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月に恋したっていいじゃないー麗しのサブリナよりー

ヘプバーンといえば「ローマの休日」。おそらく世界中から愛されているであろう、とある国の王女のラブストーリー。

昔からへそ曲がりで偏屈な私は、あの手の王道ラブストーリーはあまり胸にキュンと響かず(でも、カンチとリカの「東京ラブストーリー」は好きだ)、ヘプバーン作品、実はあまりちゃんと観たことがなくて、ゴメンなさい。

とは言っても、映画「麗しのサブリナ」で一躍有名になったサブリナパンツは昔から好きで、あの枝のように細いヘプバーンの脚にピッタリと張り付いた、まるでオーダーメイドのような黒のサブリナパンツに憧れた。
名前からして、サブリナ、っていいよね。と思いながら、この映画をちゃんと観たのは最近のこと。

物語はヘプバーン演じる主人公サブリナをめぐるラブコメディーなのだけど、これが、なかなか一筋縄ではいかないストーリー。最初、彼女が恋したのは、事もあろうに父親が運転手としてお仕えする富豪のご子息、プレイボーイの次男坊なのだけど、次第に、仕事一筋、恋には無縁の兄に惹かれていく。

観ているうちに、次第にこの、真面目で朴訥とした、だけど内面に優しさを秘めた兄に惹かれていくヘプバーンの気持ちが手に取るようにわかって。

イイネ!と思ったのがいたるところに会話のエスプリが効いているところ。
笑いやユーモアのセンスはさすが、ビリー・ワイルダー監督。
観ながらクスクスと笑った。
(笑いって人生のエッセンスにすごく大事ですよね)

その素敵な会話のいくつか、とっさにメモを取りながら観た。
そうそう、映画のセリフも胸ときめく名文たちの宝庫だよね。

「幸福な恋をしている女性はスフレを焦がす。不幸な恋をしている女性はオーブンのスイッチを入れるのを忘れる」
(料理教室に通うサブリナ。恋で頭がいっぱい。スフレを作る実習で、彼女だけスフレが膨らまない。恋にうつつを抜かしオーブンの火をつけ忘れたのだ)

「あなたが彼に恋するのは、まるで月に恋するようなもの」
(サブリナが恋したのは、昔からお仕えする資産家の次男坊。身分差から、周囲からは叶わぬ恋だ、サブリナ、諦めろ!と大合唱の嵐)

「月にロケットを飛ばす時代だぞ」
(料理教室でサブリナと共に料理を学ぶ品のある男爵。彼女が叶わぬ恋に悩むのを知って、相手が月であろうと、身分差なんて関係ないと応援する)

この映画、思いのほか私のインパクトに残ったらしく、その夜に観た夢で、なんと私は、映画のストーリーさながらに、渋めのイケメン兄弟と三角関係の恋に落ちるサブリナのような女になりきっていたのでした。

(夢はいつも支離滅裂かつドラマティック!)

またあの夢の続きが観たい。





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