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Whitney - Candid

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Whitneyのアルバム『Candid』でカバーしているDavid Byrne and Brian Eno “Strange Overtones”の、“オーバートーン”って、なんのことだっけと思って調べたら、“倍音”のことだった。

“倍音”というのも、なんとなく知っているようでよくわからないワードだが、農作業で疲れていたので、もはやめんどくさそうなことを調べる気力もなく、ただ繰り返しWhitneyが歌うこの曲に耳を傾けていた。

“奇妙な倍音”って、モンゴルのホーミーとかそういうやつだろうか。隣人がモンゴル人だったとかそういう歌なんだろうか……、翌日も“奇妙な倍音”のことが気になったままなので、ひとまず歌詞を調べてみた。

朝目覚めるたび、階段をのぼる君の足音が聞こえる。
そして君が暮らす隣のアパートから、君の歌声が聞こえるんだ。
グルーヴは時代遅れだし、
ビートだって20年前のものだけど、
君が奏でる“Strange Overtones”に合わせてみせるさ。

そこにはまるでJohn Carneyが使いそうな(すでにどこかで使っているかもしれない)情景が描かれていた。

「あの歌手は倍音が出てるよね」という言葉を耳にするが、どんな人の声にも、倍音は含まれている。ピアノの鍵盤の代替真ん中くらいの「C」の音を声に出せば、通常そこには1オクターブ下の「C」や、1オクターブ上の「C」、あるいは、「G」だったり、「E」の音が含まれていて、その倍音の数やボリュームが豊かな歌い手が、「倍音が出ている」と称されるのだ。

という具合に、そもそも倍音自体が不思議なものなので、“Strange Overtones”という歌は、ものすごくざっくり言えば、人とか、音楽とかって、なんだか割り切れないけど、だからこそ面白いんだよねってことを言いたいのかもしれない。

そんな歌をつくったのが、David ByrneBrian Enoである点も含めて、つくづくいい曲。Whitneyの解釈も見事だ。

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