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アスリハにおける目標設定の重要性

こんにちは、LEBO Conditioning Salonでぐのぶ(@degunobu)です。

アスリハにおける目標設定は、アスレティックトレーナーに欠かせないことです。
今回は、リハビリの予後をより良いものにするために、怪我をした選手や患者と協力して、目標設定を行う重要性を紹介します。

トレーナーと選手・患者が共同で目標設定をする効果には以下の二つがあります。

・モチベーションやパフォーマンスを高める
・リハビリの継続に繋がり、より良い結果を生む

早期復帰している者は、短期的、長期的な目標設定を行っている傾向にあることが研究にも示されているようです。

目標は、努力を結集させ、持続性を貫徹し、スポーツ以外の場面でも活用できる新しい学習戦略を身につけるきっかけになります!

目標の種類

・身体的目標:アスリハに特化した内容(ex...ROMを回復させる、筋力を戻す)
・精神的目標:心理学的側面(ex...リラクゼーションや成功のイメージ)
・スポーツ特化型目標:技術や戦略的技能(ex...シュートのやり方を覚える、フォームを変える)
・ライフスキルに関する目標:スポーツ以外のこと(ex...学業、家族、仕事など)

この4つの分野それぞれで、競技や社会生活に復帰するまでの目標を立てます。

そして目標を立てたら、それに沿った行動をタスク思考(to do思考)で考えます。
例えば、『腫れをへらしたい』という身体的目標があったら、『家で座っている時は弾性包帯を巻く』というようにです。

目標⇒そのために何をするか(to do)までを設定するのです。

目標の評価

設定した目標を評価するために『SMART』が活用できます。

・Specific(詳細)
・Measurable(測定できる)
・Action-oriented (上で書いたto do)
・Realistic(現実的)
・Time-based(時間的側面・頻度)

この5つの観点を満たしているかで、設定した目標が適切かがわかります

Specificはなるべき具体的にということです。

Measurableは、測定可能であるかということです。
しかし、全てが客観的に測定できるものじゃなくて大丈夫です。
例えば、身体的目標のROMは測定できますが、家族と過ごす時間を持つなどのライフスキルに関する目標は、10段階で示すなどのように考えればよいです。

Action-orientedは上で書いたように、to do(何をやるべきか)まで考えられているかです。

Realisticでは、その目標が現実的かです。
例えば、膝のACLを断裂し術後2週間で競技復帰するという目標を立てたとしたら、おそらく不可能でしょう。
ここで重要なのはトレーナー側からの教育です。怪我の内容や、生理学的、解剖学的な知識や、今後のプランを患者側に伝えることです。

Time-based短・長期的目標設定や頻度です。
ここでの注意は、詳細な日時を決めないことです。
リハビリで、何月何日にROMを何度にするなどを設定してしまうと、デメリットが多いです(自分の経験的にも)。
なるべくフェーズごとの目標を考えるといいと思います。

Self determined(自分で決める・自責)
最後に、Self determinedだったのかを考えると、より目標達成に近付きます。いろいろな選択肢の中から、選んだ目標かということです。
リハビリにおいての目標設定も、選手・患者自身が決めたといえることが大切です。
人生のどの場面でも自責マインドは必須です。

この全てを含んだ目標の例文がこちらです。
『筋力を回復させるために、スクワットを週3回行う。』

・筋力 (specific)
・頻度を決めているため、やったかどうか測定できる (Measurable)
・スクワットをやる (to do)
・今できるエクササイズ (realistic) (この1文だけで、現実的かを評価するのは難しいですが)
・週3回という時間の側面 (time-based)

目標設定のポイント

・目標設定の重要性を伝える
まずはその重要性を伝えることが最も大切です。
ここでの注意点は、目標設定をすることが重要ではなく、『競技復帰に向けてやるべきことが目標設定という観点』を忘れないようにしましょう。
よくある手段が目的化してしまってはいけません。

・途中の評価、フィードバック、調整を行う
リハビリを行っていると、最初の予定通りに行かないことって少なくないと思います。また、フェーズが変わるタイミングで短期的な目標も変わってくると思います。
そのため、途中の評価や調整がより現実的で、達成可能な目標設定へと導いてくれます。

・それぞれの分野の目標をリンクさせる
選手や患者が怪我から復帰して、スポーツや社会生活に戻って活躍することが最終的に求められることです。
上であげた4つの目標の種類は、それぞれが別個ではなく、この最終目標のために行うことであることを忘れてはいけません。
4種類の分野が組み合わさることで、競技以外の面も充実させることができるでしょう。

最後に

アスリハにおける目標設定には、
・モチベーションやパフォーマンスを高める
・リハビリの継続に繋がり、より良い結果を生む
という効果があります。

最初に目標設定は行う方は多いと思います。しかし途中でダレてしまうことって少なくないと思います。
いい習慣であるからこそ、途中のフィードバックを行い、最後まで継続することが重要です。

また、目標設定はアスリハだけではなく、あなたの人生においても重要ですよね。
今はコロナのおかげか、自分と向き合える時間もあると思います。
これからリハビリを担当する選手のために、一度自分の目標を立てて、目標瀬一定の練習をしてみてください!

私の運営する【ATCと考えるアスリハの会】というサークルでは、アスリハのプロトコルやtipsはもちろん、今回の内容のようなものも投稿しています。
一緒に勉強したいという方のご参加お待ちしています!

最後まで読んでくれてありがとうございました!

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