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わたしがインテリアコーディネーターにむいていない理由

自分の仕事が天職だ、とおもえる人はどのくらいいるんでしょうか。

わたしの仕事はインテリアコーディネートで、住宅のリフォームや家具・カーテン購入のお手伝いをしておりますが、コーディネーターに向いていると思ったことは一度もありません

それでもこの仕事だけが続けたいと思える仕事だし、お客様からのリピートやご紹介がありがたく、気持ちを奮い立たせ精一杯やっています。

じゃあどんな人ならインテリアコーディネーターにぴったりなのか、わたしのイメージをかいてみます。

コミュニケーション能力が高い人

コーディネーターはものを選んで提案する仕事ですが、どうやって選ぶかといえばお客様とのコミュニケーションのなかから想いをくみとり、かたちとしてみせながら確認していきます。

わたしは機転がきかないので、その場でズバッとお答えすることができずいつも申し訳なく思います。ただ家に帰ってひとりで会話を反芻し、手を動かしているとアイディアがわいてくるんです。

そのためメールのやりとりが多くなったり、時間がかかったりします。おそらくそれを楽しんでくださる方もいれば、わずらわしく思う方もおられると思います。もう少し器用にできたらなー、といつも思っています。

ぐいぐい引っ張ってくれる人

たくさんのアイテムから構成されているお部屋を、こだわりをもってつくっていくのは大変な作業です。悩むし、迷うし、疲れます。だから伴走者であるコーディネーターは、すこしでもその負担をへらすようアシストしていかなければなりません。

別の記事で「インテリアに正解はない」とかきましたが、ある程度まで一緒に走ると「あとは全速力でいったほうがいい」とか、「この作戦がベストじゃないか」というわたしのこたえがみえてきます。そこでズバッと!いえないんですよねー。

というのも、わたしが自分の想いを伝えてしまうことで、お客様から決める自由を奪ってしまうんじゃないかと思うんです。これから誰よりも長くそこで過ごすのはお客様なのに、悩み足りないことで「これでよかったのかな?別の答えもあったかな?」と思いながら暮らすのは苦痛ですよね。

「こういう理由でこれがベストです!」と伝えることではやく決まるし、お客様も楽だと思いますが、ごめんなさい。わたしはできるだけいわないようにしています

迷いのない人、あるいは迷いをみせない人

わたしはインテリアが大好きです。柄と色に溢れた壁紙やカーテンも好きだし、北欧家具も、アンティークも、極限まで削ぎ落としたモダンも憧れます。

さらに今はそれらさまざまなスタイルをあわせたミックススタイル(エクレクティックスタイルともいいます)が世界中で愛されていて、ピンタレストは一日中みていても飽きることがありません。

ミックススタイルの魅力はなんといってもその自由さや大胆さ。なんでもありというのではなく、ばらばらのものを組み合わせても一体感やその人らしさを感じさせるハイレベルなコーディネートです。

そしてわたしがお客様に最もおすすめしたいのもミックススタイルなんです。だからいちばんむずかしい…。組み合わせは無限。いつもお客様と一緒に悩んじゃいます。

そのかわりお部屋はぜったいオリジナルになります。時間があって、まだ見たことない自分の部屋を探してみたい、という方にはよろこんでいただけると思っています。

度胸のある人

わたしは小心者です。だから明日から現場となるとかならずうまくいかない夢をみるし、歯ぎしりがひどくて歯にヒビがはいるし、何度も確認するので(やっぱり)時間がかかります。自分を信用してないんですね。

そんなとき度胸があればなー、と思うけど、実はこれに関しては同業者はみんな、結構同じ目にあっています。悪夢にうなされ、何度も確認し、夜中に図面を開いたりしているようです。

他の仕事と同様、それだけ責任のある仕事ということですね。

いつも苦しいと思うけど、他の仕事もみんなそれぞれ必死でやってるんだと思い踏ん張っています。

まとめ

要はわたしはスマートじゃありません。理想のイメージがあるなら、そのように努力したらいいじゃないかと言われそうですが、不器用かつ融通のきかない頑固な部分があり、わかっちゃいるけど…変えられません。

ただお客様とコーディネーターの関係は、人と人との相性、マッチングだと思いたい部分があります。こんなわたしでも声をかけてくれる方がいる。逆にスマートに、船のようになめらかに岸に運んでくれるコーディネーターがいい、という方もいらっしゃると思います。

もしかしたらコーディネーターが増えると、マッチングの精度もあがるかもしれませんね。「わたしは話し下手だから…」とか「度胸がないから無理」と思われている方がいれば、それでもやってるコーディネーターもいますよ、お伝えしたいです。

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