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■最新ジャークベイト・メソッドの核心

ジャークベイトの核心的メリット

導入部からの続き)さてまずジャークベイトの最大の利点は、「自由自在のレンジコントロール」にあると考えています。
一般にサスペンドプラグのメリットは"中層で止められること"だと言われますが、それだと半分しか正解ではないかと。。。
なぜならこのルアーは、アングラーの操作次第で上にも下にもレンジを変えられるからです。

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そしてレンジを自在に操れるという事は、アングラーが狙って食わせどころを作れるという事でもあります。
ジャークベイトを使っていると、バスがどこからともなく浮いてきて、ボート際まで追ってきたのにUターンしてしまう事がよくあるでしょう。
つまりあの手のバスに食わせのキッカケを与える事で、バイトに持ち込めるかどうかがこの釣りの釣果を左右するというわけです。

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(バスプロ等の上手い釣り人は、必ずと言ってよいほど一投の中に"食わせ所"を作っていると思います)


"プアカバーで食わせられる"アドバンテージ

ところでバスフィッシングにおいては、カバーやバンク際を狙うのが王道とされています。
しかしそれは従来言われてきたように、バスがカバーについているから・・・・だけではありません。
近年ではエサを追い詰めるための"壁"として、バンクやカバーを利用している事が明らかになってきています。
つまり「ココなら捕食できる」とバスが感じるスポットに、ルアーを誘導する事が大切と言うわけです。

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(・参考: 一言で劇的に魚が獲れるようになった、「追い詰め方」の話

ちなみにライブスコープでの観察によっても、この事実を目のあたりにしました。
長良川でバンク撃ちをしていた時、ボートポジションくらいの沖を泳いでいたバスが、アシ際に投げたルアーにアタックしたのです。
(なお、沖で泳いでいるバスの近くにルアーを投げても全然釣れない)
つまりそのバスはカバーについていたのではなく、沖を回遊しながら岸際の壁にベイトを追い詰めていたのだと考えられます。

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(・参考:バスには”知性”がある – ライブスコープが教えてくれたこと

ですからジャークベイトにおいても、バンクやカバーを利用する事は非常に有効です。
しかし濃いカバーで使うのであれば、もっと使いやすいルアーは他にたくさんあります。
逆に言えば単杭のような縦ストなど、プアカバーでの食わせ能力が高いことこそがこのルアーの真価ではないでしょうか。


"水面"に追い込ませる時のキモ

そしてカバーが少ない岬やブレイク等の地形変化における、中層のバスの食わせ所としてはまず第一に"水面"が挙げられます。
水面はそれ以上魚が泳いでいけない「壁」として機能しますので、そこにベイトを追い詰めるボイルという現象が起こるわけです。
ですからルアーをピックアップする間際に足元でバイトするのは、まさに餌を水面に追い込んだように見えているからでしょう。

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ではこの水面に逃げるベイトを、ジャークベイトで演出するにはどうしたらよいでしょうか。
それはまずジャーク後に「浮かせる」という方法で、フローティングミノーの浮き浮きパターンがこれに当たります。
必然的にレンジが浅くなるのでハイシーズン向きのテクニックですが、6月頃の琵琶湖で炸裂したものでした。

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(サイドステップのウキウキとか流行りましたよね・・・)

次にサスペンドミノーの場合は、縦さばきのジャークで"上に逃がす"方法が有効です。
着水後に潜らせていく関係で、多くの場合ティップを下にして煽ることが多いかと思いますが・・・。
ある程度潜ったらロッドを上にさばいてレンジを上げ、ルアーを水面方向に逃がすようにしてやります。
こうすると「逃げられる!」と焦った魚が、水面を壁にしてアタックしてくるというわけです。

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雑誌などで、ジャークベイトは「2ジャーク&1ポーズが基本」のように書いてあるのを見る事があるかと思います。
しかし実際にトッププロの釣りを見ていると、そうした基本的な動きの中にイレギュラーなアクションを入れているシーンが多い事に気付きます。
つまり上に書いた水面に逃がす動きもそのレパートリーの1つで、バスを"寄せる動き""食わせる動き"をしっかり区別して織り交ぜているという事でしょう。

しかしこうしたアクションを意識して繰り出しても、すぐそこの水面まで追ってきたのに逃げられた・・・という苦い経験をすることになるでしょう。
その要因はアングラーとの距離が近過ぎるからで、バスは食べたくても人間を警戒してUターンしてしまうのだと思います。
ですからこのメソッドの最大のキモは、わざとディスタンスを取ったポイントで水面に追い込ませるという事なのです。

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ちなみに水面を使うのであれば、トップウォーターの方が良いのでは?と思われるかもしれません。
もちろんそれもアリなのですが、波立っていたり季節的な問題だったりで、いきなり水面まではバスを引っ張り上げられない事も多々あります。
そんな時でもジャークベイトであれば、まず中層にバスを引っ張り上げ、最後に水面を使って食わせるという合わせ技が使えるというわけなのです。

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(逆に中層で見せると見切られるという時には、トップが有効になります)


最新"ライブスコープ・ジャークベイティング"

そしてこの原理を応用して、米国プロトーナメントの舞台でもジャークベイトが猛威を振るっています。
私がこれに最初に着目したのは、新星パトリック・ウォルターズが優勝を飾った'20テキサス・フェスト戦でした。
ライブスコープを駆使してジャークベイトを自在に操る事により、若きウォルターズは100lb超のスーパーウェイトで圧勝したのです。

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(©BASSMASTER)

そしてそのウィニング・メソッドの一端が、下記の動画に映し出されています。

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