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「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」を読んで

『えぇ…』

タイトルにもある「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」を読み進めている途中で、思わずそう言った声が漏れてしまった。

将来の日本を担う子供たちの読解力が、恐ろしいほどまでに低いことに衝撃を受けた。文章自体は難しくない。文章に書いてある言葉、ひとつひとつが理解できれば、解けるような問題ばかり。それにもかかわらず、中学生、高校生の正答率が5割を切っているという事実。貧困と読解力の低さに相関性があるというデータもあった。

著者は「中学卒業までに読解力を高める教育こそ必要だ」ということを訴えている。そうでなければAIに仕事を奪われた場合、「AIができない仕事ができる人間がいない」状態となり、経済は破綻する可能性すら出てくる。

普段生活を続けている中で「あれ、この人言ってることがわかってるのかな?」と思うこともある。もしかしたら、その人は「読解力が無い」のかもしれない。こんなにも身近にあふれる「読解力のない人々」。

こういった人たちを救う術はあるのか?

ちなみに本著では「なぜ読解力が低い」のかというのを、突き止めることはできなかったし、どのようにすれば「読解力が高まるのか」ということについては言及していない。

私が思い浮かべたのは、人と人が顔を合わせてコミュニケーションを取る機会が減ったこと。「核家族」が当たり前になってきていて、子どもたちが大人と会話する時間が短くなったこと。人間関係が希薄になり、子どもたちが近所の人たちや、家族以外の人たちと話す機会が激減したことが関係しているのではないかと考えている。

ITを発展させるのも結構だが、それと同じくらいに、人と人とのかかわりを増やし、コミュニケーションをとる機会を増やし、豊かな生活を送れるように政府には舵を取ってもらいたいのだが。

今の日本政治は泥船だ。
泥船から沈まない船に乗り換えるタイミングがあればいいのだが。


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