インディビジュアライズドピングポング

先日の世界大会の結果、現在、卓球の世界チャンピオンは生後8ヵ月の女性だ。
それまでは1歳2ヶ月の男性がチャンピオンだった。
とうとう1歳の壁が破られたことで、0歳台が主流の時代が到来すると世間はその話題で持ちきりだ。

かつてスポーツは、今では考えられないことだが己の肉体のみを極限まで鍛え上げその肉体のみを使用して競技が行われていた。そこから原始的な生体電子制御システムが徐々に社会に浸透し、スポーツは一度衰退した。
その後、暫くしてインディビジュアライズドスポーツの概念が発明されスポーツは復権を果たし現在に至る、ということは誰でも知っていることだろう。

しかし、インディビジュアライズド化が進んだ現在でも世界のトップレベルがこれ程低年齢化しているのは、卓球だけだ。

今では馬鹿げた話だが、インディビジュアライズド下では卓球はテニスやバドミントンと同じものになり、これらは全てひとつの競技として統一されるだろうという予想があった。

しかし、インディビジュアライズドの深化によって判明したのはそれらは全く違う性質の競技であり、似た要素は殆ど無いということだった。

インディビジュアライズドにおける卓球は、上記の競技よりも圧倒的に詩の朗読に近い。では詩の朗読は低年齢化しているのか?それが、まったくそうはなっていないのである。

結局のところインディビジュアライズド下において、共通点を見つけるということ自体が無意味であり、卓球は卓球、詩の朗読は詩の朗読なのである。(注1)

また、インディビジュアライズドスラント構造体は母体にいる間から形成されていると考えられ実際のその証拠となりうる反応(メビウスベーグル反応)も確認されていることからインディビジュアライズドスポーツは、生まれる前から可能であるという意見もある。

もしそうなら、最終的には倫理的な問題が議論の主題となるだろう。しかし、現在の世界の流れを考えると、マイナス年齢の卓球世界チャンピオンが誕生するのも時間の問題ではないか。(注2)

注1:詩の朗読と本の朗読も全く違うインディビジュアルを形成する

注2:年齢のマイナス表記には議論がある。また、着床からの期間を具体的に割り出すのはプライバシーの問題もあるだろう。

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