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公的年金改革(案)に対する雑感③(厚生年金への適用拡大)

以下の記事では、政府の年金改革案を取り上げています。

改革案の一つが、以下のとおり、厚生年金への適用拡大です。

政府は厚生年金の支え手拡大で、年金制度の持続性を高めることを重視した。高齢になるとパートや嘱託など短時間勤務に切り替える人も多く、働き方が変わっても厚生年金に加入できるようにする。
現状は(1)従業員501人以上の企業に勤務(2)週20時間以上働く(3)賃金が月8.8万円以上――などの条件を満たす短時間労働者が対象。政府案では企業規模の要件を見直し、まず22年10月に従業員101人以上の企業に対象を拡大。24年10月には51人以上まで基準を下げる。厚生年金には18年度末で4440万人が加入するが、厚生労働省の試算では新たに65万人が加入する見通しだ。
企業規模の要件を101人以上に見直すと、将来世代の所得代替率(現役会社員の手取りに対する高齢夫婦世帯の年金額の割合)は約0.2%改善する。対象を51人まで拡大すると改善幅は約0.3%まで広がる。

なお、このような適用拡大の究極の姿が「国民年金と厚生年金の財政統合」であり、その効果は概ね以下のコラムの通りになります。

結論だけ述べるならば、国民年金と厚生年金を一元化(財政統合)することができれば、基礎年金部分の給付カット率は約28%から約8.3%に改善することが分かります。

統合の前提として、マイナンバー制度で所得や資産を把握し、公平な保険料負担を課す必要などがあることは明らかですが、デジタル政府戦略でマイナンバー制度も徐々に稼働しつつある今、その可能性についても検討する時期にきているのではないでしょうか。

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