で作るデザイン。もはや自分がなにを作りたいかを見失い
そもそも、元々作りたいものなんてあったんだろうかと問う。

評価に追われるばかりで、「らしくない」と放たれた私の時間。

あれから6年



来年で、独立7年目に突入する。
勤続7年と並ぶ7年。
もうそんなに経ったのか。
会社員の頃の7年は長かったのに。

7年目
評価に追われることもなくなり、らしさなんて考えずにデザインしているが
そろそろまた、自分がなにを作りたいのかを問う時期になってきたかもしれない。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?