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【神隠し殺人】誰も降りない京葉線途中駅、江東区「潮見」には何があるのか【蟻の町のマリア】

日本の首都であり最大都市でもある東京には数多の街があり、そのボリュームの分だけ“光あれば闇もある”という事で、思わず目を見張るような高級住宅街もあれば、トンデモネー貧民窟もあるという道理。東京の三大スラムと呼ばれた四谷鮫河橋、芝新網町、下谷万年町といった場所に限らずとも、そのような負の歴史を存分に味わえる「元スラム」の存在はまだまだある。

そこでやはり付け加えておきたいのが「江東区」という地域で、かつては区域の大半に港湾労働者なり日雇労働者が住まう低所得者層集住地区だった事もあり、タワマン住みの似非セレブどもが調子づく豊洲あたりも昔は重工業地帯のスラム街。区内屈指の“庶民の台所”である砂町銀座商店街あたりだって大昔は夢の島のゴミから湧いたハエの大群が押し寄せては下町住民を苦しめていた。近年はそんな昔の事情を知らないオメデタイ上京カッペ軍団が住まう小綺麗なマンションばかりになっているが、これほど住人の“勘違い”が甚だしい地域もない。

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しかしその中でも今回ピックアップしたいのが、そんな江東区湾岸地域の埋立地ゾーンに属する「潮見」という街である。ここは明治・大正期から埋立工事が行われ造成された地域で、当初は「深川区深川枝川町地先第8号埋立地」と呼ばれていた。ここ一つ取っても、実に壮絶な歴史を辿ってきた土地なのだ。

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