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【気まぐれ日記】#12「”今年の100人の女性”に、女性杜氏が!」

イギリスのBBCが毎年選ぶ「今年の100人の女性」に、
広島の今田酒造の杜氏の今田美穂さんが選ばれた。

「今年の100人の女性」に
日本人女性が入ったこともすばらしいが、
女性杜氏が選ばれたと聞いて、もっと驚いた。

IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)にも
「SAKE部門」があるくらいだから、
海外でSAKEがブームになっていることは知っていた。

だが、恥ずかしながら、このニュースを目にするまで
女性杜氏がいるとは知らなかった。
杜氏は「男の集団」だと思い込んでいたから。
なんという偏見だろう。

酒蔵はいわゆる女人禁制だと思っていたので、
いつから女性杜氏が生まれたのだろう?
と疑問に思って調べてみた。

杜氏は、もともとは女性の職だった⁈

杜氏の語源といわれるのが、「刀自(とじ)」
「刀自」とは、家を守る女性つまり主婦のこと。
彼女たちを尊敬をこめて「刀自」と呼んだ。

そう、だから、杜氏は女性を指している

古代の酒造りは、
映画「君の名は。」で有名になった
あの「口噛み酒」
ヒロイン三葉が噛んだ米を吐きだしていた、あれ。

米を噛んで唾液とともに吐きだし、
唾液酵素のアミラーゼの力で
アルコール発酵させて造る。

その仕込みに重要な米を噛む役目は、ずっと
巫女をはじめとする女性がになってきたのだとか。

ふつうの家庭では、味噌と同じように酒も
その家の主婦が造っていて、
酒造りが女性の仕事だった歴史のほうが長いようなのだ。


では、いつから女人禁制に?

どうやら江戸時代以降らしい。

理由はいろいろ言われていて。

女性は糠をさわるから、酒酵母に影響を与えるから、とか。
月経からくる”血の穢れ”を忌み嫌ったから、とか。
月経時に酵母の発芽をおさえる毒素を発生させるから、とか。
これをドイツ人の科学者はミトゲネティック光線と名付けたらしいけど、
今では科学的根拠はないそうだ。

血の穢れは、高野山が女人禁制だったり
土俵が女人禁制なのと、
よく似た理由だから、さもありなんだろうか。

もっと実際的な理由は、
時代が下るにつれて酒の仕込みが大掛かりになり、
力仕事になって、女性では危険になったから。

それと、農閑期の出稼ぎとしての
「杜氏集団」の形成も大きかったのかな。


現在、約20名の女性杜氏がいる

酒の仕込みも機械化が進み、
力仕事でなくなってきて。
また、農閑期の出稼ぎもなくなってしまったこともあり、
女性杜氏が活躍するようになったそうだ。

和久井映見がヒロインを演じた「夏子の酒」も
女性が日本酒造りに目を向けるきっかけにも。

今は、「男の現場」とみなされていた場所でも
女性が活躍するようになっている。

そういえば、我が家のリフォームのときにも
女性の大工さんが一人いて、
かっこよかったなぁ。

今田美穂さんの快挙と、
がんばる女性たちに、
乾杯を。







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