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『消費者購買行動年鑑2023』発売のお知らせ~主要カテゴリーレポートのご紹介

 研究員 五箇勇一

 株式会社True Dataと弊所は、2013年より、毎年『消費者購買行動年鑑』を共同で発行しています。こちらのデータ集は、全国6000万人規模の購買情報(ID-POS、会員購買データ)をもとに、スーパーマーケット(以下SM)とドラッグストア(以下DGS)の2業態の購買状況を確認することができるようになっています。
 最新版の『消費者購買行動年鑑2023』では主要カテゴリーレポートのカテゴリー数を増やし、SM編では、主要食品・日用品80カテゴリー、DGS編では100カテゴリーを掲載しています。詳細は、下記リンクからご確認ください。

 こちらの記事では、発売にあたり、主要カテゴリーレポートがどういったものなのかをご紹介したいと思います。
 主要カテゴリーレポートとは、主要カテゴリーについて、各カテゴリー見開き2頁でカテゴリー購買実績、性年代別実績、時間帯別実績、季節トレンドについて、グラフ・表などを用いて、見やすくまとめています。
 以下に、あるカテゴリーでの実例を用いて、見方を紹介します。

カテゴリー購買実績

 指標をカテゴリーごとに集計しており、カテゴリーの基本的な購買特性を把握するために利用できます。具体的には、全体と連続アクティブ®会員の双方について、以下12の指標と各指標の前年比を掲載しています。
 (※連続アクティブ®とは、株式会社True Dataの登録商標で、2022年の1年間、SM編では2週間に一度以上、DGS編では毎月買い物をした会員のことです。反対に、全体の数字は1度のみの来店など含めて、全ての購買データとなっています。)

・会員内購買率
・1人当たり購買金額(円)、1人当たり購買点数(点)
・購買商品単価(円)
・購買頻度(回)
・購買間隔(日)
・会員金額PI 、会員点数PI

(※PIとは、来店者1000人あたりの購買金額、購買点数の指数です。1人当たりが購買者当たりであるのに対し、PIは来店者当たりである点が違いとなります)
・来店内購買回数比率
・来店当たり購買金額(円)、来店当たり購買点数(点)
・リピート率

出所:『消費者購買行動年鑑2023』より加工

 具体的には、上記のような数表を掲載していて、一覧的に確認できるようになっています。このカテゴリーでは、2022年の購買実績としては、金額PIが24785.8円で、点数PIが56.7点で前年より伸びていることがわかります。
 各指標、カテゴリーごとに特徴がみられますので、基本的なカテゴリー情報としてご活用いただけます。

性年代別実績

 性年代別の各指標を集計していることも特徴の一つで、「主要カテゴリーレポート」には以下のような一目で比較できるグラフを掲載しております。具体的には、購買人数、購買金額、購買点数の構成比、1人当たりの購買金額・点数、来店当たり購買金額・点数、会員内購買率、購買単価をグラフ化しています。

出所:『消費者購買行動年鑑2023』より加工

 このカテゴリーでは、1人当たり購買金額・点数では、男性が多いのがわかります。また、購買単価は、年代が高くになるにつれ、上がっているのが確認できますし、若干女性の方が高くなっていることが見て取れます。
 このような性年代の購買実績という基本情報を確認できるとともに、他のカテゴリーと比較して、カテゴリーの特徴を見出すことも可能です。

時間帯別実績

 時間帯別の各指標を集計していて、「主要カテゴリーレポート」には一目で比較できるグラフを掲載しております。具体的には、購買金額の構成比を棒グラフに、購買人数の構成比を折れ線グラフにしています。

出所:『消費者購買行動年鑑2023』より加工

 このカテゴリーでは、16-18時に山があり、夕方に購入されている方が多く、次いで、10時-12時にもう一つ山があることが確認できます。また、17-21時ころの時間帯は、購買人数の構成比が購買金額の構成比より高くなっており、単価が安いもの、容量が小さいものを購入している方が多いことが読み取れます。
 このように時間帯別の実績からも、改めてカテゴリーの基本的な購買実績が確認できるとともに、売れやすい時間帯や、上記のような特徴に合わせた販促の企画などにもご活用いただけます。

季節トレンド

 各週の購買金額と購買点数それぞれについて指数化し、「主要カテゴリーレポート」には一目で比較できるグラフと表を掲載しています。

出所:『消費者購買行動年鑑2023』より加工

 このカテゴリーでは、年末の時期に大きく山があることが確認できます。加えて、GWやお盆、9月の連休の時期も山になっており、大型休暇の時期に購買されやすいことが考えられます。また、その山のタイミングでは、金額の方が点数を上回っており、より単価の高いもの、容量が大きいものが購買されていることがわかります。
 このような基本的な購買のされ方を確認することも可能ですし、他のカテゴリーと比較することで、カテゴリーの購買のされ方の特徴を把握することが可能です。

『消費者購買行動年鑑2023』

全国6000万人規模の購買情報(ID-POSデータ)をもとに消費者の購買行動を捉えるデータ集です。マーチャンダイジングに活かせる重要な指標をカテゴリー別に掲載しており、小売業の売場づくりやメーカー・卸売業の提案活動にご利用いただけます。スーパーマーケット編とドラッグストア編の2冊構成です。

今後、データを活用した分析事例の掲載を検討しています。ご要望がありましたら、お応えできるかはわかりませんが、コメント欄にコメントをいただけますと幸いです。