おかえしガチアンチのバレンタインデー

「本当に申し訳ないとおもっている。」

某クソ映画の博士のように、この時期はなんともいえない気持ちになる。

バレンタインデー、年に一度、好意もしくは義務でチョコをあげたり貰ったりしても恥ずかしくない日。

そんな日に、ジブンは良い思い出が正直ない。

ここから先、キモおじの妄想だと思われてもヤなので、ジブンの人物像を、主観まじりの客観的にわかりやす〜く書く。

・ジブン:フツメン、背は低く色白、頭は悪くないが良くない、クラスにいる障害はなさそうだけど異常に無口なやつ。

こんな感じだ。
ちなみに、高校〜社会人の現在に至るまで、女性に「女の子みたいな手してるね」と言われたりとか、教室にジブンと女子グループだけがいる状況で「生理ってさぁ…○○が辛くね?」という明らかに男を意識していない会話を繰り広げられるぐらい、オスとして認識されていない。

そんなジブンにも、いわゆる"モテ"があった。

はじまりは幼稚園、バレンタインデー、20年近く前のいま時期、ジブンのナナホシ組では激エロイベントが開催された。

イベント内容は、

①男が全員着席、女が全員起立
②男は目を瞑り手を後ろにやる
③女が好きな男の手にチョコ(持参or先生用意)を置く
④置かれていない男には慈母神こと先生がチョコを置く
⑤目を開けてみんなハッピー

という、神イベントだ。
顔面最強真君は、手に溢れんばかりのチョコを手にし、にんまり。
自らの顔面と普段の態度を客観視したことない者も、手の市販チョコに、にんまり。
好きな人に好きと伝える(直接的ではないが)ことが出来て、女子はにっこり。


もちろん、ツラと態度がキモくないジブンは、開始早々手に「市販わしゃわしゃビニール包装」ではない」感触を得たため、勝利していた。

ま、一個だけだが。

正直、認識していないコからのチョコだった。
(その日の帰り際、互いの親同士が話して認識)
話したことないし、優しくしたこともないタイプの関わりがないコ。

ひねくれキッズのジブンは嬉しさよりも、 
「なぜ?ほんとか?なにをもってして?」
という気持ちの方が強かったことを覚えている。

そして、ここからがヤな思い出となるのだが、バレンタインデー最大の悪習にして素晴らしい文化である、"""""おかえし""'"'をすることになる。。。

「おかえし」しなきゃね。
母に言われて急に恥ずかしくなった。

「このオレが、女の子に、プレゼントを!?!?
ムリムリムリムリ、話しかけることすはハードルが高いのに、あんま知らないけど自分のことが好きな人にモノをあげるのなんて、嫌がられたらどうしよう?キモがられたらどうしよう?あ"あああ」

ってなった。
今思えば、好きな人からのプレゼントなら基本何でも嬉しいし、圧倒的にこちら側が有利()なので、おかえしにはなんの問題もないのだが。

その後、保護者同伴でおかえしを購入。
保護者同伴でおかえしを引き渡し、任務完了。

「ふぅ、二度とこんな恥ずかしい思いしてたまるか」
と思ったことを覚えている。
今思えば、人の好意に対して不誠実すぎる。

こんな不誠実幼児は、成長し、少年となった。

ツラと態度が悪くない少年に、またあの日が、
保護者同伴ナシでやってきた。

小学3年生の2月14日。
今でも覚えている。

初めてのクラス替えがあった年の初めてのバレンタインデー、2年生までのソレとは違う、新キャラ追加アップデート後のバレンタインデーだ。

この年から確変が起きており、
「平成女児チョコ全員配り女児(SSR)」がいたのだ!!!!!
男子全員モンモン、一人ずつ教室に入ってきた順に呼ばれ、チョコを受け取っていた。

しかし、ただ一人、ジブンだけは「受け取りたくねぇ…おかえし…ヤダ…」と思っていたことがオーラとして出ていたのかは知らないが、すぐには呼ばれなかった。

これ、チョコ回避可能か?って思っていたのも束の間、「全配り女児応援女児」にちょっとしてから呼ばれた。

(おいおい、話したことほとんどないからって、忘れられてた?ひどい…とは思わないけど、ちょっとかなしくはあるな…)スタスタスタ

全女『はいこれ、さいしょにつくったの。』
ジブン「ん?あザッス…!」

(?出席番号オレ1番だったっけ?友達もみんな既に貰ってるな………あれ、なんかオレのチョコ、デカくね?)

……すぐには理解できなかったが、察した。
これ、"'そういうコト""じゃん……

そして、こう思った。
これ、全配りしてるし、仮にそういうコトだとしても、「オレ、バカだからわかんなかったからよ…」 「クラスの全員が返すならオレはまァいいかと思っちゃったわ」が通用するのでは???

今思えば、そんなの通用するわけないし、明らかに自分に対しての好意を、今回に関しては面と向かって伝えられた(直接的ではないが)のに、それを無下にするなんてあり得ない。 

しかし、おかえしガチアンチの自分は思考ロック、返さんくても…バレへんやろ…まぁいいやろ…
そもそも、全員はお返ししないやろ…
とか思って1ヶ月すごした。

1ヶ月たった。
おかえしの日、思っていた倍の人数その全配り女児におかえししていた。

「ヤベ…」

俺だけなんもねぇ…
陽気な友達に言われた。
『あれ、おかえしした?』

「忘れてた」

『おい!こいつおかえし忘れてたらしいから!あやまりいこーぜ!!!』

はい、ラッキーです。これ。と思った。
不義理な自分を、陽気な友達とともに茶化しつつ、謝罪をする。おかえしをしたくないジブンにとっては、これ以上ないカタチの誤魔化し方だ。

ガラガラ
『全女!○○が言いたいことあるって!』
「ごめん!おかえし忘れちゃったから、謝るね!ごめんね!」

ヨシ!おかえしを忘れたことに加え、おそらくこのあとも別に用意しない感じを出しつつ、謝罪までした。ヨシ!!!!
と思ったが。

全配り女児、
いや、ジブンのこと好きな子は悲しそうな顔をしていたし、とりまきの子は冷めた目でこちらを見ていた。

その翌年から、全配り女児は全配りしなくなった。
ちなみに、ジブンもチョコを貰うことは無くなった。

齢9歳にして、自分がなにもしないを選択したことにより、人に悲しまれること、呆れられることを経験した。


こんなことがあったため、ジブンは本命に返さなかったぞ!だから義理には返さないぞ!!と誓い、今の今までただ貰っても返す気のない失礼なやつとして過ごしてきた。

なんなら高校では、部活の女子から「ごめんね」と言われながら義理を渡された。
そんなに嫌そうな顔してたのだろうか、ジブンの中でチョコはトラウマめいたものとなっているのだろうか。

うーん。

人付き合いってムズカシーネ!!!


※補足。全配り女児はほんとにお前が好きだったのか?について、小学校中学校と同じだった全配り女児は、オレニダケボディタッチメッチャシテクルシフタリキリニナッタトキダケキンチョウシテキタので、小学校3年生時点ではたぶん好きです。


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