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高齢者向け健康ビジネスの新たなフロンティア 〜次世代フットケア産業の展望〜

「変形性膝関節症」という疾患は、わが国における深刻な社会問題の一つと言えるでしょう。自覚症状を有する患者数は約1,000万人に上り、更にはX線診断に基づく潜在的な患者数を考慮に入れれば、その規模は約3,000万人と推定されます。特に、50歳を超えると女性の患者数は男性の約2倍にも昇り、60歳以上の女性では60%~80%がこの疾患を持っているとされています。

こうした問題意識を背景に、ビジネスの視点から解決策を模索するとき、現状の主要な対策としてはサプリメント、膝関節サポーターや専用のシューズが挙げられますが、これらだけでは十分でないと言えます。より包括的な視点からのアプローチとして、新たな領域「次世代フットケア産業」の創出が可能と考えられます。

具体的な事業展開としては、歩き方の分析と改良を指導するセミナーの開催、高齢者向けのウォーキングやハイキングをサポートするアプリケーションの開発、見た目にも優れた杖、自己診断キットの提供などが考えられます。さらに、下肢に特化した健康診断の実施や、歩行トレーニングと下肢のヘルスケアやリハビリテーションに重点を置いたサービスを提供することも考えられます。また、最先端の甲殻型ロボティクスを活用した歩行支援も視野に入るのではないでしょうか。

これらの施策を一つのプラットフォームとして集約し、更に個人の歩行に焦点を当てたPHR(Personal Health Record)と連携させることで、新たな総合フットケア産業としての創出が期待できると思っています。


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