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ワシントンDCとトランプ

ワシントンDCはアメリカ合衆国の首都である。まさに首都に特化した街である。政府と議会と省庁に関連した人間・ビジネスだけで成り立っている特殊な土地で、石を投げれば弁護士に当たるといわれるほどだ。DCで力を持つということは真の政治力を得るといわれている。政治力を夢見る野心溢れる人々が街を闊歩し、この国をそして世界を動かしているのはこの街にいる人間だと誇示していた。

私は大学時代をこの街で過ごした。その頃(2000年代初頭)のDCは世界中の政治力でみなぎり、スキャンダルに溢れ刺激的な街であった。私もこの街に大いに感化され、いつかはここで活躍する日本人になってみたいと思ったものだ。DCはニューヨークとは違った、力を象徴する街だった。

だがこの春訪れたDCはめっきり変わってしまい、私が知っているDCではなくなっていた。政府の力を体現してきたこの街に活気が全く感じないのだ。トランプ大統領はDCのやり方が気に入らないらしい、というよりもDCの力などは必要としていないようだ。弁護士、ロビイスト、圧力団体、官僚・・・、彼の前に立ちはだかるDCのpolitical powerを彼はことごとく一蹴し、彼自身のNew Leagueをこの国に作ってしまったのだ。

Kストリートのビルには空き室が目立ち、ジョージタウンのバーは閑散としていた。アメリカ政治の混沌が街角にも出ているようだ。あの活気と力に満ちたDCを取り戻すには、新しい大統領が来るしかないのか。さあ,いよいよ大統領選が始まる。