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【業平橋】“インバウンドなんかクソ喰らえ”な「東京スカイツリー」の足下のしけた街並みを点検する【押上】

日本は“安全安心な観光大国”として世界の評価を受けているらしい。それに加えて目下の著しい円安傾向。一時期はすっぽり穴が空いたようになっていた日本国内の主要観光地にも“インバウンド景気”がまたぶり返してきており、首都圏や関西の都市のそこかしこが外国人観光客で溢れかえっている。“安くて楽しいニッポン旅行”を求めて世界の国からこんにちは。お金を落としてくれるのは結構なことだが、我が国もとうとう、かつての東南アジアの発展途上国のような立ち位置に成り下がったのか、という思いはある。

悪夢のようなコロナ禍の三年間を経て“アフターコロナ時代”を迎えた昨年2023年を振り返ると、訪日外国人数は累計約2500万人、コロナ禍以前で過去最高値だった2019年と比べて78.5%まで回復、10月の単月比では2019年のそれを上回る結果になったという。今年、2024年もまた同じような傾向を辿っていくのだろうが、今まさしくそれを嘲笑うかのように“第10波”の感染拡大期に入っている。人類とコロナウイルスの闘いはまだ終わりそうにない。

アホと煙は高いところに登る東京スカイツリー

さて、今回は東京の“インバウンド過熱地帯”の真っ只中にある浅草から隅田川を隔てた川向かい、墨田区押上の地にズドーンとそびえる東京スカイツリーの足下を点検しにやってきた。今でこそイカニモ観光地の筆頭格になってしまった場所だが、元々考えれば浅草の周りのド下町地域で、未だに土着のヤバそうなものがゴロゴロ転がっている印象がある。スカイツリーが建って干支が一周してしまったわけだが、それでもこの地域にまだまだ“インバウンドなんかクソ喰らえ”な風景が残っているかも知れない。

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