米雇用統計は大幅上昇。経済成長への期待と金融引き締めへの不安が交錯
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前週からの動向
ビットコイン(BTC)はレンジの中で停滞となった。急落後の6月半ばからは徐々に高値を切り上げるサイクルが続いていたが、ここ1週間は7/30の直近高値の更新はお預けとなってしまった。
5日に発表された米雇用統計では、非農業部門の就業者数が52.8万人増と、市場予想を大幅に上回る伸びとなった。また、通常雇用統計が急伸した場合、低賃金労働者が増えることで平均時給は下がる傾向にあるが、今回の発表では平均時給も5%超上昇していた。
経済成長の強さが伺える一方、依然高いインフレを示唆する結果となったことで、利上げによる金融引き締めのさらなる加速の可能性も浮上し、金融相場は方向感の定まらない展開となった。
雇用統計を受け、9月のFOMCでの利上げ幅予想を50bpsから75bpsに引き上げたアナリストもいるように、明日発表の米CPI(消費者物価指数)の結果次第では、利上げの市場予想が上振れることでビットコインをはじめとするリスク資産が売り込まれる可能性がある。
相場の動向がセンシティブになっているので、こういったイベントはこれまで以上に注視するべきだろう。
8/3には、米農業委員会の上院議員によって「Digital Commodities Consumer Protection Act of 2022(デジタル商品消費者保護法)」という暗号資産取引所の規制体制を確立するための法案が提出された。
これは、交換業者やカストディなどの全てのデジタル資産プラットフォーマーをCFTC(商品先物取引委員会)の監督下に置くという法案であり、市場の透明性や利用者保護を目的としたものである。
他金融市場
米国の好調な経済指標を受け、高値から下落をしていたドルインデックスは再び上昇。
ドル円では、1USD=135円まで回復。
原油価格は下落しており、WTI原油先物価格は一時90ドルを下回ってロシアによるウクライナ侵攻以前の水準となった。世界的な利上げ局面による需要の先行き不透明感から売り優勢となっている。
また、イラン核合意の再建協議に進展があり、合意間近との報道が流れていることで、原油の供給拡大による先安観も広がっている。
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Author: Flow Trading and Liquidity Strategy Desk
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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