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【EDH】コマサミTC10周年SP ガチコマ参加レポート@ラザケシュ

 2023.8.20に開催されたコマンダーサミットTC10周年SPというイベントに参加したためそのレポート記事である。今回は特別ゲストによるイベントも開催されており、また対戦スペースとフィーチャーテーブルのすぐ傍に設置された販売ブースにてプレイマットや構築済みデッキ(人気で入手困難なものも)等が多数並んでおり、これまでのコマサミより豪華なイベントとなっていた。

 参加枠が事前予約のみで定員となる程の人気ぶりであり、統率者というゲームの人気が高まってきている事に疑いの余地はない。また本イベントではレベル分け制度によって同卓するプレイヤー間でのゲーム速度のズレが生じにくくなるようになっている。通常の統率者以外にもカードプールを限定した「パイオニアEDH」、更に派生形のフォーマットである「オースブレイカー」「ヒュージリーダーズ」もしっかりサポートの体制が整っている。

 そういった様々な統率者の遊び方が出来るイベントだが、自分が参加する時は基本的に狙いは一つ。勝利を追求したデッキ同士でしのぎを削り、その日の頂点を目指す大会形式で開かれるガチコマオープン。最初は全員持ち点が1000ポイントあり、勝敗の度に変動するシステム。予選ラウンド3回戦の後にポイント所持数上位16名が準決勝へ進み、4卓それぞれの勝者が決勝卓で最後の座を争う。過去にもガチコマでは決勝までコマを進めた事があるもののそこで散ってしまっていたため、願わくば今回こそはと思いつつも最近はどちらかと言えばレガシーにお熱だったため、勝てればラッキーという心持ちで臨んだ。一応フリー卓に混ざる気もあったので、多種多様な《タボラックス》と《ラザケシュ》の計4つを引っ提げてきたがガチコマへは《ラザケシュ》を持ち込む事に。尚結局のところ《タボラックス》は通常構築を1戦回したのみで残り2つは使わず・・・

デッキリスト

 当日使用したリストはこちら。

 指輪物語からはモダンやレガシーだけでなくEDHに於いても常連となりつつある《一つの指輪》《オークの弓使い》を採用。リソースを吐き切って《ラザケシュ》着地を狙う一方でリソース回復手段が全然無いため、一度出鼻を挫かれた際に復帰するためにも設置しやすいリソース回復手段として採用。《弓使い》は仮に他の誰も追加ドローしなかったとしても2マナで頭数2体分になるだけでも十分。

汎用パーツ

 狙ったわけではないが、《ラザケシュ》を除いてデッキ内のカードが綺麗に生物/非生物/土地でちょうど33枚ずつという割合になった。

1ラウンド目

①《舞台座一家の料理人、ロッコ》
②《ラザケシュ》
③《アーカム・ダグソン》
④《偉大なる統一者、アトラクサ》

4人中3人サーチ要素のある統率者

 《ロッコ》は2ターン目に《護衛募集員》で《波止場の恐喝者》をサーチ。自分は2ターン目《沼の妖術使い》で盤面に既に5マナ+生物1体のため見た目だけでももう少しマナが伸びると走れる状況。現に《宝石の睡蓮》を抱えているため、何もなければ次のターンには走り出す予定だ。

暗黒の儀式スペルシェイパー

 《アーカム》はミシュラランドと併せてこちらを削りに来たためスルー。《アトラクサ》は特に大きな動きはなく2ターン目青含む土地2枚立ててパス。3ターン目《ロッコ》は《波止場》出さずに緑白土地1枚だけ立てて《花を手入れする者》展開。無事ターンが回ってきたため、《宝石の睡蓮》経由で《ラザケシュ》着地。火種は1体だが沼1枚立っているためルートに入れる体制。青が二人いるが、マナを立てている《アトラクサ》方向へ《悲嘆》。特に妨害札は無かったものの、残り2人からの妨害があった場合は仕方ないと割り切ってルートへ入る。結果二人とも妨害を持っておらず、無事完走。

※火種1体+黒1浮き状態からのルート解説
《巣のシャンブラー》サーチ
→2回分サーチ可能なためまず《LED》をサーチ
→手札切って黒3浮き+残り火種1体→《ギックスの僧侶》サーチ
→《動く死体》で《ギックスの僧侶》リアニして黒4浮き
→《陰極器》サーチ&即生贄に黒1無色3浮き
→《無情な屍技術師》着地誘発スタックで《屍技術師》生贄、《酷叛明神》サーチ。その後《ラザケシュ》を生贄(墓地へ)に宝物8つ生成。
→《酷叛明神》着地&起動で全てリアニ
→再び《ギックスの僧侶》《屍技術師》(《悲嘆》)誘発。《酷叛明神》生贄に宝物5+黒3浮き。
→《ミケウス》サーチ
→《陰極器》不死で2回生贄に6マナ浮きから《トリスケリオン》。

いつものルート

2ラウンド目

①《ロッコ》
②《ラザケシュ》
③《織り手のティムナ》+《ルーデヴィックの名作、クラム》
④《織り手のティムナ》+《東の樹の木霊》

1・2番手は先ほどと同じ

 自分は2ターン目《スランの発電機》設置。《ティムクラ》は《デモチュー》《神秘的負荷》絡めて下準備。3ターン目《生き埋め》+《動く死体》こそ揃っていたものの、《ティムナ木霊》が2ターン目に3マナあるにも関わらず《ティムナ》を出さなかったため《敵対工作員》《エイヴンの思考検閲者》を構えていると判断。そのため生贄の火種こそ無いが、仮にそれらが出てきたとしても最悪3回殴って落とすつもりで《ラザケシュ》着地。《ティムクラ》からは《ティムナ》着地。そのエンド時に《ティムナ木霊》からは案の定《思考検閲者》が飛び出てくる。《生き埋め》打たなくて正解だった。

天敵

 《ティムナ木霊》からは《一つの指輪》着地。こちらも《一つの指輪》着地&起動で引いた《壊死のウーズ》。まだ墓地に何もないものの《思考検閲者》が退くと《動く死体》を使わずとも《生き埋め》さえ通れば勝利が見える。しかしその間に《神秘的負荷》でのドローも重なっている《ティムクラ》が《むかつき》で走る事を懸念して《ラザケシュ》で8点パンチ。そして渡った《ティムクラ》のターン、案の定飛び出す《むかつき》。

cEDHではお馴染みの大量ドロー

 これを止める術を持つプレイヤーがいないため解決。しかし捲れるカードが若干重く、みるみる内にライフが溶けてゆく。先ほどの8点パンチも効いており、《思考検閲者》がいるにも拘らずサーチ札が多く捲れてゆく。《死の国からの脱出》こそ見えたものの、除去や《思考停止》《LED》は見当たらないためライフ1でストップ。《波止場の恐喝者》《幻影の像》で何とかマナを工面し、《死の国からの脱出》を絡め、ランダム4枚から完走に必要なパーツもしくは除去札を探すべく《ギャンブル》を連打してゆく。《思考検閲者》が効いているため中々お目当てのものに辿り着けず、宝物トークンと墓地が消耗してゆく。残り1,2回程度が限界なところまで墓地を食ったところで除去を引き当てたようだが、ランダムディスカードで大量の手札を抱えているにも関わらず《剣を鍬に》が落ちる・・・しかしまだ脱出できるだけの墓地があるため《思考検閲者》を処理する事に成功。その後、見た目最後となりそうな脱出《ギャンブル》で《LED》に辿り着いて勝利・・・そう思った矢先、ランダムディスカードで《LED》が無慈悲にも落ちる。もう墓地のカードは無く、何とか頑張って脱出用の墓地を肥やす手段も無いため泣く泣く7枚の手札を残し、残りの手札と《死の国からの脱出》を墓地へ送ってパスを選択。帰ってこないと思ったターンが返ってきそうだ。

どちらか片方だけでもギャンブルで落ちなければ・・・


 《ティムナ木霊》から《大修道士、エリシュ・ノーン》が着地し、《ロッコ》が《キキジキ》等で走るのとこちらの小粒な火種を一応止める格好に。《士気溢れる徴収兵》で《ラザケシュ》を一瞬奪うが、特にそれ以上大きなアクションが無いままターンが返ってくる。一応念のため《ティムクラ》プレイヤーのライフを削り取ってから《生き埋め》で《Phyrexian Devourer》《トリスケリオン》を落とし、無事おにぎりウーズが成立。

昭和のコンボ

3ラウンド目

①《意志を縛る者、ディハーダ》
②《ティムナ+クラム》
③《ラザケシュ》

3人卓

 最後は3人卓。ここまで2勝出来ているため仮に負けたとしても準決勝への進出ラインとなる上位16位には入れるだろうが、折角なら3勝を収めて高い順位で準決勝を迎えたいところ。
 3ターン目、《ディハーダ》からはフルタップ《一つの指輪》設置。《ティムクラ》からは《ティムナ》着地。そして自分のターンに入り、《ラザケシュ》着地、《悲嘆》で《否定の力》を落としそれ以外の妨害札が無い事を確認済。以降のルートは上述参照。コンボ完遂ではあるがプロテクションを得ているため《ディハーダ》のアップキープ時に改めて無限ダメージを打ち込んで勝利。

 予選ラウンドを3-0の2位で突破。(1位通過は同じく3-0のたけむーさん)
準決勝は予選ラウンドの順位が高いプレイヤーから先にA席(1番手)へ座る事が出来、自分はテーブル2の1番手をもらう。

準決勝戦

①《ラザケシュ》
②《ロフガフフの息子、ログラクフ+ティムナ》
③《トリトンの英雄、トラシオス+ティムナ》
④《眷者の神童、キナン》

ティムナ大人気

 2ターン目までの挙動、自分は《マナキン人形》《イルミノール・スゼラス》という立ち上がり。《ログティム》は《エスパーの歩哨》《ギラプールの希望》。《トラティム》は《トラシオス》《リスティックの研究》。走り屋達に待ったをかけようとする展開。しかし《リス研》をほとんどノーケアでマナ加速を展開する《キナン》。《キナン》の出方次第では突っ込むかを考えたが、どうせ黙っていても勝たないと判断し、危険な状況下ではあるが自分も走る事を決意。3ターン目《悲嘆》ピッチで潤沢に手札を抱えておりピッチでの妨害手段も厚い《トラティム》の手札を覗くとちょうど《精神壊しの罠》が。それを落としつつ、《イルミノール・スゼラス》で《悲嘆》をマナへ変換、《ラザケシュ》着地。

前方確認しつつ一気に4マナジャンプ

 土地は沼2枚あり、未セットランドため《Lake of the Dead》経由で《防御の光網》設置。これで《リス研》で引かれ続けてもほぼ干渉不可能の状況に(一応《Elvish Spirit Guide》+《耐え抜くもの、母聖樹》で割られる可能性はあるが)。後はいつものルートに入り勝利。

 遂に、そして久しぶりにやってきた決勝卓。一番卓という優位を活かし、走りきる事を目指す。

決勝戦

①《ラザケシュ》
②《フェイに呪われた王、コルヴォルド》
③《大いなる歪み、コジレック》
④《伝承の語り部、チュレイン》

共闘不在の代わりにエルドレインブロール産統率者2種

 《巣のシャンブラー》《マナキン人形》と立ち回り、次ターンまでに妨害が無ければ見せていない《宝石の睡蓮》《古えの墳墓》から完走を目指していたが、それを見越してか《コルヴォルド》から飛んでくる《悪辣な略奪》X=1。前ターン疾駆で走った《ラガバン》の宝物トークンがあるためX=2まで射程だが、《喜ぶハーフリング》は落とさず残りマナを《ラガバン》通常キャストへ。

焼肉鉤

 しかしこちらもまだ走る事を諦めてはいない。《極楽の羽ばたき飛行機械》を追加し、再び次ターン走るための下準備を整える。しかし他プレイヤーも《コルヴォルド》は統率者が着地、誘発で置いていた《LED》をそのまま生贄に。このターン中に走る事は無くとも次ターン走りきる算段が立っているであろう。《コジレック》からはマナファクト展開+《一つの指輪》。《チュレイン》も前ターンに《オグマの文書管理人》を立ててから統率者が着地と全員準備が整っており、迎えた4ターン目。今度こそマナ加速から《ラザケシュ》を着地させ、《防御の光網》で勝負にかかる。が、これは《精神壊しの罠》をもらう。

ほぼリス研

 《オグマ》下で走る必要が出てきたため、《悲嘆》をサーチ・・・しかし対象は《コルヴォルド》方向。《偏向はたき》《忍耐》を隠し持たれていた場合を懸念してのプレイで、しっかり《偏向はたき》を炙り出す。《悲嘆》は対戦相手のみ対象で、且つ《コジレック》は《一つの指輪》でプロテクションを得ているため曲げるとすれば《チュレイン》方向しかない。その結果《精神的つまづき》を落とす事に成功し、《再活性》で《巣のシャンブラー》を吊り上げ、いつものルートの《酷叛明神》まで漕ぎつける。その後《ミケウス》サーチ&キャスト・・・のところで《緻密》。

 これにより《ミケウス》はライブラリーへ戻され、且つフェッチランドを置かれ、《水連のコブラ》もいるためマナが少し出せる状況になってしまう。こちらも宝物2つしか残っていない状況であるため、改めてルートを走り直す必要が出てくる。一度見た手札の中に《断れない提案》が見えていたため、《オグマ》対象に《切り崩し》を唱えて予定調和でこれを打ち消される。ここで宝物が3つになり、《陰極器》と併せて黒3無色3の計6マナまで確保できる状況ではあるが、まだ《ミケウス》は持ってこない。《致命的なはしゃぎ回り》を探し、《オグマ》を対象に取ったところで上から《召喚の調べ》がX=3で打たれる。

 X=3だと予選でも別のデッキから出てきた《思考検閲者》がちらつくが、3マナの生物が出てくるとは限らない。これが《幻影の像》で《ラザケシュ》のコピーとなった場合は更に厚い妨害をくぐる必要が出てくるため、それを阻止するため《敵対工作員》を合わせ、結果そこに対する対応は無く《召喚の調べ》を乗っ取る。

使われると憎いが使うと頼りになる奴

 手札の確認も行い、特にそれ以上の割り込み要素は無い事を確認しつつ《幻影の像》を一応抜き取る。《オグマ》もようやく除去したものの、使えるマナは残り無色1宝物2でライフも何だかんだでもう残り11。しかしこの状況下でルートを再開できるカードが1枚存在する。

それはこちら。《目覚めた潜伏工作員》

 一見するとリアニメイトの亜種のような生物。だが普通の釣り竿と違うのはコピーとして出せる事。そう、《酷叛明神》のコピーとして戦場へ

 《酷叛明神》が破壊不能カウンターを得る条件に「手札から唱えていたなら」という一文が書かれているが、《目覚めた潜伏工作員》のようなコピーでも問題なく乗って出てくる。改めて起動し、マナを回復したところで《ミケウス》を戻し、《投石攻撃の副官》《朽ちゆくゴブリン》を揃えて無限ドレイン。《一つの指輪》でプロテクションを得ている《コジレック》以外の二人のライフを吸い尽くす。

頑強と不死で無限にサクれるため無限ドレイン

 また無限サーチも成立しているためマナ加速を並べ《トリスケリオン》を立ててターン終了。アップキープ時に片方の無限を打ち込み、《屍肉漁りの地》起動に合わせてもう片方の無限が決まり、無事勝利。

ガチコマで悲願の優勝を達成!

振り返り

 決勝戦は結果的に長い手順を踏む事になってしまったが、最初から《悲嘆》を《チュレイン》方向に切って《精神壊しの罠》を消費させて《防御の光網》でもっと楽にルートに入って完走まで行けていたとか、最後に《トリスケリオン》を置いてターンを渡さずともライフ90以上になったため《ケリク》《アスフォデルの灰色商人》を持ってきてプロテクションの上から吸い尽くせたためわざわざ遠回りな事をしてしまったと思ったが、それはまた次のイベントに向けての反省点とする。何はともあれ、それなりに長い事使ってきた統率者でこうして競技的なイベントでの勝利を掴み取る事が出来たのは喜びも一入。先述のように最近はレガシーにお熱だったが、統率者の大会も積極的に向き合ってゆこうと改めて実感した一日であった。

告知

次回の記事はさらっと出てきた「パウパーEDH」を予定。
現在情報が公開されつつある「エルドレインの森」のカードも気になるものがあるため、9月中旬頃の見込み。

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