見出し画像

黒のマナ加速あれこれ

 昨今は店舗での大会が開催されなくなってしまっている一方、ウェブカメラやスマホを介してオンラインでも紙のMTGを楽しむ方法が浸透しつつある。中でもプレイヤー数が増加傾向にあるフォーマットは統率者戦(またの名をEDH)ではないかと考えている。筆者自身も紙のMTGに触れる機会が減ってきてしまっているが、オンラインでの対戦環境を整えEDHを楽しんでいる。大会のようなものはあまり無いが、国内でもコマンドフェストオンラインのようなビッグイベントが度々開催される事はあり、これまでに3回開催された同イベントは全て参加している。
 EDHは懐の広いフォーマットであるが、その理由の一つは使用可能なカードの範囲がヴィンテージ基準であること。昔のカードに気軽に触れられるフォーマットの一つと言えよう。膨大なカードプールから自分の統率者にフィットする1枚を探し出すというのは、それを楽しめるプレイヤーを除いて基本的には非常に苦労する作業だ。しかし色や戦略によって採用を検討すべきカードというのはある程度決まっているといっても過言ではなく、現にそういったものについて経験者達がまとめている記事も多数存在する。今回筆者が触れる内容は、嘗て黒の領分であった「一時的なマナ加速」である。         現代に於いては赤にその役割を交代しているが、昔のカードには多数存在する。その中でも持っておくと有用なもの・デッキによっては優先しても良いものをピックアップしてゆく。

・《暗黒の儀式》

画像1

 黎明期より存在する黒のマナ加速を代表する1枚。という文章自体も何度も見てきた事だろう。これ自体に1マナ使用するため差し引き2マナ得ることができる。また単に2マナ分のジャンプアップだけでなく《ネクロポーテンス》のような黒マナを複数要求するもののサポートにも役立つ。
 様々なイラストの種類が存在するため、お気に入りの1枚を探してみてはいかがだろうか。

画像2

・《陰謀団の儀式》

画像3

 《暗黒の儀式》の亜種。通常では差し引き1マナしか得られないが、スレッショルドを達成することで差し引き3マナ得ることができる。またスレッショルド前の状態でも黒3マナ出るため同様に《ネクロポーテンス》等のお供に。

・《Sacrifice》

画像5

 追加コストとして生物の生贄が必要だが、その生贄にした生物のマナ総量の黒マナを発生する。リバイズド以降の再録が無く、後述の派生版と違って黒単色で採用できる利点もあるため少しお値段が張る。

・《Burnt Offering》

画像6

 こちらも《Sacrifice》同様に追加コストで生物を生贄に、そのマナ総量分だけ任意の組み合わせで黒マナか赤マナを得られる。現オラクルでは赤マナがシンボル表記であるため黒単色の統率者では採用することができない点に注意。

・《弱者選別》

画像4

 前述の2枚同様に追加コストで生贄が必要なところまで同じだが固定で4マナ発生。前述2枚は重い生物をサクるとリターンが大きいが、こちらは軽い生物が元手でも大きなジャンプアップが期待出来る。

・《汚物の雨》

画像7

 1ターンだけ自分の土地全てにそれ自身を生贄にすると黒マナを発生させる能力を付与する。基本的にこれを通すという事は捨て身の覚悟でコンボを決めに行くしかない。土地4枚以上あれば《暗黒の儀式》を上回るマナ加速にもなる他、《陰謀団の儀式》のスレッショルド達成にも貢献する。

・《沸き立つ汚泥》

画像8

 こちらは土地を生贄にするのではなく、沼がタップされた時に追加で黒マナを発生させる能力を付与する。《High Tide》の黒版といったところ。未使用の沼3枚で《暗黒の儀式》と同等。

・《Soldevi Adnate》

画像9

 タップに加え黒かアーティファクト生物を生贄に《Sacrifice》同様のマナ総量分黒マナを発生させる生物。リアニメイトしてきた重めの生物と相性が良い他、最悪自身をサクって2マナ得る事も可能。イラストは画像の2種類、女性と男性のものがあるのでお好きな方を。

・《Priest of Yawgmoth》

画像10

 前述の《Soldevi Adnate》に似た挙動を持つ生物だが、生贄にできるのはアーティファクトのみ。得られるマナは同様にサクったもののマナ総量分。アーティファクト生物をサクる分には同じだが、こちらは各種マナアーティファクトを設置して即起動することでそのアーティファクトから生み出せるマナの分だけ加速することができる。《厳かなモノリス》《玄武岩のモノリス》《スランの発電機》《金粉の睡蓮》辺りはさながら《Black Lotus》と化す。

・《ブラッド・ペット》

画像15

 自身を生贄に黒1マナを得る。基本的にはキャストした次のターン以降でサクる事が多いが、タップ不要であるため《ヨーグモスの息子、ケリク》等がいればキャストした同一ターン中でもマナ加速として扱うことができる。

・《Basal Thrull》

画像11

 フォールン・エンパイアにしか収録されていないにも関わらずイラストが4種類もあるカード。タップと自身生贄で黒2マナが得られるが、シンボルの濃さや自身しかサクれないため基本的には《Soldevi Adnate》を優先して更にもう1種類欲しいのであれば採用することとなる。

・《基底スリヴァー》

画像14

 スリヴァー全てに《Basal Thrull》のような能力を付与するが、あちらと違ってタップが不要である。黒単色でも使われる事があるが、《スリヴァーの女王》等であればより強く扱える。

・《沼の妖術使い》

画像12

 《暗黒の儀式》内蔵のスペルシェイパー。普通に運用するとリソースが減るマナクリーチャーだが、リアニメイト軸であれば手札を捨てることもメリットと捉えられる。

・《熱心すぎる弟子》

画像13

 《沼の妖術使い》同様に手札を切るためリアニ軸なら強く使えるマナ加速生物その2。そちらと違って自身の生贄まで必要だが、起動にマナが不要な点と召喚酔いしていても使える点が利点。《黒玉の大メダル》等で軽減している時はこれを経由することで都合手札2枚を1マナへ変換できる。

・《墓所の怪異》

画像16

 自分限定《沸き立つ汚泥》内蔵生物。強請に書かれている混成マナシンボルは注釈文であるため真価を発揮する黒単で採用可能。ちなみに強請は対戦相手3人からドレインするため自分は3ゲイン出来る。沼がタップされれば追加で1マナ得るため《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》があれば《古えの墳墓》から無色2マナ出しても黒1マナが発生する。

・《Lake of the Dead》

画像17

 戦場に出るに際し沼を1つサクり、2つ目の起動で更に沼をサクると4マナ発生するという非常に強力なマナ加速が可能な土地。再録禁止であるがゆえに高騰してしまったが強さは折り紙付き。

 以上が過去に自分が使ってきた、或いは使っているマナ加速である。今回アーティファクトについては除外しているが、黒関係だけでもこれだけの枚数が存在する。もしデッキ構築のお役に立てれば幸いと思い、筆を執らせていただいた次第だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?