前週からの動向
ビットコイン(BTC)は週末にかけてさらなる一段安となり、一時17,000ドル台までの下落となった。
世界的な金利上昇を背景に、暗号資産のようなリスクアセットからの資金流出は続く。
現地時間6/14-15に開催された米FOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利の0.75%の引き上げが決定された。5月の前回会合時点では、6月に0.5%の利上げが予想されていたが、それを上回り、1994年11月以来の27年ぶりとなる利上げ幅となったことで、株式を始めとする変動資産は売り優勢となった。
価格帯的にも、心理的節目とされていた20,000ドルを割り込んだことで、ロスカットや逆指値の自動執行が発生したと思われる。
週明けからは反発し、1BTC=20,000ドルを回復しているものの、直近レンジの価格帯で高値は頭打ちとなっている。
弱気な相場の中でも、米コインベース社など暗号資産業者の人員削減の報道が目立つ。市場を牽引する立場である業者のコストカット姿勢は、不透明感を助長し、少なからず相場の先安イメージを投資家に与えることになっただろう。
また、一部業者では顧客の暗号資産出庫が相次ぎ、出金対応の遅れが混乱を引き起こしているとの報道もある。
国内の業者では、顧客暗号資産の分別管理が義務付けられているので、流動性低下により顧客資産が引き出せなくなることは発生しないが、相場の急変時にこういったトラブルが多発するようになれば、世界的にも規制強化が進んでいくことになるだろう。世界に先んじて厳格な自主規制ルールを設けていた日本が、暗号資産業界でイニシアチブを取ることになるだろう。
投資家の方々にはぜひ、銘柄・売買タイミングだけでなく、交換業者の選定もより慎重に行っていただきたい。
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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