仕事が早く終わったから、なんとなくいつもより少し遠回りして家路を歩いてみた。

春の緑道は可憐で美しかった。
溢れる青々とした緑に、個性いっぱいの花々、散り落ちた桜が小川に浮かぶ花筏。
夕方の眩しくも暖かいひかりと、穏やかな風、散歩をしてる老人、走り回る可愛い声。

東京に来てからは、季節を感じる暇もなく、ただ忙しなく毎日が過ぎてく。
何でもあるようで、何も無い東京。
溜まっていくLINEの通知と隙間のないスケジュール帳。

立ち止まることを許さないのがこの街。
焦燥と不安に襲われる日々。単に大人になっただけなのかもしれない。それを選択しているのは私だから。今日も生きていく。
明日は季節を感じられるように。

意味もなく唯一撮った写真がデイジーだった。
特に気にしなかったけど花言葉を調べてみた。

デイジーの花言葉は｢純潔、美人、平和、希望、あなたと同じ気持ち｣
黄色のデイジーの花言葉は｢ありのまま｣

どれも私にないものばかり。
悲しくなったし、求めているものも明確に思えた。

デイジーを幸せな気持ちで抱きしめたい。

2024.4.14