見出し画像

映画『異人たちとの夏』感想


1988年公開の映画
『異人たちとの夏』感想です


山田太一さんの小説が原作という事ですが
原作は読んでいませんので
映画をみて感じたことや、感想になります

ちなみに、2024年4月公開
アンドリュー・ヘイ監督の映画「異人たち」も原作は同じです




あらすじは・・・


シナリオライターをしている
原田英雄(キャスト;風間杜夫)の部屋に
同じマンションの3階に住んでいるという
ケイ(キャスト;名取裕子)という女性が突然訪ねてきて
飲みかけのシャンパンを一緒に飲もうと誘ってきますが
英雄はその女性を追い返してしまいます

しかしその後、英雄とケイは付き合うようになります

ケイがはじめて部屋にやってきた頃
英雄は、かつて自分が暮らしていた街を訪れます

そして、亡くなった父親にそっくりの男性に出会い
誘われるがまま、家までついていきます
すると、その男性の家には、母親そっくりの女性が!!

なんと、この世にはもういないはずの
亡くなった英雄の両親でした

それから英雄は、亡くなった両親が暮らすその家に
通うようになります


そして、両親との時間を過ごすたびに
生気を奪われていくようになります

亡くなった両親と過ごす時間を
失いたくないと思う英雄でしたが
ケイにもう会わない方がいいと言われて
両親と別れる事にします

しかしそのケイという女性も
実は、この世の人ではありませんでした

妻と離婚して
1人で暮らしはじめた英雄が
ケイというこの世のものではない存在と愛し合い

亡くなつた両親と過ごした
不思議な夏の出来事
幻か夢か現実か
そんなストーリー展開でした

感想



英雄は幼い時に両親を事故で亡くし
いつしか大人になって
結婚して、になり
離婚して1人になった

両親の死への悲しみも薄れて
両親を想い出す事も少なくなっていた
そんな男の前に
亡くなったはずの両親が現れ

自分に愛情を注いでくれる両親が
親の愛情に包まれていた時の自分に返してくれる
それは、はるか昔に忘れてしまった感覚でした

亡くなった両親と過ごした
奇跡の数日
幻想的なストーリーでした

英雄は、両親の死を
実はちゃんと悲しむことが出来ないまま
大人になってしまったかもしれないなと思いました

両親との奇跡のような時間が終わり
ちゃんと悲しんで
両親の死を再び受け入れて
さよならが出来たのかなと思いました

幽霊を幽霊としらず愛しあったことで
自分がまた誰かを想ったり
求めたりできる事に気づかされた
そんな事も感じましたが

ケイが現れたから
英雄は、非現実的な世界とつながった
そういう事なのかなと思ってます
(くわしく描かれていないので想像です)

ケイが消えるシーンですが
ホラーでした

本当は一緒に行きたかったけど
英雄に生きてほしいと思ったから
あえて胸の傷を見せて
恐怖感をあおったのではと思いました

ケイは存在がすこし不思議でした

なぞ



作中登場する不気味な絵
何か、不思議な力を持っていたのだろうか
不思議な現象はあの絵の力なの

実は、ケイという女性が
英雄の生気を吸い取っていたのでは?

英雄の目の周りが黒い時が現実世界にいて
黒くない時は非現実的な世界にいる
そういうことだったのかな

など謎な部分がありました

最後に

私も、父にはもう会えません

自分が大人になったからこそ
話したい事
話せる事があるなと思います

それが、もしもう二度と会えないとしたら

そして、もう一度会えたなら

どんな事をして
どんな話をするだろう

そんな事を思わせてくれる映画でした
「異人たちとの夏」感想でした
dekoo




この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?