レンジ内でやや小反発。国内カストディの規制緩和が市場拡大につながるか?!
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前週からの動向
ビットコイン(BTC)は引き続き安値圏でのレンジ相場が続く。
20,000ドルを割り込んだ水準での推移が多いが、ショートカバーの買い戻しや割安感からの買い需要により値戻しをする場面も散見され、右肩下がりの弱気相場はいったんは落ち着いたようにも見える。
日本国内の暗号資産管理に対する規制緩和が、短期的な値戻しの要因の一つとなったようだ。
緩和の内容は、これまで国内では暗号資産のカストディ業務(投資家や暗号資産保有者に代わって保管・管理を行う業務)は、信託会社のみが行うことができたが、30日に示された内閣府令改正によると、早ければ今秋にも信託銀行もカストディ業務を行うことが可能になる。
信託業法で登録されている信託会社とは違い、信託銀行は銀行法で設立され、兼営法で信託業務の認可を受けているという違いがある。これまでも信託銀行は、セキュリティートークンやステーブルコインのカストディ業務を行うことは可能であったが、暗号資産についても国内の信託銀行は資産管理する上でのリスクに十分対応できると判断されたことで、今回の布令改正に至ったようだ。
金融庁からは「暗号資産を含め、デジタル資産のカストディ業務の担い手が増加することにより、利用者保護を図りつつ、利用者の利便性を高める金融イノベーションの創出に繋がることを期待」との説明があった。
先進国内でも暗号資産に対して厳格な規制が敷かれている日本での規制緩和は、市場拡大につながるポジティブな要因と捉えられ、価格の上昇にも寄与したようだ。今後のカストディアンの動向には要注目である。
先月に、暗号資産引き出しの一時停止で市場の混乱を招いた暗号資産貸付の大手セルシウスが、全従業員の20%に当たる約150名を解雇したと発表。現在セルシウスは債務超過の可能性に面しており、コストカットは致し方ないが、コインベース社を筆頭に続く、暗号資産業界大手の相次ぐレイオフは、市場心理に悪影響を与えていることは明白だ。
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Author: Flow Trading and Liquidity Strategy Desk
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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