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オンチェーンデリバティブのお話

こんにちは。共同代表のTaishiです。台湾しゃぶしゃぶでしか重要な会議が出来なくて困っているのですが、どうしてあんなに美味しいんですか?重要な意思決定は全て散歩中か台湾しゃぶしゃぶ屋さんで下してきた自負があります。常に歩きながら仕事した方がいいんじゃないかとさえ思いますね。

さて、直近デリバティブについて考えることが多くなってきたのでオンチェーンデリバティブの重要性について記載していこうと思います。DeFiに限らず、FTを発行するGameFiもオンチェーンでのユーティリティに向き合うべきだと考えています。ゲームプロデューサーとDeFi勢(日本にはそもそも少ないですが)との確執は解決すべき問題であると認識していますし、GameFi運営経験者としても強く実感しています。この断絶を埋めるのは会社の使命だと勝手に思ってます。オンチェーンでのユーティリティと流動性はコンテンツと同様に重要なファクターであり、トラストレスな価値交換を可能にするブロックチェーンを使う以上、そこから目を背けてはならないのです。

長くなりました、今日のお品書きです。


オンチェーンデリバティブとは

オンチェーンデリバティブとは、一義的にはデリバティブ契約をブロックチェーン上に発行、取引、管理するプロセスであると言えるでしょう。これにより、中央集権型取引所や金融機関を介さずにデリバティブ取引を行うことができます。

この技術は、金融業界におけるイノベーションを促進し、透明性とアクセス可能性を向上させる可能性があります。特に、カウンターパーティリスクの可視化が出来ることで、デリバティブのプライシングも変わりそうですよね。CVAとかFVAは可視化されるんじゃないかと。現在、デリバティブ取引の大半は預託機関であるユーロクリアを介して行われますが、スマートコントラクトであればより透明性が高まります。

オンチェーンデリバティブの必要性

オンチェーンデリバティブは、以下の3つの観点から需要な役割を果たすと思われます。

  1. 分散化と透明性: 中央集権的な取引所では、信頼性や透明性の問題が発生することがあります。ブロックチェーンを使用することで、デリバティブ市場をより分散化し、取引の透明性を高めることができます。FTXは象徴的でした。リーマンショックも同様です。カウンターパーティリスクが大きすぎたのと、その不透明性故にプライシングにはXVAが考慮されるようにもなりました。

  2. 低コスト: オンチェーンデリバティブは、取引の実行や清算にかかるコストを削減できるため、低コストの取引プラットフォームとしての利点があります。これはガス代が発生する一方で、デリバティブの組成にあたってはTradFiでは(当然数多くの歴史を経てそうなりましたが)多額の間接費が発生しています。例えばマンデートの更新などです。

  3. プログラム可能性: ブロックチェーン上のデリバティブ契約はスマートコントラクトとして実装でき、プログラム可能な条件やロジックを組み込むことができます。これにより、自動的な実行と自動ヘッジが可能になります。実はこれがかなり重要だったりもします。マージンコールとか面倒ですからね。

将来の展望

オンチェーンデリバティブは非常に注目されており、インフラストラクチャの成熟を経て、規制に適合し最終的に新たなデリバティブ市場を生み出すのではないかと考えています。それぞれ説明します。

  1. インフラストラクチャの成熟: ブロックチェーン技術が成熟し、スケーラビリティとセキュリティの問題が解決されれば、オンチェーンデリバティブはより一般的に使用される可能性があります。まだまだ不便ですからね。一方で取引主体が可視化されることでリスク管理は効率化出来る側面もあるのかなと。デリバティブとリスク管理は表裏一体なので。

  2. 規制への適合: デリバティブ市場は規制当局の厳格な監視が必要です。オンチェーンデリバティブは、プレイヤーによっては特殊な市場を形成し規制当局との協力を強化の上、法的適合性を確保することが求められます。例えばインターバンク市場やback to backでの取引市場等も重要な市場ですよね。オンチェーンデリバティブ市場ももしかすると複数の形で発生するかもしれないなと思っています。

  3. 新たなデリバティブ市場: ブロックチェーン上で新たなデリバティブ市場が形成され、新たなアセットクラスやトークン化資産に関連するデリバティブが開発される可能性があります。

機能的特徴

オンチェーンデリバティブの主要な機能的特徴には以下が含まれます。

  1. スマートコントラクト: ブロックチェーン上のスマートコントラクトを使用してデリバティブ契約をプログラム可能に実行します。

  2. 分散型取引: 中央集権型取引所を必要とせず、P2Pでのデリバティブ取引を実行します

  3. カスタマイズ可能性: ユーザーはデリバティブ契約の仕様をカスタマイズし、特定の要件に合わせて設計することが可能です

  4. 透明性: ブロックチェーン上のデータは透明で永続的であり、過去の取引をトレーサビリティが可能です

以上のように、オンチェーンデリバティブは、ブロックチェーン技術の進化と規制への対応により、将来的には金融市場における重要な役割を果たす可能性があります。しかし、その実現にはさまざまな技術的及び規制上の課題が克服される必要があります。

最後に

僕がインフラとDeFiのアップデートを日々細かく追っている理由としては、DeFi as an infraの考えを持っているためです。ブロックチェーンが可能にしたトラストレスな価値交換、そしてその価値交換のUXの根源でもある流動性はブロックチェーン上のTo Cサービス(例えばゲーム、proof of physical workであっても)のUXにも直接関係してくると捉えております。その中でも、金融市場を爆発的に発展させたデリバティブの威力は強力でしたし、オンチェーンデリバティブの発展には同様のインパクトを生み出す可能性があるかもしれないとワクワクしているのです。

web3の自社事業への当て込み、トークノミクス、ブロックチェーンの活用にご興味のある方はお気軽にご連絡ください。

それではまたの機会に。


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