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「アスペ」の傾向と対策② 私の場合

さて、一般的(にそうだと思われている)アスペについてざっくり書いたので、次に私自身のこれまでについて書こうと思います。

私の場合(高校生くらいまで)

さて、私は40代半ばです。
私が子供の頃は明らかに知的障害等がある子はともかく、発達障害やアスペという概念やそういった子たちに向けた支援(療育と言います)はありませんでした。
発達障害からくる困ったことも「やる気がない」だとか「母親の躾が悪い」だとかで済まされていた時代です。
おそらく、今30歳以下くらいの世代ではそれらの概念がある程度広まり、療育だとか教育的配慮なども増えてきたように思います。
私自身はどんな子供だったかというと、まず内気で人見知りが激しく、それでいて気難しく、とても扱いづらい子供でした。
きっと親は苦労したと思います。
親は親で割と扱いづらい性格をしてるんですが、今回の話には関係ないので置いときます。
中学生までの私が何に困っていたかというと、以下のようなことです。

  • 先生やクラスメイトの言っていることが部分的に聞き取れない

  • 運動会のダンスの練習などで、先生の見本の通りに出来ない

  • はさみで真っ直ぐ切れない、のりをうまく塗れないレベルの不器用

  • 頭の中が常に忙しく、人の話を聞いていない(聞けない)

  • 先生が言っていたことと、親の言っていることが違うと混乱する

  • 余計な一言が多い

  • とにかく運動音痴

  • 図形が苦手で算数は図形登場後成績ガタ落ち

  • 平面の地図は理解出来るが、立体(実際の風景)と結びつかない


直接的に困っていた内容はアスペというよりはADHDだとか、学習障害とか他の要素の方が強かったんですが、性格はアスペそのものですね。
通知簿には「落ち着いて行動しましょう」とか「人の話に耳を傾けましょう」とか書かれていたこともあります。
ちなみに幼稚園の頃にはすでに「なんかみんなと私は違う」と悟ってました。
いろいろそれなりに努力したものの、自覚のあるアスペにありがちな空回りで余計に事態が悪化することがよくありました。
もちろん、というか当然のようにいじめられっ子でした。
ど田舎だったもんで、幼稚園から中学校卒業まで同じクラスというメンバーが複数いたので中3までいじめられっ子から抜けられませんでした。
担任の先生にも目をつけられていた年には抜毛症になり、いまだに軽く引きずってます。
高校以降は比較的得意な分野を選んで進学したので、学習面での問題はかなり改善したと思います。
しかし、高校生の頃は祖母の痴呆が始まったことで別の地獄を見ることになり、病んで優等生ビッチになりましたけどね…。
ちなみに発達障害がある人の中でADHDの要素が強い人は依存症になりやすいと言われています。
ゲームやアルコール、薬物、性依存(女性に多い)等。
ビッチとはいうものの当時はまだ携帯も一般的ではなく、出会い系サイトやアプリもないし、ひたすら当時の彼氏とそういうことをしてただけなので危険なことはなかったですが、今ならろくなことになってないでしょうねえ。
平面の地図と立体(実際の風景、見えているもの)と結びつかないというのは、図形が苦手というのと関係していると思います。
頭では理解出来るんです、この通りを右に曲がって、3番目の信号を…みたいな道順が。
でも平面の地図上ではそれがわかるのに、自分の見ている風景と結びつかず真逆の方向に進んだり、パニックを起こしたりします。
まあ高校生あたりまでは、出かける場所も見知った場所ばかりで迷うこともなかったんですが、梅田や心斎橋に出かけるようになるとよく迷子になってました。
今はGoogleマップ様々です。

私の場合(社会人になってから)

さて、社会人になってからですが、ここでもそれなりに苦労しました。
障害関係なくみなさんそれぞれ苦労されてるとは思いますが、私が何に困っていたかというと…。

  • 電話応対が超苦手(聞き取りかメモを取るかのどちらかが疎かになる)

  • お局様に嫌われる

  • 空気を読みすぎて最悪の想定しかできず自分で自分の首を絞める

  • 要領が悪く、怒られてばかりで病む

  • ストレスから来る鬱、適応障害等に悩まされる

電話応対はとても困りました。
百貨店の裏側の記事で書きましたが、あの頃に電話応対は嫌でも鍛えられましたね。
かしこまりました、承りましたが噛まずに言えるようになったのはこの頃です。
また聞きながらの要点のメモの仕方なんかはこの頃に身につけました。
これ以外のお局様に嫌われるとかストレスで病むのは、職場や職種によるものの完全に負のループが出来上がってました。
どうもアスペの人の行動や言動は他の人の気持ちを逆撫でしがちなんですよねえ。
同じ失敗を繰り返すとか、同じことを何度も聞き返すとか、本人は普通にしているつもりなのに「バカにしている」と思われたりだとか。

でも不思議とまあまあ頑張れてしまうんですよ。
真面目なアスペの人が鬱や適応障害で病んでしまう理由のひとつです。
健常者の人が難なくこなせる「普通のこと」をするのに、アスペだと出力を常に100%だったり、120%にしないと出来ないので頑張りすぎちゃうんですよね。
そこまで頑張るにも関わらず、何かが抜け落ちることがあるのでやる気がないと思われ余計に怒られる悪循環。
そりゃ病みます。

私の場合(現在)

さて、ここまでの文字数ですでに読んでくださる方に申し訳なくなってるんですが、まだまだ続きます。
今の会社は障害者枠で入社しました。
実はこの前に別の会社に障害者枠で入ったことがあるんですが、そこは名ばかりの対応しかしてくれず見事に病みました。
そこの二の舞にはならないと使える手は使いまくって、今の勤め先と面接→試用期間→本採用となりました。
会社側には履歴書や職務経歴書、障害に関する特性や苦手なことなどをまとめて提出しています。
途中、無能な働き者の上司に当たってストレスためたりもしましたが、なんだかんだで10年以上勤めてますし、ステップアップしてボーナスももらえるようになりました。
今の会社に入ってからは、仕事の進め方で困ったことは実はそんなにありません。
もちろんまったくない訳ではないですが、ここに勤めるまでの間に積み重ねた事務職としての経験である程度出来上がっていたのと、自分だけで仕事をする訳ではないので気付いてくれる人がいること、上司がちゃんと上司の仕事をしてくれるのとでそれほどトラブルにならなかったんですよね。

  • 電話応対は若干緊張するけど平気になった

  • もともと社内の人がいい人ばかりなのでトラブルなし(前の前の上司は除く)

  • うっかりミスをしなくて済むように何重にも対策

  • カレンダーやアラート、メール、チャット等をフル活用

  • アナログな対策(クリアファイルでラベリング、ふせん等)

  • 仕事で関わる人(営業担当、チームの同僚、上司)との情報共有強化

ざっとこんな感じで日々の仕事をしています。
アスペの人には事務仕事が苦手な人の方が多い気がしています。
事務って案外マルチタスクが必要なんですよね。
ふたつ以上のことを同時進行とか、他の人の作業待ちとか、横からの飛び入り依頼、複雑な事務手続き等々とたしかに苦手とする人が多いと思うんですが私の場合は性に合ってたんでしょう。
イライラすることはありますが、まあ自力で発散できる程度なので何とかなっています。
あと、私の場合頭や気持ちの切り替えがスッと出来るタイプです。
そして脳が多動なので常に複数のことを考えてるくらいがちょうどよかったりするんですよね。
もちろん限度はあるのでいくらでもOKとはならないんですが、リスト化して優先順位をつけて急ぐもの、手のかかるものから処理しています。
これは他人に言われて出来るものではないので説明が難しいんですが、作業の見える化、切り分けを手伝い、マニュアル化することでうまくいくこともあるかもしれません。

まとめ

自分のことなので、かえってまとめにくいんですが…。
「自分自身の能力を見極める」「仕事内容をきっちり把握しておくこと」「相談出来る相手を複数持つこと」「トラブル対策は複数用意すること」「デジタルとアナログをうまく使い分けること」あたりがキーワードかなと思ってます。
私の場合、営業事務というある程度枠にはまった仕事内容なのでそのあたりの見極めがしやすかったというのはあります。
また、会社内の人間関係がもともとよくて、そのあたりで消耗せずに済んでいるのも大きいです。
そして、仕事を極めることで信頼関係を勝ち取ったというのもありますかね。
正直私のしている仕事の内容を上司がしようとしても出来ない(逆もまた然りですが)ことをしてますし。
うまくピースがはまれば、アスペは割と優秀なんですよね。
そこがなかなかうまくいかないから、本人もその周りも苦労するんですが…。

次回予告

さて、次回はアスペな同僚とどう仕事をするかです。
やっと本題…。
とはいえ、どう書いたものか思い悩んでます。
そのまま書くといろいろとアレですし。
なので、どのように仕事を振り分けてるか、どうお願いしてるかという書き方がメインになるかと思います。
ちなみにですが、その記事で書くことは事実を元に膨らませたフィクションです。
完全な作り話でもないですが、完全な実話でもありません。
無事まとめられるかが心配ですが、週末までに書けたらなと思っています。


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