上部頸椎に可動域制限を出す筋肉とは⁉


上部頸椎とは

頸椎と分類される椎体の内、第一頸椎と第二頸椎の二つを指す。(c1/2)

頭蓋の後頭骨とC1で環椎後頭関節と成り

C1とC2で環軸関節を作る。


この上部頸椎には

屈曲、伸展、回旋、側屈それぞれの動きある。


屈曲

顎引くような動作で約10°前後

環椎後頭関節で5度 環軸関節で5度 計10度

上部頸椎(屈曲)

伸展

顎を突き出す様な動きで約20度前後

環椎後頭関節で10度 環軸関節で10度 計20度

上部頸椎(伸展)



回旋

環椎後頭関節は、ほぼ回旋に関与していなく

環軸関節つまり環椎が動くことによって回旋の動きが作られる

また回旋に関しては頸椎全体の約50~60%つまり180度の内90度以上は環軸関節が動きを担っている。


側屈

環椎後頭関節で約5° 環軸関節に関しては殆ど不動と言ってもいい


ここに上部頸椎の関節可動域を表としてまとめる

ROM上部頸椎



上部頸椎可動域制限の影響


ではこの上部頸椎の動きに制限が出ると

どの様な弊害が出るのかをカップリングモーションを交えて考えてみる


まず関節運動では『制限がある、おこる』という事は

必ず別の部位、関節に代償動作が起こる。

上部頸椎に可動制限あると

下部頸椎が代償動作が生じることは言うまでもないが


例えば

上部頸椎右回旋制限がある場合、下部頸椎の右回旋、側屈の代償による動きが大きくなる。

関節は関節運動の法則で機能以上の可動域を超えれば必ず壊れていく。強力な力ならば一度で、微量でも繰り返しストレスがかかればゆくゆくは壊れていく。

回旋運動が下部頸椎主体となれば

下部頸椎の椎間関節には圧縮、剪断ストレスが集まり

頸椎症や椎間板ヘルニアを引き起こす要因となる。

またマッスルインバランス(上位交差性症候群)が起こることで

僧帽筋や肩甲挙筋、胸鎖乳突筋などが過緊張を起こし

肩凝りや胸郭出口症候群などを引きお起こす


上部頸椎の制限をつくる原因筋「後頭下筋群」

では上部頸椎の可動域制限の大きな要因となる筋肉とは何か

それは「後頭下筋群」

後頭下筋群は

「大後頭直筋」、「小後頭直筋」、「上斜頭筋」、「下頭斜筋」の構成

後面図

画像1画像引用:

(酒井建雄,医学書院,プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系)


①大後頭直筋

『起始 軸椎の棘突起』~『停止 下項線の中間1/3』

②小後頭直筋

『起始 環椎の後結節』~『停止 下項線の内側1/3』

③上斜頭筋

『起始 環椎の横突起』~『停止 大後頭直筋の停止の上部』

④下斜頭筋

『起始 軸椎の横突起』から『停止 環椎の横突起』


側面図

側面

画像引用:

(酒井建雄,医学書院,プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系)

この後頭下筋群、主に姿勢や心因性や先天性、目の酷使などからが原因とされている。後頭下筋群が短縮、攣縮状態になることで頭痛やめまい、耳鳴りなどの発生要因にもなる。


まとめ

・上部頸椎の主な可動域は回旋 頸椎全体の50%以上を占める
・上部頸椎可動域制限が起こると頸椎ヘルニアや頸椎症、また肩凝り、胸郭出口症候群の要因となる
・上部頸椎の可動域制限となる筋肉は後頭下筋群




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