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同じものを見ても (2022/6/13)

記事の長さはおよそ1,800文字。3~4分程度で読めます。

【くらし探検隊】
漢字 日本で使うのは4%だけ
本当は6万字・・・広くて深い世界

2022/6/11(土)日本経済新聞朝刊

記事のポイント

  • 日本で2010年に改訂された常用漢字表に載っている漢字は2136。この表は固有名詞や専門用語は対象外。文化庁によると、常用漢字は日常的に使われる漢字の96〜97%をカバーしている。

  • 漢字は何文字あるのか。立命館大学の大杉教授に聞くと、中国の包括的な漢字の辞典「漢語大辞典」に載っているのは約6万。日本の常用漢字はこのうち4%弱に過ぎない。

  • 漢字の起源はおよそ3000年前の殷王朝時代。骨のひび割れを伸託として受け止める占術で、吉凶を表すひびの形「卜」が「占い」を意味するようになる。甲骨文字の誕生だ。

  • これを受け継ぎ、殷後期や周の時代には青銅器などに鋳込む銘文に使う「金文」が出現。それが漢字に発展する。象形文字のみならず、意味と音の部分が組み合わさった「形声文字」が爆発的に増えた。だが、辞書にあるだけで実生活では使われない字も多かったようだ。

  • 第2次大戦後の中国は漢字の歴史を劇的に塗り替えた。「新中国の文字改革」を唱えた毛沢東は漢字の廃止を模索。

  • 今の中国にあるピンインというアルファベットの表音文字を作る前の段階で、漢字が簡略化されたのが「簡体字」。国民の大半が読み書きできなかった当時、字が簡単になったことで識字率が上がり、漢字廃止論は立ち消えになった。

  • 中国の小学校で教える常用漢字は約2500。中学校で習う準常用漢字は約1000。この3500字で普段の生活や仕事の大半はカバーできる。

  • 台湾では6万のうち常用するのは4808。これで台湾人の日常生活の大半をカバーできる。

  • 翻って日本。漢字の流入によって万葉仮名ができ、ひらがなやカタカナに発展していった。

  • 最近は日本の俗語「超」が中国にも「逆輸出」され、「超好(超いい)」などと日常用語化しているという。

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わたしは小学生の頃に漢字ドリルの宿題をサボってしまった影響?で、漢字に苦手意識があります。読書が好きなので漢字を読むのはさほど問題ないのですが、書くほうはさっぱりです。
しかも字が汚いときているので書く気が起きず、さらに漢字が書けなくなるという悪循環でした。

それがこうやって毎日文章を書けるようになったのは、ひとえに手書きでなくても文章が書ける機械(日本語ワープロ機能)を開発していただいたおかげです。
ジャストシステムさん、ありがとうございます!


今回取り上げた記事の中に面白い話が載っていました。

東日本大震災以降盛んに目にするようになった漢字に「絆」があります。
この言葉は日本では美しい響きを持った言葉ですよね。

しかし立命館大学の大杉教授によると、「『絆』とはそもそも馬をつなぐひも。断とうとしても断てないしがらみを指し、束縛するという意味。さらに中国ではそれが転じて人をだますという意味でも使われている」のだそうです。

中国の方が日本に来て「絆」と書いたポスターを目にしたとき、どんな印象を持っていたんでしょうね。
「おもてなし」を期待して来たのに「だまされる」のかと不安になったかもしれませんね。


実は私も同じように、漢字を見て勘違いした経験があります。

10年ほど前に仕事で中国に行ったときに、街中の至るところに「力士」と書いた看板を見かけました。
あまりにも多かったので相撲の巡業でもあるのかと思っていたのですが、実は中国語で「力士」とは日本でもヘアケア製品でお馴染みの「ラックス(Lux)」のことでした。

HPを見たら、「力士」ではなく「美しい女性」が出てきてビックリしました(笑)

中国のラックスHP:


国や地域、または会社や個人によって、同じものから異なった印象を受けることがある。
これは何も漢字に限ったことではありません。

「空・雨・傘のフレームワーク」にあるように、

  • 同じ「空」という「事実」を見ても、

  • 「雨」が降ると思うかどうかの「解釈」は異なり、

  • 「傘」を持っていくか/いかないかの「解決策」も異なります。


人間はどうしても、みんなも自分と同じ「解釈」をするものと考えがちですが、全員が同じ「事実」から同じ「解釈」をするわけではないことは、忘れないようにしたいですね。



本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。

みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。

「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川



美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。